称賛せざるを得ない仕上がりだが不確定要素も
徹底レビュー:「Galaxy S8」、Samsung史上最高の主力機種を詳しく見る(3/3 ページ)
大きな存在になる可能性を秘めたBixby
BixbyはGalaxy S8とGalaxy S8 Plusで初めて導入されるSamsungの最新AI(人工知能)インタフェースだ。Galaxy S8について確認できたものの中で、Bixbyは最も大きな変化をもたらす可能性を秘めている。だが本稿執筆時点では、最低限の機能しか具現化されていない。Bixbyが成熟していないのは事実だが、そのポテンシャルは計り知れない。基本的にBixbyは、音声アシスタント機能、Googleの「Google Now」カードおよびOCR(光学文字認識)機能を組み合わせたものだ。他の音声アシスタント機能と同様、電源が入っている状態で本体の左側面にある小さなバンパーボタンを押すか、特定の起動コマンドを声に出して言うことでBixbyはアクティブになる。
本稿執筆時点で最もなじみがあるのは、Samsungの「Bixby Home」の機能だろう。例えばBixbyは、Google Nowカードをスクロールリストに集める。各カードには、天気や最新のニュースのような有益な情報が表示されるが、Bixbyがユーザーの行動に関する情報を学習することでユーザーに合わせてカスタマイズした提案情報が一緒に表示される。具体的には、毎週行っている電話会議を忘れないようにリマインドしたり、退勤時に詳しい交通情報を提供したりする。また、Galaxy S8のホーム画面左側には新たにBixby Homeが表示されるようになる。小さな変更だが、さまざまなものにスムーズかつ簡単にアクセスできるようになる。
Bixby Voiceは、Googleの「Google Voice Search」をほうふつとさせる。ただし、本稿執筆時点では一部の機能が実装されていないようだ。現在、Bixby Voiceではアラームの設定やWi-Fi設定の切り替えなど、基本的なタスクに対応している。ただし、インターネット検索は開始できないため、映画の上映時間や新しいレストランの住所を調べることはできない。とは言うものの、最終的にはそうした機能を実装するとSamsungは明言している。Bixbyの認識と状況判断に関する新しいテクノロジーによって、最終的にはタッチ操作で行うほとんどの作業を音声で同じように実行できるようにする多数の機能がBixbyに搭載されるという。そうした機能の大半はGalaxy S8とGalaxy S8 Plusのリリースに間に合いそうにないが、今後搭載されることが期待される。
Galaxy S8とGalaxy S8 Plusリリース時のBixby Voiceはやや成熟度が低いものになりそうだが、個人的に心が躍ったのはBixby Voiceを使用しながら文字を入力したり、タッチ操作を行ったりできる点だ。音声アシスタント機能は、モバイルユーザーの生活の質に大きな変化をもたらしてきた。だが、音声アシスタント機能を使うときには、それまで行っていた作業を完全に中断させられているのが実情である。Bixbyは、Bixby Voiceの使用中も引き続きスワイプしたり入力したりできるようにすることで、そうした問題を軽減している。Bixby Voiceのデモでは、Bixby Voiceの動作は申し分ないように見えた。そのデモでは、Samsungの担当者が写真のトリミングと位置調整を行っている途中で、その写真を送信するようにBixbyに依頼していた。
Bixbyの3本柱となる機能で懐疑的なまなざしを向けられるのは「Bixby Vision」だろう。ただし、この機能は最も複雑で野心的でもある。本稿執筆時点のBixby Visionからは、運任せという印象を受ける。Red Bullや人気のファッションブランドなど、誰でもすぐに分かるような製品であれば、無名作家の小説やワインのビンテージボトルよりも、はるかに高い成功率で対象物を認識できる。現在、Bixby Visionはソーシャルプラットフォーム、Pinterestの「Pinterest」、複数の小売業者と関連付けられている。Samsungは提携パートナーの数を増やすことを目指している。理論的には、パートナーの数が増えれば、Bixby Visionの機能の応答性と柔軟性はさらに向上するはずだ。それから、テキスト本文を瞬時に翻訳するBixby Visionの翻訳機能も動作に問題のある部分が目立つ。素晴らしい機能ではあるものの、本稿執筆時点ではテキスト全体を選択する際の一貫性に欠けるため、その実用性が台無しになっている。
Bixbyの3本柱の機能はどれも単独でも興味深い。だがBixbyに関して本当に期待が膨らむのは、複数の機能を併用することで独自の機能を実現していることだろう。Samsungが紹介した例を1つ挙げると、Bixby VoiceとBixby Homeを使うことで、より適切にカスタマイズされたリマインダーが提供される。例えば、牛乳の購入に関するリマインダーは、時間で設定するのではなく、自宅周辺に来たらBixbyが牛乳のことを通知するようにできる。
より細かく具体的に機能を設定できるため、Bixbyは従来のどの音声アシスタント機能よりもはるかに強力なものになる可能性を秘めている。例えば友人宅でごちそうになったビンテージワインの写真を撮影し、職場からの帰り道にそのワインを売っている小売店があったら、そうした店を全て通知するようにBixbyに依頼できるようになるかもしれない。本稿執筆時点では実現不可能だが、いずれそのようなことが現実になる兆しは見えている。
Galaxy S8の最終的な印象
結論を下すには時期尚早で、あまり大げさなことは述べたくないが、Galaxy S8とGalaxy S8 Plusは称賛せざるを得ない仕上がりになっている。設計から秀逸なディスプレイや、とんでもない機能の数々まで、その何もかもにつくづく感心させられた。指紋センサーが奇妙なところに配置されているなど、幾つかの問題はあるが、全体的な印象を損なうほどではない。もっと大きな問題になる可能性があるのは不確定要素が多いことだ。それがGalaxy S8にとって悩みの種になるかもしれない。Samsung DexとBixbyはどちらもSamsungの「Galaxy」エコシステムにとって素晴らしい追加機能であるように見えるが、その真の価値は開発者がどの程度関心を示すかに懸かっている。Bixby Visionの精度を高めるには、さらなるインプットが必要で、Samsung Dexが実用的なPCの代替手段となるにはかなりの数のアプリが必要だ。ただし、この領域については失敗してもSamsungにとって痛手にならないように見受けられる。最悪の事態が発生しても、これらの追加機能によってGalaxy S8の明確な長所が損なわれることはない。だが、これらの機能を実現することができたら、形勢が一変する可能性はある。Galaxy S8とGalaxy S8 Plusの最大の魅力は、この数年間、細かい改善を重ねながら徐々に前進してきた業界にとって、この2機種が非常に大きな1歩になると感じさせることだ。
価格は、Galaxy S8が720ドル~、Galaxy S8 Plusが840ドル~となる。米国ではどちらも先行注文を開始しており、2017年4月21日から購入できるようになる予定だ。
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