アシスタントAIやVRなど傑出した機能を搭載
“史上初”を詰め込んだスマホ「Google Pixel XL」は「iPhone」の対抗馬か?(3/3 ページ)
Google Pixel XLのバッテリー
Google Pixel XLには3450mAhのバッテリーが内蔵されている。Googleの発表によれば、Wi-Fiを使って最大14時間Webの閲覧が可能だという。画面の明るさを最大に設定し、Wi-Fi経由で動画配信サービスの「Netflix」で動画をストリーミング再生したところ、テストしたGoogle Pixel XLは8時間45分持続した。
8時間は、このテストをする全てのフラッグシップ製品が実現すべき標準的な記録だ。またこの数字は、Google Pixel XLを使う場合に最低でもこれだけは合理的に期待できるという時間だ。中には12時間に達する製品もあり、最高では20時間という記録がある。とはいえ、これは悪い結果ではない。一般的な使い方で丸1日過ごすには十分過ぎるほどで、長距離飛行でもバッテリー切れになることはない。
充電も高速だ。今回テストに使用したGoogle Pixel XLを同梱のアダプターで充電したところ、バッテリーを使いきった状態からわずか15分で40%まで回復した。
Google Pixel XLのカメラ
Google Pixel XLのカメラは「これまでで最高品質を誇るスマートフォンカメラ」だとGoogleは主張している。
それが本当なら、それはハードウェアではなく、ソフトウェアによる画像生成が優れていることの証になる。なぜなら、Google Pixel XLは仕様上、2つの重要な部分に不足がある。
Google Pixel XLには、画素サイズ1.55マイクロメートルピクセル、絞り値(F値)2.0の1230万画素カメラが搭載されている。光学式手振れ補正には対応しておらず、F値2.0では他のフラッグシップ機と比較して絞りの開きが小さい。例えば、Samsung ElectronicsのGalaxy S7 edgeはF値1.7のカメラを内蔵している。
この要素が重要なのは、F値の数字が小さくなる(つまり絞りの開きが大きくなる)と、それだけレンズ孔が大きくなり、イメージセンサーに届く光の量が増加するためだ。特にスマートフォンのカメラでは、低照度で撮影する際にきれいな写真を撮るのに役立つ。
Google Pixel XLの場合、カメラの画素サイズは1.55マイクロメートルピクセルと大きめだ。イメージセンサーの画素サイズが大きいということは、光を取り込む表面積が広くなることを意味する。これもまた、低照度できれいな写真を撮影するのに一役買う。
Google Pixel XLのカメラは光学式手振れ補正(OIS)を搭載していない。この機能も、細かい物理的な動きを物理的に相殺することで、低光量での写真撮影を補助するものだ。光の少ない場所で撮影する場合、より多くの光をイメージセンサーに取り込めるように、シャッターを長い時間開いたままにする必要がある。このときに手が動くと、それがどれほど小さくて感知できないものであっても、写真がぼやけることになる。イメージセンサーの像が「移動」するためだ。基本的に、OISはレンズと反対方向に動くことで手振れを相殺し、イメージセンサーで像の静止状態を維持する。
OISのメカニズムはスペースも取る。Google Pixel XLにOISを搭載するとカメラレンズが突き出る可能性が高く、均整のとれた設計を捨てることになる。
また、OISは動画撮影にも役に立つが、想像するほどのものではない。代わりに、ソフトウェアを使って、細かい動きの動画を滑らかにする目的は達成できる。これには、デジタル手振れ補正または電子式手振れ補正(EIS)を利用するのが一般的だ。
Google Pixel XLのEISは動画の安定に素晴らしい働きを見せる。大抵の場合、不安定な映像、つまり「こんにゃく現象」と呼ばれるEISで発生しやすい落とし穴は回避される。
写真品質に目を向けると、ハイダイナミックレンジ(HDR)写真を生成する際にもソフトウェアが驚異的な役割を果たしている。適切な環境下で撮影した写真は、黒が非常に深みを持ち、現実的な色合いと素晴らしいコントラストを実現している。写真によっては目を見張るような美しさが表現され、対抗機種で撮影された写真を圧倒する。
Google Pixel XLは暗がりでの撮影には難点がある。最適な状況で撮影した場合と比較すると特にはっきりする。画像にノイズが出るのではなく細部が消失する。また、色調が青に偏ることで、他の全ての色の存在感がなくなる。Samsung ElectronicsのGalaxy S7 edgeで撮影した写真を横に並べて比較すると一目瞭然だ。この2枚の眠っている犬の写真はいずれも同じ時間に、同じ低光量の条件で撮影されたものだ。Galaxy S7 edgeの写真の方がずっと鮮明で、細部までしっかりと表現されており、少なくとも複数の色が存在する。ここでもソフトウェアがこの複雑な処理を実行している。「最高品質」を訴えるGoogleの主張が正当であると立証されるのはまだ先の話になりそうだ。Google Pixel XLのソフトウェアは、パノラマ写真やボケた写真の撮影にも素晴らしい働きを見せる。また、カメラアプリは電源ボタンを2回素早くタップすることでクイック起動でき、起動後には迅速かつ効率的に焦点を合わせることができる。
自撮り用のフロントカメラについても同じことがいえる。画素サイズが1.4マイクロミリメートルピクセル、F値2.4の良質な800万画素のセンサーを備えている。
付属品
Google Pixel XLには、USB Type-Cの充電用18ワットアダプター、USB Type-C(A-C)ケーブル、USB Type-C(C-C)ケーブル、SIM取り出し用ピン、フルサイズUSB(TYPE-A to C)の「Quick Switchアダプター」が付属している。
素晴らしい品ぞろえだ。ユーザーは追加のアダプターとケーブルに弱い。Quick Switchアダプターは、アクセサリーをサポートする目的でも使用できる。具体的には、USBキーボード、マウス、外部ストレージ、ゲームパッドなどをサポート可能だ。
Google Pixel
Googleの「Google Pixel」はGoogle Pixel XLの小型版だ。本体サイズは143.8(高さ)×69.5(幅)×8.5(厚さ)ミリ、重量は143グラム。Google Pixel XLよりも解像度が低い5型ディスプレイを備え、ピクセル密度は441ppiになる。内蔵バッテリーも2770mAhと小さめで、持続時間はGoogleの発表よりも若干短い。
その点を除けば、Google Pixel XLと似た構造で、同じカメラを搭載し同じ機能を備えた同じスマートフォンだ。
結論
Googleの「Google Pixel XL」は、まあまあのハードウェアを、卓越したソフトウェアと優れたパフォーマンスが補っている。Google Pixel XLは、クリーンで利用しやすいAndroid構造で、最高のAndroidスマートフォンのように動作することは確かだ。だが、防水、取り外し可能なストレージ、OISのそれぞれがないことを考えると、総合的に見て最高のAndroidスマートフォンとは言い難い。
Google Assistantは傑出した機能だ。だが、Google Pixel XLが必携のスマートフォンになるほど、Google NowやSiriに比べて優れているわけではない。同じことはDaydreamにもいえる。この分野を現在リードしているのはSamsung Electronicsの「Galaxy Gear VR」だ。
カメラに対する印象も同じだ。ベストの状態なら圧倒的な写真を撮影できるが、低照度で撮影する場合は他のカメラの方が上回っている。
最安価のGoogle Pixel XLは32GBモデルで、769ドルで販売されている。128GBモデルの場合は869ドルだ。一方、小型版のGoogle Pixelは32GBモデルが649ドルで、128GBモデルが749ドルで販売されている。
高価だが、他のフラッグシップ機も価格は横並びだ。Google Pixel XLが絶対に手に入れたいスマートフォンになるには、ハードウェアを改善するか、価格を下げることが不可欠だ。現状のままでは、優れた選択肢が1つ増えたにすぎない。
長所
- 素晴らしいソフトウェア
- 優秀なパフォーマンス
- 多くの撮影条件で目を見張るような写真を撮ることができるカメラ
- 便利なアダプターが同梱
短所
- 非防水
- 拡張可能なストレージが未搭載
- 低照度でのカメラのパフォーマンスが残念
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