IoT、ビッグデータ、AI活用
ブリヂストンのデジタル変革、「サービスとしてのタイヤ」に向けた取り組みとは?(2/2 ページ)
Digital for Customer:顧客提供価値を高めるためのデジタルサービス
製品販売からサービス提供へのビジネスモデルを転換した例として、三枝氏は鉱山車両における事例を紹介した。オーストラリアや南アメリカの鉱山は広大だ。そこで作業する車両に装着するのは非常に巨大なタイヤであり、価格も高い。さらに積荷や走行距離、走行スピード、路面の状態などによって、タイヤはさまざまな環境変化にさらされる。車両を何百台も運用していて遠くでパンクや故障をしたら、生産性を大きく損ねることになりかねない。
そこでブリヂストンは、タイヤに「B-TAG(Bridgestone Intelligent Tag)」というセンサーを埋め込み、タイヤの状況をリアルタイムで監視し、メンテナンスに役立てている。タイヤの劣化によるダウンタイムを減らし、製品性能を100%発揮して無駄のないようにタイヤを使ってもらいたいというのが、その狙いだ。さらに空気圧やローテーション、在庫の補充などの管理を最適化するためのアルゴリズムもデータ解析によって改善を重ねているという。
Industry Level Ecosystem:顧客やパートナー企業と連携したエコシステム
「Tire as a Service」、すなわちタイヤを顧客に使ってもらい、使用量に応じてお金を払ってもらおうというのが、ブリヂストンの目指すビジネスモデルだ。ただし現状は「エコシステム全体をつなげるところまでは至っていない」と三枝氏は語る。今後は、タイヤの個体管理や運行形態、荷重などの顧客情報全てを理解することを前提としたデータドリブンなサービスの展開を視野に入れている。これを実現するためには、自社が持っている情報だけでは足りない。例えば運送業向けのサービスであれば、顧客である運送会社やタイヤを再生するリトレッド会社など、運行に関わるさまざまな会社が持つデータが必要になってくる。デジタル変革をさらに進めていくには自社単独ではなく、顧客、そして高い技術やノウハウを持つパートナー企業と協力して進めていくことが重要になってくる。
「分析した顧客ニーズや要求をエンジニアリングチェーンに戻し、それぞれのお客さまにマッチした製品や、個別にカスタマイズしたサービスを提供することが今後の課題。ブリヂストンがソリューションプロバイダーになれるか見守っていただきたい」と三枝氏は述べ、講演を終えた。
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