HDDと比べたSSDの速さとは
徹底解説:オールフラッシュアレイ 超高性能をたたき出す技術とのその用途(2/2 ページ)
高いIOPSが必要なアプリケーション
多数の並列処理を実行するシステムでは、一般的に高いIOPSが必要になる。これにはサーバ仮想化やVDIだけでなく、多くのユーザーが同時に操作するデータベースシステムも含まれる。例えば、Googleの検索エンジンからAmazonの電子商取引アプリケーションまで幅広いものがある。多くのオールフラッシュアレイベンダーが自社製品で100万以上のIOPSを実現すると宣伝している。だがこのような数字を実稼働環境で達成することは難しい。というのも、ベンチマークアプリケーションでは2KB程度の小さなリクエストを何百万という数で生成して高い数字をたたき出すことができる。一方、実際のアプリケーションでは100KBから数MBという大きなサイズのリクエストが利用される傾向にある。
そのため、アプリケーションのベンチマークテストを実行したり、試験台を設定したりしても正確性に欠けることになる。単一のオールフラッシュSANシステムを数台のサーバと併用しても良い結果は出ない。10Gbps以上の速度の接続を使用しても同じだ。ベンダーが同じアプリケーションを使用するシステムを実装済みの顧客を抱えているなら、その連絡先をベンダーに求める方が解決策として優れている。その顧客のデータセンター管理者と話をして、自社と似た環境にオールフラッシュアレイストレージを実装したときに生じた問題について情報を得るのだ。
遅延の影響を受けるアプリケーション
処理を積み重ねたり、クラスタのノード間でデータを渡したりするアプリケーションは、特に遅延の問題の影響を受けやすい。アプリケーションでは前の処理のデータを待機することがあるため、データの処理や転送で遅延が発生すると、それがさらなる遅延の連鎖の引き金になる可能性がある。高パフォーマンスコンピューティングシステム、クラスタ構成のデータベース、リアルタイムアプリケーション、ストリーミングアプリケーションは、いずれも遅延に大きく影響される。テスト時には最小遅延よりも平均遅延を調べる方が参考になる。ただし、最大遅延を確認することも大切だ。また通常よりも何倍もの遅延が発生する状況が存在するなら、その状況を調査する価値はある。
高いスループットが必要なアプリケーション
大量のデータをあちこちに移動させるアプリケーションでは高いスループットが求められる。このようなアプリケーションとしては、特殊効果を使用するビデオ処理や、地震解析やデータマイニングといったビッグデータを使ったデータ分析を行うものが該当する。このようなアプリケーションでは数百GBからPBにまで及ぶ大量のデータを共有して処理することが不可欠になる。データを自由に移動できることが極めて重要だ。それには、10Gbpsから100Gbpsのイーサネットや、16Gbpsまたは32Gbpsのファイバーチャネルといった太いパイプが必要になることが多い。また大抵の場合は、ネットワークスタックレイヤーでの効率的なデータ処理に加えて、LANまたはWAN接続経由で転送されるデータに重複排除と圧縮を適用することも必要になる。
他のI/O値の計測と同様に、すぐには分からないかもしれないスループットの問題も存在する。例えば、1ギガビットイーサネット接続から10ギガビットイーサネット接続に移行するとスループットは向上する。だが、サーバの稼働率も10倍以上になる可能性がある。スループットの向上により、25%の稼働率で動作していたサーバが、データにアクセスするだけで50%以上の稼働率で動作するようになる恐れがある。その結果、ネットワークの利用率が急増したときにサーバがクラッシュしたり、処理が集中して混雑したりする状況が発生しかねない。
オールフラッシュアレイの投資対効果検討書を作成
オールフラッシュアレイにアップグレードする妥当性を示すには、まず十分なデータを収集して、ネットワークが遅いという以外の意見も伝えられるようにすることが重要だ。データ収集ツールは、Microsoftの「Systems Management Server」(現「System Center Configuration Manager」)やVMwareの「vCenter Server」に組み込まれたログ機能から、SolarWindsの「Storage Manager」のような専用ツールまでさまざまなものが存在する。こうしたツールはボトルネックを特定することやデータパフォーマンスの特徴を明らかにするのに役立つ。また、過去の傾向に関するデータが構築されるため、システム利用率の増加ペースを確認して、例えば、半年後や1年後に問題が発生するかどうかを特定できる。こうしたデータを利用して、先を見越して新しいストレージ層を構築することで、アプリケーションのパフォーマンスに影響が出始める前に利用率の増加に対処することが可能になる。
マルチティアアプリケーションは複雑だ。多数の異なるサーバ間でデータがやりとりされる。そのため、低速なアプリケーション用にハードウェアを増強するだけでは何の役にも立たない可能性がある。必要なのは、実際の問題を区分けして根本的な原因を見つけ出し、何かをアップグレードする前に、提案されたソリューションをテストすることだ。幸い、大手オールフラッシュアレイベンダーは豊富な専門を持つシステムエンジニアを抱えているだけではなく、トライアルシステムも販売前の環境で利用できるようにしている場合が多い。このような専門的な意見や技術を活用することで、ストレージ管理者は財務責任者に対し、新しいシステムの必要性と自社にとってのメリットを証明できる可能性がある。
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