「Continue on PC」にリスクは?
PCとスマホのブラウザ同期、「Windows 10 Fall Creators Update」新機能に管理者が苦い顔
「Windows 10」の次期大型アップデート「Windows 10 Fall Creators Update」には、PCとスマートフォンをリンクさせる機能が追加される。作業効率を高める半面、セキュリティには注意が必要だ。
「Windows 10」の次期大型アップデート「Windows 10 Fall Creators Update」には「Continue on PC」という機能が含まれる予定だ。これを使うと、Appleの「iPhone」やGoogleの「Android」スマートフォンで表示したWebページをPCに同期して表示することができる。同種の新機能「Timeline」も開発中であり、こちらはスマートフォンとPCの間でアプリやドキュメントの使用を同期できる。このようにPCと他の端末をリンクさせることはセキュリティの問題につながりやすく、IT管理者は注意が必要だ。
「重大な事態になりかねない」とUnited Bankでメッセージングとコラボレーションを担当するウィレム・バッカス氏は語る。「別の端末でデータにアクセスできるようにするなら安全を確保しなければならない。適切に保護する必要がある」
Continue on PC機能は危険?
Continue on PC機能は、iPhoneやAndroidスマートフォンのアプリを使ってブラウザセッションを同期する。このアプリとWindows 10 PCには、同じMicrosoftアカウントでログインする必要がある。
スマートフォンでWebページを開いているときに、ブラウザの「共有」ボタンをタップして「Continue on PC」を選択すると、アプリがブラウザのセッションを同期する。この機能は現在、Windows 10 Fall Creators Updateのプレビュービルドで利用可能だ。iOS用アプリは既にAppleの「App Store」で公開されている。
Microsoftは、PCで開いたWebサイトをスマートフォンで表示できるようにするとは言明していない。Appleの「Continuity」機能ではこれができる。Googleのブラウザ「Chrome」にも、複数の端末間でタブと閲覧履歴を共有する機能がある。
調査会社J. Gold Associatesの創業者でプリンシパルアナリストのジャック・ゴールド氏は、同期した端末からWebアプリを共有すると機密データが漏れる危険性がある、と指摘する。
例えば、業務用スマートフォンと同期するノートPCが盗難に遭ったら、同期したセッションから社内Webアプリにアクセスすることで機密データが盗まれる可能性がある。PCからスマートフォンに同期する機能も追加になれば、スマートフォンを1台盗まれただけでも、PCで実行していた社内Webアプリにアクセスされる危険がある。
「スマートフォンの盗難が重大な事態を引き起こしかねない。PCに同期するスマートフォンをなくしたら一大事だ」(ゴールド氏)
この問題を防ぐには、IT管理者がエンタープライズモバイル管理(EMM)ソフトウェアでContinue on PCアプリの使用を遮断するか、このアプリでブラウザセッションを共有できなくする必要がある。
Timelineにもセキュリティの危険性
Timeline機能は当初、Windows 10 Fall Creators Updateに含まれると予測されていたが、Microsoftによると、このアップデートの直後のプレビュービルドでの公開になるようだ。
Timeline機能では、スマートフォンで開始したドキュメントやアプリの作業をPCで再開したり、PCで開始した作業をスマートフォンで再開したりできる。Microsoftはこの機能でどのアプリをサポートするかについてまだ明らかにしていない。
この機能も、従業員がPCやスマートフォンを紛失してそれが攻撃者の手に渡れば、セキュリティの問題を引き起こす可能性がある。Timelineは基本的に、使用中のアプリ、ドキュメント、Webページを複数の端末で表示するダッシュボードなので、盗んだ端末でそれらにアクセスされたらそこから作業中のデータを盗まれる危険がある。
2018年にWindows 10への移行を計画しているUnited Bankのバッカス氏は、「包括的なセキュリティ管理が必要だ」と話し、こうした機能を管理するにはEMMソフトウェアも活用する必要があると語った。
梱包(こんぽう)管理会社OngweowehのITディレクター、ジム・デイビーズ氏は、この問題を防ぐには、全てのPCとモバイル端末でパスワードによる保護を徹底する必要があると語る。「多くの企業、多くの人々がこの機能を使うようになるだろう。自分宛ての電子メールでリンクを送るより、この方が簡単だからだ。それだけになおさら、パスワードで保護することが一層重要になってくる」
Ongweowehは2018年第1四半期にWindows 10への移行を計画している。
Windows 10のこれらの同期機能はスマートフォンだけでなく、いずれは「iPad」やAndroidタブレットにも対応するようになるとバッカス氏は予測する。
「この機能で作業の効率は高まる。その影響は多大だ」とバッカス氏は述べた。
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