“IoT×ブロックチェーン”を考える
“ブロックチェーン”は万能薬ではない、IoTでの使用が適さない理由とは(2/2 ページ)
IoTでブロックチェーンの使用が検討される場面
ブロックチェーンはごく小さな単位でトランザクションを追跡できるため、資産を追跡する場所に展開できる。資産が地点Aから地点Bに移動する場合、ごく小さな複数の中間点を通過しなければならないかもしれない。そのような状況で、資産が改ざんまたは転用されたり、事前の許可なく名前が変更されたりするようなことがあってはならない。こうした状況でブロックチェーンを導入すると、ブロックチェーンが資産の動きを追跡して、個々の動きや登録をトランザクションと見なし、重複エントリを防ぐことができる。
他のユースケースとして、センサーの測定データの追跡にブロックチェーンを使用する場合だ。同じタイムスタンプで別の悪意のある値が重複して作成されることを防ぐことができるかもしれない。だがブロックチェーンを使わずに、さまざまな方法で同じ状況を実現することは可能だ。私たちが求めているのは、悪意のある攻撃からセンサーのデータを保護することだけである。
センサーのデータに関連付けられている貨幣価値があって、売却可能であれば、ブロックチェーンを使用して二重販売を防ぐことは可能だ。つまり、データの持ち主のみがデータを販売することができ、データの受信者がデータを販売することはできない。データの受信者ができることはデータの使用に限られる。だがこのシナリオが現在のIoTの世界で実現する可能性は低い。それは、センサーが自立しておらず、センサーデータの価格を決めるのは難しいためだ。
ブロックチェーン技術がIoTに適合しない場面
前述の最初のユースケースでブロックチェーンは、特定資産固有に対するデータセットの管理者として機能しているように見える。つまり、この状況でブロックチェーンが見せかけのデータベースとして機能している。端的に表現するならば、この状況でブロックチェーンは、データベースの主キーのようなものとして機能している。
ブロックチェーンの主な長所は、ブロックチェーンネットワークに参加しているノード数で、ノードの大多数は不正アクセスを受けないことにある。IoTのシナリオにおいて、十分な数のノードがブロックチェーンネットワークに参加していなければ、ブロックチェーン自体は悪意のある攻撃によって機能しなくなる可能性がある。そのため、広範なネットワークに導入したブロックチェーンは、地点Aから地点Bに転送される特定の資産に、多くのノードが関心を示さない限り意味を成さない。
ブロックチェーンはプライベートなブロックチェーンネットワークで使用できるのか
プライベートブロックチェーンは、プライベートネットワークに実装されたブロックチェーンだ。プライベートネットワークが攻撃を受ける機会は明らかに少ないため、ノード数も少なくなる。ただし、厳密には、プライベートブロックチェーンはブロックチェーンではない。というのも、正式なブロックチェーンは、トランザクションを監視および使用するために運用している、多くのブロックチェーンネットワークやノードを保持しているからだ。プライベートネットワークに含まれる単一のブロックチェーンネットワークは見せかけの主キー管理者だ。悪意のある攻撃を防ぐ上で役に立つわけではなく、ブロックチェーンの高価なコンピュータ要件のために、速度が遅いだけの存在となっている。
まとめ
IoTの世界でブロックチェーン技術は、万能薬と考えるのではなく、賢く使用すべきだ。ブロックチェーンは、それなりに役立つが、やみくもに大衆に従うのではなく、IoTネットワークを保護するための他の技術と併用する必要がある。IoTの世界で必要なことは攻撃に対するセキュリティで、複製エントリに対するセキュリティではないことがほとんどだ。
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