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「AIロボット」や「VR」が学校の教材に? 広がる教育市場の最新技術活用(3/3 ページ)
VR活用教材は可能性を見いだす“手探りの段階”
「PlayStation VR」「Oculus Rift」といったヘッドマウントディスプレイ型のVR(仮想現実)デバイスが相次いで登場し、「VR元年」と呼ばれた2016年。2017年に入ってもその勢いは続き、ビデオゲームだけではなく、マーケティングや観光といったビジネスへの応用も進みつつある。VRを活用したデジタル教材も登場しており、今回のEDIXでも関連企業のブースが充実していた。中には来場者がデモを体験しようと列を成すブースもあり、教育関係者のVRに対する関心は高い。
文字や動画では伝わりにくい学習内容を分かりやすく教えたり、学習者がすぐに勉強に飽きてしまう課題に対処したりするために、VR技術を生かしたデジタル教材を開発する動きがある。「より面白く学ぶ」をコンセプトにした、加藤文明社の教育用VRアプリケーション「EduVR」はその一例だ。
EduVRはヘッドマウントディスプレイではなく、画面付きのデスクトップ型デバイスと、付け外しのしやすい専用の眼鏡を組み合わせたものだ。専用ペンを使い、画面内のVRモデルを360度思いのままに動かせる。学習者はVRモデルの見たいところを手前に引っ張ったり、回転させたりと、直感的な操作でVRモデルを詳細に観察できる(写真6、7)。
こうしたVR教材は、現状では学校教育の現場での使用というよりも、どちらかといえば学習者個人が学習内容への興味・関心や理解を深めることに主眼を置いている。現実的には、デジタル教科書やデジタル参考書の普及に併せて、その構成要素としてVRが教育現場に浸透していくと予測する。
3Dプリンタは教育現場での普及期に突入したか
立体物を出力する「3Dプリンタ」は10万円を切る製品も登場し、登場当初と比べて手が届きやすくなった。だが教育現場で使うとなると、まだ手軽に導入できる状況とはいえない。3Dプリンタが立体物を出力するのに必要な時間は比較的長く、2~3時間かかることも珍しくない。学校の授業でクラス全員のデータを出力するとなると時間がかかり過ぎる。3Dプリンタを複数台用意すれば時間の短縮化が図れるものの、導入台数が増えればコストも高くなる。
国内で2017年夏に発売するXYZprintingの「da Vinci Nano」は、こうしたコスト面の負担を軽減すべく、3Dプリンタとしては破格の3万円台後半で市場展開する考えだ(写真8)。学校現場で使いやすいように、物体を出力する造形エリアにカバーをかけ、学習者が高温のヘッド(材料を吐出する部品)に触れてしまわないよう安全面にも配慮した。この価格帯であれば、複数台を用意できる教育機関も出始めると考えられる。まずは機動的な予算執行がしやすい私立学校を中心に導入が広がる可能性があるだろう。
小学校のプログラミング教育必修化は、関連するIT製品の充実を促している。一方でプログラミング教育にとどまらず、3DプリンタやロボットといったSTEM教育関連製品の選択肢も広がりつつある。製品のターゲットも広がり、ベンダー各社は学校や学習塾といった一般的な教育機関から、子ども向けの美術教室や英語教室、ワークショップ、イベントなど、広く「子どもが集まる場」での活用を見据えて訴求し始めている。2018年の改正学習指導要領の先行実施に向けて、この盛り上がりはさらなるうねりへと発展していくだろう。
執筆者紹介
神谷加代(かみや かよ)
教育ITライター。「教育×IT」をキーワードに教育機関で進むタブレット導入事例やIT活用、子ども向けプログラミング教育、EdTech関連の話題などを、Webメディア、書籍、雑誌などで執筆。著書に『iPad教育活用 7つの秘訣』(共著、ウイネット)、『こどもプログラミング読本――「未来をつくる力」を育てる』(共著、技術評論社)、『子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由 「21世紀型スキル」で社会を生き抜く』(共著、インプレス)。
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