続くMicrosoftとSlackの駆け引き
「Slack Enterprise Grid」は今までのSlackとどう違う? 気になる機能を紹介(2/2 ページ)
さらにSlack Technologiesは、SAPをはじめとする数社のIT企業との提携を進めている。SAPと提携することでSlack Technologiesは、SAP製品と連係するボット群を開発する予定だ。これらのボットは、出張経費清算管理サービスの「Concur」や人材管理サービスの「SuccessFactors」と連係する。またSlack Technologiesは2016年9月、Salesforce.comと提携し、Salesforce.comのプラットフォームをSlackと連係できるようにした。
「SAPのようなエンタープライズソフトウェアベンダーが、ConcurやSuccessFactorsといったサービスの連係機能を提供するのは重要だ。Slackが技術屋や開発者だけのためのツールではないことを示すことになるからである」とレポフスキー氏は語る。
報告書によると、Slack Technologiesは以前から、コードを全面的に書き直すなど、エンタープライズ市場に向けた取り組みを進めていたようだ。だが今回のタイミングは、Microsoftへの対抗を意識したものかもしれない。Microsoftは2016年11月に「Microsoft Teams」を発表した。これはSlackと同様のコミュニケーションツールで、大企業に狙いを定めている。
「Microsoftにとって、同社の製品である『Office 365』や『Outlook』を使っている企業が多いエンタープライズ市場で追加販売という形でMicrosoft Teamsを売り込める。これに対してSlack Technologiesの場合、企業の玄関から入っていかなければならない」とマルコビッチは話す。
2017年1月末の時点でもMicrosoftとSlack Technologiesの駆け引きが続いていた。Slack TechnologiesがSlack Enterprise Gridを発表した前日、Microsoftは「Microsoft Teamsはまだβ版であるにもかかわらず、この1カ月間で145カ国/地域の市場で3万の組織がこの製品を利用した」とブログに投稿した。Microsoft Teamsは2017年第1四半期にリリースの予定だ。
一方、Slack Technologiesのステュワート・バターフィールド最高経営責任者(CEO)は2016年11月、Microsoft Teamsの発表の翌日に、以下の記事をブログとNew York Timesの全面広告に掲載した。
「あなた方がこの新たな製品カテゴリーを定義する手助けをしてくれるのをうれしく思う。われわれはあなた方の偉業を尊敬しており、競争相手として不足はない。あなた方はきっと、独自の新アイデアを打ち出してくるだろう。われわれもそれに対抗する準備が整っている」
Slack Enterprise Gridの価格は発表されていない。同製品を入手するには、Slack Technologiesに直接申し込む必要がある。なおSlackには3種類の価格設定がある。「無償オプション」、1ユーザーに付き月額8ドルの「標準オプション」、1ユーザーに付き月額15ドルの「プラスオプション」だ。標準オプションとプラスオプションでは、年間契約割引も用意している。
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