続くMicrosoftとSlackの駆け引き
「Slack Enterprise Grid」は今までのSlackとどう違う? 気になる機能を紹介(1/2 ページ)
Slackは従業員数500人以上の企業での普及を狙って、大企業向けプラン「Slack Enterprise Grid」を発表した。従来の「Slack」とどう違うのだろうか。
Slack Technologiesのビジネスコミュニケーションツール「Slack」に、大企業をターゲットにした新バージョンが登場した。「Slack Enterprise Grid」という名前だ。
Slackは現在、中堅・中小企業の間で約500万人の日次ユーザー数を抱えている。新製品のSlack Enterprise Gridは従業員数500人以上の企業での普及を狙っている。
大手企業への進出を目指したこの製品は、検索やBI(ビジネスインテリジェンス)、アナリティクスといった新機能を搭載する。これらの機能強化により、チーム間のコミュニケーションが容易になるとともに、社内全体のシステムを横断的に検索しやすくなる。検索対象に関連した情報や連絡先をユーザーに提示する機能もある。Slack Enterprise Gridを通じて社内の他部署の従業員とコミュニケーションをする場合でも、メッセージの洪水にさらされる心配はない。
「多数の部署があり、3万人規模の大手企業でSlackを運用するのは無理だ」と話すのは、Slackのコンサルティングを手掛けるChatOverloadの創業者のデビッド・マルコビッチ氏だ。「既にSlackを利用している企業は、会計部門に1つのグループ、マーケティング部門に別のグループといった具合に分かれている。これらのグループ間で対話をしたいと思っても、その手段が用意されていなかった」(同氏)
Slack Enterprise Gridは、企業の部署間でのコミュニケーションを可能にする。この「チーム連携」機能を利用することにより、大量の着信メッセージに埋もれることなく、異なる部門間で必要なときに必要な場所で情報をやりとりできる。
Constellation Researchの副社長兼主席アナリストを務めるアラン・レポフスキー氏は「Slack Technologiesの発表は重要な意味がある。企業はSlackの無償版を試した後、その利用が複数の部署に拡大した段階でSlack Enterprise Gridに移行できるからだ」と話す。「この新製品は拡張性、ライセンスの一元化、管理といったIT部門のニーズを満たす一方で、各部門のニーズに応じてカスタマイズできる柔軟性を提供する」(同氏)
Slack Enterprise Gridを紹介したSlack Technologiesのブログ記事によると、チーム用のワークスペースを作成する管理者は、ワークスペースごとに権限の管理と連係の設定ができるという。
またSlack Enterprise Gridは法規制対象の業界にも進出すべく、「HIPAA」(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)と「FINRA」(米金融業規制機構)に加え、「SOC 2」(受託会社の内部統制に関する規定)と「SOC 3」に準拠している。公表された報告書によると、Slack Enterprise Gridのβテスター企業の1社である銀行のCapital Oneは、約1万2000人の従業員が同製品に移行したという。
「Slack Technologiesは企業向けのサービスをさらに充実させる考えだ」とマルコビッチ氏は予測する。「Slack Technologiesはセキュリティ分野で企業のIT部門と連携を進める一方で、より高度なアナリティクス機能を提供するだろう。これまで大企業がSlackの利用をためらっていたのは、こうした機能が欠落していたからだ」(同氏)
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