最上位機種と比肩する操作性
徹底レビュー:ダブルレンズカメラ搭載スマホ「HUAWEI P10」は手頃な価格で優れた性能(2/2 ページ)
パフォーマンス
Kirin 960は、HUAWEIの子会社であるHiSiliconが製造したオクタコアだ。HUAWEI Mate 9に搭載され、2.4GHzで動作するARMの「Cortex-A73」4基と1.8GHzで動作する「Cortex-A53」4基で構成されている。HUAWEI Mate 9の内蔵ストレージは64GBのモデルがあり、4GBのRAMが搭載されている。グラフィックス処理をつかさどるのはARMの「Mali-G71 MP8」だ。このGPUは、主力製品並みのパフォーマンスを発揮することが、ベンチマークテストでも、実際の使用でも確認されている。動きが多いゲームも軽々処理して、ゲームは常に高速かつスムーズにプレイできる。
とは言うものの、さらに負荷の高いプロセスを長時間にわたって実行すると、熱暴走を回避するために、プロセッサのパフォーマンスが自動で30%低下することがテストで明らかになっている。他のスマートフォンでも同様の手法が採用されているが、スマートフォンの動作に対して目に見える効果は得られないことが多い。ただし、今後リリースされるアプリケーションがさらに多くのリソースを必要とするため、HUAWEI P10は、予想以上に早い段階で今よりも過負荷な状態に陥るかもしれない。HUAWEI P10のSoC(System on a Chip)では、「LTE-Advanced Cat.12」接続がサポートされている。つまり、理論的には最大で上りは600Mbps、下りは150Mbpsの速度が実現することになる。
バッテリー持続時間
平均以上のバッテリー持続時間を実現していることを考えると、3200mAhのバッテリーはHUAWEI P10の重要な構成要素といえるだろう。小型の本体に大容量のバッテリーが搭載されていることは、HUAWEIが熱暴走を回避している理由かもしれない。そして、この判断は決して間違っていない。多少酷使しても、HUAWEI P10のバッテリーは確実に夜遅くまで持続するだろう。場合によっては、翌日まで充電しなくても使える可能性がある。再充電しなくてもフルHDの動画を9時間以上視聴することが可能だ。
HUAWEI P10には特殊なUSBケーブルが同梱されている。このUSBケーブルには、高速充電をサポートする充電器が組み込まれている。特筆すべきは、低電圧で高速充電できることだ。当然ながら、このUSBケーブルと充電器の使用は必須ではない。だが、充電電力は22.5Wで、この右に出るのはOPPO(25W)のみだ。実際問題として、HUAWEI P10のバッテリーは、たった30分で55%の充電を完了できることになる。
カメラ
HUAWEI P9を進化させるべく、HUAWEI P10は外装の仕上げ以外にカメラも完璧に近いレベルになっている。これは、HUAWEI P9モデルの大きな成功要因の1つとなったLeicaとのブランド提携を考えての対応だろう。HUAWEI P10は、本体の背面にLeica Dual Camera 2.0を搭載している。これは、HUAWEI Mate 9で採用されているダブルレンズカメラと同じで、HUAWEI P9のカメラより優れている。写真の周辺機器市場で有名なメーカーの名前を使用しているにもかかわらず、HUAWEI P10のカメラはスマートフォンのカメラとして最高品質のものではない。また、HUAWEIが自社のデバイスに搭載しているカメラの中で最高品質のものでもない。HUAWEIの「HUAWEI P10 Plus」は、Leicaの「Leica Dual Camera 2.0 Pro」を搭載したスーパーフラッグシップクラスを目指した製品である。このカメラは、F値が1.8なので、暗がりでも高画質の写真を撮影することができる。なお、HUAWEI P10のカメラのF値は2.2だ。
技術的には、HUAWEI P10の背面カメラは2000万画素のモノクロセンサーと1200万画素のカラーセンサーで構成されている。どちらのセンサーも焦点距離は27ミリで、動画撮影や光学手振れ補正適用時でも同じである。HUAWEIは、解像度差を生かしたハイブリッドズームで写真を撮影する方法を見つけたのだ。つまり、モノクロセンサーは光に関する追加情報によって、カラーセンサーを補完している。ボケ効果はサポートされているが、ライブプレビューではサポートされていない。興味深いことに、前面カメラもLeicaと共同で開発され、ボケ効果がサポートされている。前面カメラにはセンサーが1つしか搭載されていないにもかかわらず、ライブプレビューがサポートされている。さらに興味深いことに前面カメラのF値は1.9で、背面のダブルレンズカメラよりも光を集める能力が優れている。そのため、夜間に前面カメラで撮影した写真は、背面カメラで撮影した写真より高品質で、その差は「ビューティーモード」を有効にしている場合に特に顕著だ。
背面カメラで撮影したカラー写真は、ダイナミックレンジが不足しがちだ。日中に撮影した写真は申し分ない。細部まで鮮明で、露出と彩度は現実的だ。ただし、光の状態が悪くなるにつれて、露出と彩度が不十分になる。夜間の撮影では、明るさと細部が不足する。とは言うものの、光の状態が悪くても、HUAWEI P9で撮影したものと比較すると、HUAWEI P10で大幅な改善がなされていることは肉眼でも分かる。ただし、HUAWEI P10 Plusを含む、Samsung ElectronicsやAppleなどの主力モデルと同じ品質レベルには達していない。
結論
HUAWEI Pシリーズは、最上位機種と比肩するようになっている。HUAWEI P9では主力製品に近い操作性が実現されていたが、HUAWEI P10には主力製品レベルの操作性が備わっていると断言できる。素晴らしい仕上がりの金属とガラス製の本体および平均以上のバッテリー持続時間に最大の賛辞を贈りたい。搭載されているチップセットが時折たたき出すベンチマークの記録も好印象だ。ただし、HUAWEI P10の購入を検討している場合は、本体が熱くなると、パフォーマンスが自動的に低下することに留意されたい。画面に表示される画像の品質も改善されている。ただし、色の彩度については改善の余地がある。とは言うものの、HUAWEI P10 Plusには技術的に優れた画面とカメラのソリューションが搭載されている。
全体的に見て、HUAWEI P10は、HUAWEI P9から妥当な改善がなされた製品といえるだろう。というのも、HUAWEI P10は、より大型で優秀なHUAWEI Mate 9が類似フォームファクターで実現しているあらゆるものを提供しているからだ。
長所
- 申し分ない仕上がり、デザイン、パフォーマンス
- 直射日光の下でも見やすいディスプレイ
- 平均以上の品質を備えた前面カメラ
短所
- 背面カメラで夜間に撮影した写真では細部が不十分
- 防水ではない
- デフォルトの設定ではディスプレイの色が寒色に寄りすぎている
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