定評のあるキーボード、TrackPointを搭載
徹底レビュー:全てがトップクラス「ThinkPad X1 Carbon(2017モデル)」の気になる点は?(3/3 ページ)
ベンチマーク
wPrime Systemsのベンチマークツール「wPrime」によるプロセッサの比較(スコアが低いほどパフォーマンスが高い、単位:秒)
Futuremarkの「PCMark8 Home」(Accelerated)によるWindows 8の一般的な作業(Webサーフィン、動画のストリーミング、ドキュメントの作成、ゲームのプレイなど)に関する全体的なシステムの総合スコア(スコアが高いほどパフォーマンスが高い)
Futuremarkの「PCMark8 Work」(Accelerated)によるWindows 8で業務関連処理を実行したときの総合スコア(スコアが高いほどパフォーマンスが高い)
Futuremarkの「3DMark Fire Strike」ベンチマーク(新しい「DirectX 11」のベンチマーク)によるゲームプレイ時におけるグラフィックスカードの総合的なパフォーマンス(スコアが高いほどパフォーマンスが高い)
Crystal Dew Worldの「CrystalDiskMark」ベンチマークによるストレージドライブのパフォーマンススコア
発熱とノイズ
ThinkPad X1 Carbonに搭載されている唯一の冷却ファンは筐体の右側に配置されている。レビュー時に冷却ファンが稼働することはほとんどなかったが、ベンチマークソフトウェアを実行したところ、すぐさま冷却ファンが回転し始め、モーター音が聞こえた。実は、これがThinkPad X1 Carbonに対する不満の1つになっている。周囲から最低限の雑音しか聞こえてこない静かな環境で作業をしている場合は、回転速度にかかわらず、冷却ファンが動き始めたら確実に気付くだろう。また、冷却ファンはやや唐突に回転し始める傾向がある。ただし、周囲が騒がしい環境であれば、冷却ファンの音が気になることはあまりないだろう。
大抵の場合、ThinkPad X1 Carbonの筐体は触ると冷たい状態だったが、ベンチマークソフトウェアを実行すると少し熱を帯びることがあった。本体の中央と右側が集中的に温かくなったが、不快感で操作できなくなるほどではない。
バッテリー持続時間
TechTargetではバッテリー持続時間のテストにFuturemarkの「Powermark」ベンチマークを使用している。この負荷の高いベンチマークで次々と生み出されているバッテリー持続時間の記録は、同じくらい高負荷な作業を実行していない場合に見込まれる持続時間と比べると大幅に短い。Powermarkでは自動化された一連のテストを実行する。例えば、シミュレートされたWebサーフィン、ビデオ会議、動画再生、事務処理、ゲームの負荷などだ。なお、このテストはディスプレイの明るさを約50%に設定して実施している。
ThinkPad X1 Carbonのバッテリー持続時間は7時間16分間だった。このバッテリー持続時間テストでは並外れた数字だ。Dell Latitude 14 7000(7480)の記録はわずか5時間27分と足元にも及ばない。TechTargetでレビューしたノートPCの中でもトップクラスのバッテリー持続時間を過去にたたき出しているのがHewlett-Packard(HP)の「Spectre x360」だが、ThinkPad X1 Carbonはその記録をも上回っている。過度に負荷が高いタスクを実行しなければという条件は付くものの、実際の用途では、本稿の記録よりも最大30%は長い時間動作することを期待して問題ない。
電源アダプター
TechTargetがレビューに使用したThinkPad X1 Carbonには65Whの電源アダプターが同梱されていた。45Whの電源アダプターもアクセサリーとして提供されているが、45Whの電源アダプターの方がThinkPad X1 Carbonの充電に時間がかかることが予想される。ThinkPad X1 Carbonでは空のバッテリーを1時間足らずで80%まで充電できると発表されている。これは65Whの電源アダプターを使用することで実現するだろう。
65Whの電源アダプターは、標準的なThinkPadの電源アダプターとサイズも形もほとんど同じだ。ただし、USB Type-Cコネクタが備わっている点が少々興味深い。以前のThinkPadシリーズの電源アダプターに備わっていたUSBのような長方形の専用コネクタではなくなっている。
この電源アダプターの重量は284グラムだ。また、電源アダプターから2極プラグまでのケーブルの長さは約94センチ、反対側のUSB Type-Cコネクタまでのケーブルの長さは約173センチとなっている。電源アダプター自体のサイズは実測で約10.9×4.6×2.8センチ(縦×横×高さ)だ。これらの値から、電源コンセントからノートPCまでの最長距離は2.8メートル弱になる。これはノートPCの電源アダプターとしては標準的な数字だ。
結論
ThinkPad X1 Carbonは使い始めたその瞬間からユーザーを魅了するノートPCであることが分かった。ほぼ全ての要素が素晴らしいが、それだけではない。ThinkPadに期待する特徴的な機能も備えている。例えば、優秀なキーボード、クリックパッド、TrackPointなどだ。こうした機能が約15.95ミリという薄くて頑丈な筐体に詰め込まれている。それに加えて、約1.14キロという重量は、現在販売されている軽量ノートPCの中でも指折りの軽さを誇る。
一般的に薄型ノートPCではバッテリー持続時間が犠牲になるが、ThinkPad X1 Carbonはそうした傾向を覆している。これまでにTechTargetがレビューしたノートPCの中でも最長クラスのバッテリー持続時間が実現されており、本稿で実施した負荷の高いバッテリー持続時間テストにおける記録は8時間にも迫る勢いだった。もっと負荷が軽ければ、これよりはるかに長くバッテリーが持続するだろう。
不満に思う点は極めて少ない。ThinkPad X1 Carbonの冷却ファンは動作していると気になる可能性がある。とはいえ、雑音がある環境なら冷却ファンの動作音は、それほど気にならなかった。また、RAMをユーザー側でアップグレードできない点も評価は下がる。ビジネス向けノートPCにはそのような柔軟性が備わっているのが望ましい。ThinkPad X1 Carbonでは用意されているRAM構成しか使用できないのである。
自宅であれオフィスであれ、基本的にどこでも快適に使える薄型軽量ノートPCを求めているなら、その選択肢としてThinkPad X1 Carbonが群を抜いている。この事実は、価格が高いからといって揺らぐことはない。
長所
- 丈夫で軽量な設計
- 素晴らしいIPSディスプレイ
- 一流のキーボードとクリックパッド/TrackPoint
- 終日使えるバッテリー持続時間
- 充実した端子のラインアップ
短所
- 音が気になる冷却ファン
- カスタマイズ構成の場合は特に高額になる価格
- ユーザー側でのRAMのアップグレードが不可能
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー