まずはクラウド内部の依存関係を把握するところから
AWS障害に学ぶ、万一クラウド障害が起きても動き続けるシステムとは?(2/2 ページ)
アップタイムの改善策
AWSのダウンタイムのリスクを軽減または最小化するための対策が幾つかある。
- AWSの米国東部リージョンにワークロードを置くことは可能な限り避ける。「(米国東部リージョンは)最大かつ最古の最も信頼性の低いゾーンだ」とフリードマン氏は語る
- 複数のリージョンにまたがるアーキテクチャを構築する。AWS、「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」の3大クラウドでは、ネットワークや設定が原因で局所的な機能停止がよく発生する。AWSが常に全てのパケットをインターネット経由で確実に送信してくれるとは期待しない方がいい
- コンテンツ配信ネットワーク(CDN)の他、ハイブリッドクラウドやマルチクラウド環境のパフォーマンスと可用性を定期的に監視する
「ダウンタイムを回避するためにサービス事業者と協力する人たちが増えている」。そう語るのは、インフラストラクチャ管理会社Ensonoのハイパースケールクラウド担当上級副社長兼ゼネラルマネジャーを務めるブレッド・モス氏だ。モス氏によれば、AWSのようなハイパースケールクラウドでは通常、ダウンタイムを回避する環境を構築できる。ただし、そのためには追加のコストがかかるという。
AWSの大規模顧客は恐らく、ワークロードを完全にバックアップするスキルとノウハウを備えている。だが大半の企業にとってクラウドに移行する目的はコスト削減であり、そうした企業がバックアップの重要性を必ずしも十分に理解しているとは言えない。
クラウドベースのメールアーカイブおよびアナリティクスプラットフォームを提供するSonianの創業者で最高技術責任者(CTO)のグレッグ・アーネット氏によれば、クラウドのダウンタイムとエラーをどの程度まで許容できるかは、アプリケーションの性質によっても異なる。例えば「Slack」などのリアルタイムメッセージングアプリケーションであれば、ダウンタイムの許容度は低い。だがバッチ画像処理アプリケーションであれば、多少のダウンタイムが生じても、すぐにマイナスの影響が及ぶことはない。
「AWSのアーキテクチャを考える際は、各クラウドサービスについてダウンタイムの許容範囲を個別に予測し、AWSが提供するフェイルオーバーと冗長性を利用して継続性を提供できるようにすることだ」とアーネット氏は語る。AWSで回復力の高いアーキテクチャを構築するためには、ある程度のエラーを想定し、コードにリトライ処理を組み込むといい。ただし一般的には、API呼び出しのエラーが5分以上続くのを容認できない顧客が多いだろう。
「AWSのダウンタイムについては、恐らく全ての顧客が懸念している。だが回避策を本当に理解できているのは3分の1だけだろう」とモス氏は語る。なお企業によっては、通常よりも低いパフォーマンスや長いダウンタイムを許容できる機能を特定し、ディザスタリカバリー(DR)対策コストの削減につなげられる場合もある。
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