失敗しないEMM製品の選定ポイントを伝授
iPhoneとAndroidしか管理できない「EMM製品」は時代遅れなのか?(2/2 ページ)
ネットワークの要件とリモートアクセスのニーズ
企業がEMM製品を選ぶ際、答えを出すべきネットワーク関連の問いかけは、主に3つある。
- 無線LANの利用実態はどうか
- 遠隔地の従業員にどのように対処するか
- 「パレートの法則」(「80対20の法則」とも。一部の要素が全体に大きな影響を与えること)を用いたとして、例外的ユースケースのうち、企業の意思決定プロセスに影響するのはどの程度か
従業員が各自のデバイスを企業のLANに接続すれば、ネットワークの需要は増加する。例えばAppleが新しいiOSをリリースする毎年9月ごろには、企業のほぼ全てのエンドユーザーが、自身のスマートフォンを自発的にアップグレードすることになるだろう。iOSの各バージョンの容量は1GB前後あるので、どのようなネットワークでも負担が掛かるのは避けられない。
企業は、デバイスやクラウドサービスが侵害を受けやすいことも考慮しておかなければならない。優れたモバイルセキュリティ対策は、できるだけ迅速にデバイスからデータを取り除くことだ。クラウドとデバイス間のデータ移動は、あらゆるネットワークが直面する課題となっている。
企業はデバイス数が増えても管理できるように、EMM製品を選択しなければならない。エンドユーザーの多くはノートPCに加えて、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチなど、2台以上のデバイスを持ち歩いている。エンドユーザーは、所有する各デバイスをネットワークに接続しようとするはずだ。企業がEMM製品を選ぶ前に、無線LANの利用実態について徹底して評価することは意味がある。
デバイスから業務データへのアクセス権を提供することを考えている場合、まず、LANの外部からメールや各種コンテンツへアクセスできるようにするかどうかを決めておく必要がある。コンテンツへのアクセスを許可すれば、エンドユーザーはスムーズに作業できるようになる。データのやりとりには、一般的には仮想プライベートネットワーク(VPN)を利用することになる。「シングルサインオン」(SSO)または「IDaaS」(Identity and Access Management as a Service)といった認証システムの併用も検討の価値がある。
EMM製品を購入する場合は、デバイスの利用を特定の場所に制限するかどうかも考慮が必要だ。例えば利用場所を倉庫に制限したとする。管理者は、倉庫からタブレットが持ち出されたら何が起きるかを考える必要がある。持ち出されたタブレットのデータを自動的に消去すべきだろうか。消去するとして、倉庫からどれくらい離れたときに実行すべきだろうか。これらはEMM製品によって制御することになる。
UEM機能
クライアントPCの管理と、モバイルデバイスの管理との間にある境界線は、相変わらず曖昧だ。この事実を反映しているのが、あらゆるデバイスを統合管理する「統合エンドポイント管理」(UEM)製品の存在である。UEM製品は1つのコンソールから、クライアントPCやスマートフォン、タブレットといった、さまざまなデバイスのセキュリティ保護と制御を実現する。いわばEMM製品の発展型だ。UEM製品の目標は、増加の一途(いっと)をたどるネットワーク接続型デバイスを管理することにある。
UEM製品を購入する場合は、次の点を考慮する。
- AndroidとiOSに加えてMicrosoftの「Windows」が管理できるか
- 「Linux」をはじめとするサーバOSが管理できるか
- UEM製品の成熟度はどの程度か(単に複数の製品を1つにまとめただけなのかどうか)
UEM市場は比較的新しい。UEM製品を評価する際は、必ずその製品の既存ユーザー企業の意見を聞くことをお勧めする。
多様性
優れたEMM製品は、1つのツールだけではなく複数のツールから成り立っている。デバイス市場は、大きな進化と変化の真っ只中にある。ユーザー企業はそのことを念頭に置き、新しいデバイスが利用できるようになったとき、選択したEMM製品がそれを管理対象にできる可能性があるかどうかを確認しておくべきだ。例えば次のようなデバイスが考えられる。
- 進化するスマートフォンやタブレット
- ウェアラブルデバイス
- 高度なプリンタ
- スマートディスプレイやスマートTV
- スマートロジスティクス(無人搬送車など)
- IoT(モノのインターネット)デバイス
結論
複数のソフトウェアベンダーが、自社製品にEMM風の機能を組み込み始めている。EMM製品を購入する場合は、何かしらの決定をする前に、必要なセキュリティレベルなど、自社の特性を整理しておくことが重要だ。書き出した要素を基にして、選択対象のベンダーのリストを絞り込むようにするとよい。
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