HDDと比べたSSDの速さとは
徹底解説:オールフラッシュアレイ 超高性能をたたき出す技術とのその用途(1/2 ページ)
オールフラッシュアレイの購入に向けて投資対効果検討書を作成するには、まずアプリケーションで必要なIOPS、遅延、スループットについて把握する必要がある。
自社でオールフラッシュアレイを導入して恩恵が受けられるかどうかを判断するには、まずワークロードに関する情報を集めなければならない。「自社で使用しているアプリケーションは、IOPS(1秒当たりのI/O)の向上、スループットの向上または遅延の低減を必要としているのだろうか」「読み取りや書き込みの負荷が大きいのだろうか」そういった情報が必要になる。また、パフォーマンスのボトルネックを特定したり、データパフォーマンスの特徴を明らかにしたりするために、ツールの使用が必要になる場合もある。それから、オールフラッシュアレイストレージはディスクアレイと動作が異なることを理解しておくのも不可欠だ。
オールフラッシュアレイが全て同じ効果を発揮するわけではないことに留意されたい。多くのシステムは特定のアプリケーションやワークロードを想定して構築されている。ある特定のアプリケーションの処理速度を100倍にするオールフラッシュアレイが、他のワークロードでも同様のパフォーマンスを実現するとは限らない。仮想化アプリケーションのように、オールフラッシュアレイの重複排除機能や圧縮機能を活用できるアプリケーションでは、動画ファイルやリアルタイムストリーミングといった、圧縮済みの一意なデータを扱うシステムよりコスト効率は大幅に高くなる。
HDDはSSDと比較してどうなのか
ストレージシステムでHDDを採用すると、アプリケーションでパフォーマンスのボトルネックが生じる可能性がある。例えばHDDにある情報を読み取るには、読み取りおよび書き込み用のヘッドをある位置から別の位置に移動する時間が必要になる。そのため、情報にアクセスするのにかかる最小時間、平均時間、最大時間にかなり大きな差が生じる。また、HDDの最も内側にあるトラックから大量のデータを読み取る場合、最も外側にあるトラックのデータを読み取る場合に比べて時間がかかる。これは、ヘッド下でミリ秒当たりに渡せるビット数が、ディスク上の位置によって変わってくることに起因するものだ。
ソリッドステートドライブ(SSD)なら、読み取り時の最小遅延、平均遅延、最大遅延の差はずっと小さくなる。そのため、読み取りの負荷が高いアプリケーションではSSDを使うのが理想的だ。また、SSDはリアルタイム重複排除を実現するのに十分な速度を備えている。この機能は、サーバ仮想化と仮想デスクトップインフラ(VDI)など似たようなディスクイメージを多数使用するアプリケーションで役に立つ。一般的なMicrosoftの「Windows」や、「Linux」の実装では、何百万という数のファイルがあるが、その大部分は全てのシステムで同じものになる。そのため仮想化OSを100個使用しても、SSDでは仮想化OSファイル1つよりも少し大きな容量を占有するだけで済む。
ただし、SSDにもライトアンプリフィケーション(書き込み増幅)という弱点がある。この現象が生じる原因はSSDの仕組みにある。というのも、SSDでは特定のブロックに含まれる1ビットの情報を変更するために、そのブロック全体を削除して書き込み直さなければならないのだ。ブロックのサイズによっては、新しい1ビットの情報を保存するために、256KB~4MBのデータを書き込み直しが必要になる。その結果、25万6千から400百万倍という比率で書き込みが増幅する。書き込みの負荷が高い状況でSSDを使用するなら、同じブロックへの書き込みをできるだけまとめて行う特殊なアルゴリズムを使用してこの問題に対処しなければならない。そうすれば、システムは同一ブロックに対する複数の変更を全て同時に書き込めるようになる。
同様の問題として、ガベージコレクションがある。ガベージコレクションは、書き換えられたデータのブロックをリサイクルする処理だ。HDDでは、書き込まれたファイルはディスク上の同じブロックにいつまでも残る場合が多い。一方SSDでは、各SSDセルにデータを書き込める回数に上限があるため、全てのセルが均等に使用されるようデータは新しいブロックに再書き込みされることが多い。このプロセスはウェアレベリングと呼ばれる。データが再書き込みされると、以前にデータが書き込まれていたセルはデータの削除後でなければ再利用できない。削除対象のセルを追跡しながら当該セルを削除すると、ライトアンプリフィケーションがさらに生じる恐れがある。ただし、ウェアレベリングが発生しないようにストレージシステムのアルゴリズムが最適化されていれば話は別だ。
ライトアンプリフィケーションという弱点があっても、オールフラッシュアレイシステムは一般的にHDDベースシステムよりずっと高速だ。ただし、システムのパフォーマンスを最大限に引き出す最適化手法はHDDシステムと異なる。最新のオールフラッシュアレイシステムは、ライトアンプリフィケーションとガベージコレクションの影響を最小限に抑えるべく設計されている。とはいえ、書き込みの負荷が大きいアプリケーションを使用している場合は、最善の構成を特定するために何らかのテストを独自に行うことをお勧めする。
オールフラッシュアレイのメリットとアプリケーション
オールフラッシュアレイを採用すればストレージパフォーマンスが大きく向上する。具体的には、IOPSが大幅に高くなり、スループットが向上し、遅延が軽減される。それと同時に、インライン圧縮と重複排除によってシステムの実効容量は増加する。自社のデータセンターで運用しているアプリケーションでオールフラッシュアレイを最大限に生かせるかどうかを把握するには、こうした要素がどう機能するのかを理解しておくことが重要だ。
アプリケーションの中にはIOPSを必要とするものもあれば、遅延が少ないことが重要なものもある。また、高いスループットが求められるものも存在する。例えば、サーバ仮想化アプリケーションとVDIアプリケーションは一般的にIOPSの影響を強く受ける。一方、高パフォーマンスのコンピューティングシステムやデータベースは遅延に影響されやすい。それから、ビデオシステムでは高いスループットが必要になる。アプリケーションとその要件の特徴を明らかにできれば、新しいオールフラッシュアレイシステムの投資対効果検討書作成する上で大いに役立つ。
ソフトウェア製品とアプライアンスのどちらでも、テストやベンチマーク用のアプリケーションを使うと現在のシステムが抱える問題を見つけやすくなる可能性がある。また、オールフラッシュアレイシステムでトラフィックを処理できるかどうかを確認するテストの作成にも使用できる。ボトルネックは移動するだけで、取り除くことはできない。この点は心に留めておいていただきたい。システムの一部のパフォーマンスを上げても、別のボトルネックが明るみに出るだけだからだ。
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