アシスタントAIやVRなど傑出した機能を搭載
“史上初”を詰め込んだスマホ「Google Pixel XL」は「iPhone」の対抗馬か?(2/3 ページ)
Google Pixel XLのパフォーマンス
Google Pixel XLには、Qualcommの「Snapdragon 821」プロセッサ(クアッドコア、2.15GHz+1.6GHz)と4GBのLPDDR4 RAMが搭載されている。この組み合わせは強力だ。スマートフォンの中にはさらに多くのメモリを内蔵するものもあるが、パフォーマンスの差に気が付くことはそうないだろう。
2016年に発売されているフラッグシップ機のほとんどに搭載されているQualcommの「Snapdragon 820」と比較すると、Snapdragon 821の方がパフォーマンスに若干優れ、GPU側で特にそれが目立つ。HDR画像の高速処理が重視されており、LTE接続も速くなる可能性がある。
Google Pixel XLのユーザーの場合、Snapdragon 821のおかげで非常に洗練された操作感が得られる。これまでにテストしてきた他のスマートフォンでは、ほぼ全ての機種で幾分遅れやぎこちなさが感じられた。これはSamsung Electronicsの「Galaxy S7 edge」やAppleの「iPhone 7 Plus」も例外ではない。特にロック画面からスタート画面に戻る際にそうした現象が発生することがある。その点、Google Pixel XLは安定感が抜群で、滑らかに動作する。
特に印象的なのがGPUだ。負荷の高い3Dゲームを実行するとこれを実感できる。VR重視であることを考えるとこの点は素晴らしい。また指紋センサーも注目に値する。その速度と精度はHuaweiとAppleの指紋センサーに匹敵し、Samsung Electronicsを始めとする他のメーカーに勝っている。
テストで使用したGoogle Pixel XLのベンチマークを見てみると、Primate Labsの「Geekbench 4」を使ったシングルコアテストのスコアは1782、マルチコアテストのスコアは4252だった。
Google Pixel XL内蔵のQualcommの「Adreno 530」GPU(624MHz)は、処理能力のベンチマークで7014というスコアを記録した。
このGPUスコアは最近の他のスマートフォンを圧倒している。ただし、Geekbench 4のスコアはiPhone 7 PlusやGalaxy S7 edgeを大きく下回っている。この点では、ベンチマークのスコアが実際のパフォーマンスをそのまま表すわけではない。Google Pixel XLの動作はiPhone 7 Plusとほとんど変わらず、Galaxy S7 edgeよりも目に見えて優れている。
テストしたGoogle Pixel XLの32GBモデルは、初回起動時点で約21GBの容量が利用可能だった。これは他の一部のAndroidスマートフォンと比べると少なく、一般的には23GB以上の容量が確保される。
Google Pixel XLの接続性(米国の場合)
Google Pixel XLは、Verizon、Sprint、AT&T、T-Mobileなど、米国内の主要通信事業者を全て利用できる。通信事業者としてはVerizonのみが直接販売をしており、Googleの「Googleストア」から購入することも可能だ。また、最速600Mbpsのダウンロードと15Mbpsのアップロードに対応するLTE Cat.12をサポートしている。
GPS、GLONASS、Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac 2×2(MIMO)、Bluetooth 4.2、NFCにも対応している。FMラジオはサポートしておらず、この点は残念だ。というのも、Google Pixel XLにはFM受信機が備わっている可能性が高いためだ。だが、アンテナをサポートするように設計されていないのだろう。FM受信機が有効になっているスマートフォンでは、ヘッドフォン入力をアンテナとして利用する。そうでなければ、アンテナはサポートしていても、FM受信機を単純に無効にしているということだ。
FM受信機はローテクではあるものの掛け替えのない機能だ。ほとんどバッテリーを消費しないため、緊急事態や停電時には特に重宝する。
Google Pixel XLのソフトウェアと機能
Google Pixel XLにはAndroid 7.1(Nougat)を搭載しており、リリース日の2016年10月から2年間はAndroidの更新をサポートすることをGoogleが保証している。セキュリティの更新については3年間サポートする。
Googleの「Google Assistant」は初めて独占的に搭載される重要な機能だ。この機能は、「Google Now」のバージョン2.0、またはAppleの「Siri」やMicrosoftの「Cortana」への対抗機能と考えればよい。
Google Assistantは次のような巧妙な仕掛けを数多く用意している。
- カレンダーとリマインダーを作成および管理する(「OK Google、キンバリーとの次回の会議はいつ?」)。
- Googleの「Knowledge Graph」、翻訳サービス、簡単な数学的質問にアクセスする(「OK Google、エッフェル塔の高さはどれくらい。フランス語で『こんにちは』はどう言うの。17.98ドルの20%は何ドル」)。
- 写真を探す(「OK Google、うちの犬の写真を見せて」)。
- Googleの「Googleマップ」情報にアクセスする(「OK Google、1番近くにある郵便局の場所を教えて」)。
- パーソナルフライトを管理および検索する(「OK Google、次の便はいつ」)。
- 性格も備わっており、命令に従って歌を歌ったり、冗談を言ったり、詩を読み上げたりする。
- アプリを開く、ショートメッセージサービス(SMS)を送信する、電話をかける、アラームを設定するなども可能。
- 会話の流れに沿った質問も理解する。「エッフェル塔の高さはどれくらい」と訊いた後に、「それはどこにあるの」と続けて問い掛けることができる。Google Assistantは「それ」がエッフェル塔を指すと理解する。
これで全てではない。Google Assistantは企業が提供する膨大なサービス(メッセージング、Android、メール、ミュージック、Googleの「Chromecast」、検索など)の間を駆け巡る。さらに、同じ機能はGoogleの「Google Home」スピーカーでも、「Google Allo」メッセンジャーでも利用できる。そのため、Google Assistantの全機能を網羅した包括的なリストは簡単に提示することはできない。
では、Google Assistantには実際、どのような価値があるのだろう。それは時間の節約だ。音声コマンドを使って関連情報を収集し、1カ所に表示できる。だが、こうした情報は全てアプリですぐに入手できる。それも、簡単にタップして、数回スワイプするだけだ。Google Assistantから得られるメリットは最低限のもので、ユーザーに対して新しいワークフローを覚えるよう促すほどではない。そのため、Google Assistantはスマートフォンよりも、従来型の「データ処理能力がお粗末な」デバイスの方が印象深い存在になる。例えば、Google Homeスピーカーだ。
Google Assistantが役に立たないと言っているわけではない。時には実際にテークアウトできる店を探したり、基本的な計算問題を解いたりすることはある。少なくとも、「このスマートフォンでできることを見せて」のような質問をすれば、素晴らしい座興にはなる。
Google Pixel XLの他の特徴としてはGoogleの「Quick Switch」アダプターがある。このアダプターを使用すると、連絡先、カレンダーの予定、写真、動画、音楽、SMSメッセージ、Appleの「iMessage」などの個人情報を、前に使っていたスマートフォンからGoogle Pixel XLに簡単に移すことができる。また、無制限の写真用ストレージを無料で利用できるのもGoogle Pixel XLの特徴の1つだ。
確かに、Googleの「Googleフォト」でも上限のない写真用ストレージを無料で提供しているが、このサービスで利用できるのは圧縮した写真に限られる。Google Pixel XLユーザーなら、本来の解像度の写真を無制限に保管しておける。
Google Pixel XLは、GoogleのVRプラットフォームDaydreamに初めて対応したスマートフォンでもある。本稿執筆時点で対応できるのは、Googleの「Daydream View」VRヘッドセットのみだ。また、見た目が美しいPixel Launcherホーム画面も採用されているが、他にも多数存在するAndroidホーム画面に優るメリットは実際のところ特にない。
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