メール廃止は可能?
「Slack」利用に失敗する会社と成功する会社の違い――9つのヒントで解き明かす(1/3 ページ)
「Slack」や「Cisco Spark」などチームメッセージングアプリの人気が高まっている。その結果、さまざまなサービスがチームメッセージングアプリに変わってしまう可能性がある。
チームメッセージングアプリケーションの登場で、電子メールだけでなくカスタマーサービス用無料通話電話番号までいらなくなると聞いたら、まさかと思うだろうか。
企業向けストレージの新興企業であるQumuloは、顧客との主要コミュニケーションツールとしてSlack Technologyのチームメッセージングアプリケーション「Slack」を採用した。顧客はそれぞれ個別のチャンネル(特定の話題についてコミュニケーションするグループ)を持つだけでなく、共通のパブリックチャンネルに招待される。そこでは顧客同士が対話でき、フィードバックを書き込んで全員で共有することができる。
Qumuloのカスタマーサクセス担当責任者のクリス・リシッツァ氏は次のように話す。「パブリックチャンネルは、いいことも悪いことも自由に発言してよい。顧客には何を言ってもらっても構わないから、当社の製品について率直に議論してほしい。これは顧客のことを無料で知ることのできる素晴らしい仕組みだ」(リシッツァ氏)
リシッツァ氏によると、Qumuloでは顧客と交わすやりとりの約90%をSlackでするという。
「無料通話電話番号も用意しているが誰も使わない。かかってくる電話は月に3件だ。誰も電話を取りたくないから、これはとてもいいことだ」(リシッツァ氏)
Nemertes Researchが最近実施した調査によると、中小企業の約半数はチームメッセージングアプリケーションを使っているという。大企業の場合はやや少なく、使っている企業は約30%だ。いち早く使い始めたのは企業のIT部門とアプリケーション開発者たちであり、業種としては医療、専門サービス、小売り、教育、金融サービス分野で関心度が高い。
Nemertesによると、4社中1社以上がチームメッセージングアプリケーションをビジネスで使っており、その多くは社内コラボレーションの向上を目的としている。中にはQumuloのように、社内コミュニケーション以外にも用途を拡大している企業もある。
評価は分かれる
チームメッセージングアプリケーションの可能性について、肯定的な意見ばかりではない。例えば、クリストファー・バッツ氏は、Slackは電子メールの代わりにはならなかったと述べている。Slackで効率が上がるどころか、逆効果だったという。2016年1月、バッツ氏は「Actually, Slack Really Sucks」(Slackにはがっかりだ)というブログ記事を公開し、Slackのせいで日常業務がいかに煩雑になったかを辛辣(しんらつ)につづった。同氏によると、設定は分かりにくく、グループチャットは冗漫で、通知は混乱するという。
「困るのは、他のみんながSlackを使うようになることで私は少しも楽にならないことだ。むしろ複雑さと混乱が増す」とバッツ氏はいう。「Slackを閉じている方がよっぽど効率がいい」(同氏)
当時、バッツ氏は、介護者オンラインマーケットプレースを提供するHomeTouchの製品に携わるリーダーだった。その後、29カ国に7000人近い従業員を持つ国際的なメディアグループSchibstedに移った。同氏は自分の意見は個人的なものであり、これらの企業を代弁するものではないと述べている。
メッセージングアプリケーションを使ったリアルタイムのコミュニケーションは、電子メールより素早い。だが大人数のチームで使うとチャットウィンドウの数が多くなり、情報を見つけにくくなるため効果的でない、とバッツ氏はTechTargetに語った。
「Slackは大人数での使用に対応していない。例えば、同じ人物が含まれるグループチャットウィンドウを10個も開くことになり、それぞれ参加者や解決したい問題が少しずつ違うという状況になってしまう。グループメールに件名を付けるように、Slackのグループチャットにも件名やコンテキストがあるが、サイドバーや検索などの有効な手段で反映することができない」(バッツ氏)
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