ハイブリッドストレージではダメ?
価格比較の落とし穴 「オールフラッシュとHDDは同じ値段」に隠れた課題とは(2/2 ページ)
ハードウェアに依存しないデータ移動
ハードウェアに依存しないデータ移動製品の形態は複数ある。1つは、グローバルファイルシステムだ。グローバルファイルシステムは、複数の物理的なストレージハードウェアコンポーネントにまたがって広がっている。そして、このようなコンポーネント間でポリシーに基づいてデータ移動を行う。グローバルファイルシステムの構成要素になり得るハードウェアの種類にほとんど制限はない。大抵の場合は、フラッシュシステムとHDDシステム間におけるデータ移動をサポートしている。中には、プライベートクラウドやパブリッククラウドのストレージにデータを移動できるものもある。さらには、テープへの移動に対応しているものまで存在する。グローバルファイルシステムは拡張ファイルシステムなので、サポートされるデータはNFS(Network File System)マウントまたはSMB(Server Message Block)マウントに配置できるものに限られている。また、グローバルファイルシステムを構成する全てのストレージハードウェアは、管理のためにNFS共有またはSMB共有を作成できなければならない。
グローバルファイルシステムの他にも、ハードウェアに依存しない新たな種類のデータ移動製品が登場している。その提供元は、Primary Data、ioFABRIC、Strongboxといった企業だ。このような企業が提供するソフトウェアでは、全てのデータをファイル共有でホストする必要がない。また、構成要素となる全てのストレージハードウェアで、ストレージをNFS共有またはSMB共有として用意する必要もない。こうしたソフトウェアの中には、ブロックベースやオブジェクトベースのストレージシステムも対象にして、これらのシステム間でのデータ移動を可能にするものまで存在している。
いずれにせよ、ハードウェアに依存しないデータ移動製品によって、種類の異なるストレージシステムを同時に実装することが可能になる。つまり、アクティブデータのパフォーマンス向上を目的としたオールフラッシュアレイと非アクティブデータ用の容量の面で最適化された安価なストレージシステムの実装だ。さらに、こうした特定のタスクを行うシステム間で、企業が定めたポリシーに基づき透過的にデータを移動することができる。最も一般的なポリシーは、「データが定められた期間アクセスされなかった場合、そのデータをフラッシュアレイから容量重視のストレージに移す」というものだろう。
アクティブデータに関してオールフラッシュアレイの価格がHDDアレイと同等になっていても、非アクティブデータには安価な代替手段がまだある。大容量HDDアレイ、オブジェクトストレージ、パブリッククラウドストレージ、そしてテープでさえも、フラッシュアレイより低価格で適切に機能する。オールフラッシュデータセンターを目指す状況は限られている。つまり、データの種類に応じたデータの配置場所や代替ストレージへのデータ移動方法の決定に伴う労力が、フラッシュを全面導入する追加コストよりも高くつく可能性がある場合だ。このようなスタンスを取った場合に問題となるのは、容量重視のストレージ製品がどれだけ安価でも無視することになる点だ。また、そうしたストレージにデータをシームレスに移動することがどれほど簡単になっているかということに目を向けなくなるのも問題になるだろう。
大抵のデータセンターでは、アクティブデータとそれに近いデータについてのみ、オールフラッシュアレイの導入を検討すべきだ。全体からすると、せいぜい20%程度の容量になる。データセンターストレージの残り80%のデータは、容量重視のストレージに配置することをお勧めする。具体的には、大容量NAS、オブジェクトストレージ、パブリッククラウドストレージなどだ。
そのため、われわれは“オールフラッシュデータセンター”ではなく、“5分の1フラッシュデータセンター”について話し合うべきなのかもしれない。
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