Appleのビジネス市場拡大に影響か
Swift開発者が「仕事用iPhoneアプリ」を作りたくなるApple×SAPの秘策とは?
AppleとSAPの提携によって生まれた「iOS」向けのSDKは、Apple製品が企業でより広く活用されるきっかけとなるのだろうか。
AppleとSAPは約束していた通り、AppleのモバイルOS「iOS」用の新しいSDK(ソフトウェア開発キット)の提供を開始した。SAPの技術をベースとしたビジネスアプリを開発できる。
このSDKにより、開発者はAppleのプログラミング言語「Swift」を使い、SAPシステムに接続してビジネスワークフローやデータ分析機能を備えたモバイルアプリケーションを開発できる。SAPは既に独自のモバイルアプリケーションを提供しているが、デスクトップアプリケーションをモバイル端末用にフォーマットしたような状態で、画面の小さなデバイスに適した設計にはなっていなかった。
AppleはSAPとの協業により、ビジネス分野での存在感をより高めることができると、調査会社VDC Research Groupのモバイルソフトウェア担当ディレクター、エリック・クライン氏は指摘する。
Apple×SAPのSDKで実現できること
iOS用SDKを使うと、SAPのシステムを使っている企業が、自社の用途に応じてアプリケーションをカスタマイズできる。例えば小売店の従業員が顧客情報を収集しやすくしたり、建設現場や倉庫で働く従業員が作業の手を止めてノートPCを開かなくても、製品データへアクセス可能にしたりするiOSアプリケーションを構築できる。
SAPにとっては、複雑なビジネスアプリケーションをiOSで提供できるメリットがある。一方のAppleは、「iPhone」「iPad」といったiOSデバイスやSwiftを使ったアプリケーションでビジネス市場への進出拡大を図る戦略を加速できる。「Swiftは開発者の間で絶大な人気がある」とクライン氏は語り、Swiftを使ったビジネスアプリケーション開発が進むだろうと予想する。
Appleはこの3年の間に、IBMやCisco Systemsなど他社との提携を通じた法人分野での進出拡大に力を入れてきた。IBMとAppleの提携ではIBMの「Watson」の技術を取り入れたiOSアプリケーションを提供。Ciscoとの提携では、iOSデバイスからビジネスコンテンツにアクセスする際の接続性を向上させるため、Ciscoのネットワーク内でiOSアプリケーションの動きを可視化し、高速化する仕組みを提供している。
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