混迷を極める業界
市場に700社超 今こそ知りたいIoTプラットフォームの正しい選び方(2/2 ページ)
的確な意思決定を下すために何を選択すべきか
自社のニーズを満たす環境を構築するために、まっさらから自前で構築するか既製のIoTプラットフォームを購入するかは永遠のジレンマであり、この状況はまだしばらく続くだろう。目の前のプロジェクトでこの重要な決定を行う前に、両方のアプローチについて、以下のことを知っておく必要がある。
- ステップ1:IoTプラットフォームの必要性を検証する:プラットフォームを導入する前に、まずそのビジネスニーズの存在を検証することに注力し、その投資収益率(ROI)や付加価値の大きさを推定する。
- ステップ2:基幹事業についての要件の特定:適切な事業分野の担当者を関与させるかどうかが、プロセスの成功を左右する。
- ステップ3:アーキテクチャに関する要件の特定:既成のソリューションを選ぶかカスタムソリューションにするかを判断する前に、アーキテクチャ上の要件を特定し、基準が氾濫して混とんとしているIoT分野の現状を受け入れることは非常に重要だ。
- ステップ4:既存のIoTプラットフォームの検証:ここまでに、ビジネスニーズは詳細に特定され、ROIの見積もりが算出され、事業上の制約とアーキテクチャ上の制約が特定された。では既存のIoTベンダー(より具体的には、IoTプラットフォームベンダー候補の、ある程度絞り込んだリスト)の詳細な検討に移ろう。
- ステップ5:カスタムのIoTプラットフォームをサポートできるだけの社内スキルがあるか?:スケーラビリティと拡張性の両方を備えたIoTプラットフォームを問題なく設計し展開するには、多岐にわたるスキルが必要になる。
- ステップ6:既成のIoTプラットフォームは自社のニーズに合っているか?:全社的に利用するビジネスソリューションを支援するIoTソリューションを設計した経験のある人物が、自社の開発部門のスタッフにいない場合は、既成のIoTプラットフォームを選択すれば、長期的なROIは、恐らくより大きくなる。
IoTプラットフォームはオープンソースかプロプライエタリか
IoTはオープンソースでなければならないと考える人が多い。オープンソースのIoTプラットフォームの方が、イノベーションの進行がより速いと言われているためだ。
IoTデータ管理(IoTDM)プロジェクトは、OpenDaylightプロジェクトの後援を受けてLinux Foundationで開始された、オープンソースのミドルウェアソリューションだ。IoTDMは、oneM2Mの仕様に準拠している。oneM2Mは、共通のサービスレイヤ経由でさまざまな種類のデバイスを接続するためのアーキテクチャフレームワークを提供するものだ。また、サービスレイヤでは、所定のアプリケーションをユーザー、デバイス、センサーで取得したデータの動的なネットワークと関連付ける。
オープンソースのIoTプラットフォームプロジェクトである「Eclipse」も、参照する価値がある有益な情報源となる。.
IoTプロプライエタリなプラットフォームとなると、市場をリードするハイテク界の一部大手企業や適応力の高い新興企業の多くにとってさえ、悪夢のような存在だ。
IoTプラットフォームの展開は垂直か水平か
(単一の)IoTプラットフォームを水平展開した場合にそれを維持できるのは、ハイテク分野の最大手企業か、その他特定の業界で最大手と言われる企業だけだと私は予測している。したがって中規模企業の場合、業種によって別々のアプローチを採用するのが最善策だろう。
IoTプラットフォームベンダーの選択基準
IoTプラットフォームのベンダーを選択する際、検討するべき基準を以下に示す。
- 事業の安定性:そのIoTプロバイダーの企業背景と安定性に関して、幾つかの項目を問い合わせること。
- IoT標準とコンソーシアム:そのIoTプロバイダーが採用している技術的な標準と、その企業独自のテクノロジーを使用しているかどうかを確認すること。
- ホスティングのモデル:そのIoTプロバイダーは顧客向けの環境をどのようにプロビジョニングするのか。また、その環境を流用している別のプロバイダーは存在するのか。
- 既存環境との統合:プラットフォーム上で開発を実行する機能は、カスタマイズを行う際に重要となる。APIの適用範囲がどれほど広範囲なのか、またどの程度まで標準化されているかを問い合わせること。
- アナリティクス/エッジアナリティクス:繰り返すが、柔軟性はここでも重要な要因となる。利用可能な抽出ツールやレポート作成ツールの種類に加えて、データの保存方法やストレージモデルの柔軟性も確認が必要だ。
- エッジコンピューティング:トラフィックの削減に加えて応答時間の短縮、ネットワークレイテンシの低減を実現し、クラウドに適切なデータを選択的に中継する。
- セキュリティと信頼性:システム全体のセキュリティ、デバイスのセキュリティ、デバイスからクラウドへデータを送信する際のセキュリティ、クラウド内のセキュリティ、アプリケーションのセキュリティについて、幾つかの項目を問い合わせること。また、ユーザーデータのセキュリティおよびプライバシー保護に関するポリシーと実績を問い合わせること。
- デバイス同士の通信:クラウドとローカルで、IoTデバイスへの接続と通信はそれぞれどのような方式をサポートするのか。
- デバイス管理:そのプラットフォームやハードウェアモジュール(使用可能な場合)は、IoTデバイスのサポートや保守作業について、無線での更新など、リモートで簡単に実行できる仕組みをサポートしているか?
結論
IoTは、われわれの生活様式、働き方、コミュニケーションのあり方、さらには世界経済の流れまで変えようとしている。ただしその変化をわれわれにとって好ましいものにするには、セキュアでスケーラブル、かつ堅牢で統合が容易な、IoTプラットフォームが必要になる。
テクノロジー面のあらゆる意思決定と同様に、まず自社の事業と、(社内システムの)技術上の制約と要件を十分に理解し、その知識を基にIoTプロバイダーを評価するべきだ。このステップは、さまざまな基準に対してそれぞれの相対的な「重み」を設定するという点で重要だ。これによって、重要な分野に集中しやすくなり、より的確な意思決定につなげることができる。
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