「ソフトウェア定義メモリ」がもたらすチャンスと課題
「NVDIMM」「DRAM」強化で“ソフトウェア定義メモリ”実現、驚きの性能とは?(1/2 ページ)
NVDIMMとDRAMの役割が拡大し、ソフトウェア定義メモリが実現することで、今後、企業データセンターの柔軟性が向上することが予想される。ただし幾つか課題もある。
IT業界がソフトウェア定義インフラストラクチャという概念を受け入れ始めた矢先に、また新たなソフトウェア定義のアプローチが登場した。今度はソフトウェア定義メモリだ。
ソフトウェア定義メモリは基本的に、DRAM(Dynamic RAM)に新たなメモリ層を追加することで機能する。Intelの不揮発性メモリ製品「Intel Optane」をはじめとする新しいメモリ層とDRAMとをソフトウェアで一元的に管理することによって、メモリのパーティションを柔軟にリサイズしたり、ホストシステムに一連のサービスを提示し、サーバクラスタ全体で利用できるようにしたりといったことを実現する技術だ。ソフトウェア定義メモリはサーバアーキテクチャの選択肢を広げることで、IT部門に新たなチャンスと幾つかの課題をもたらす。
ソフトウェア定義メモリはさらに、管理者がインストール計画を立て、ワークフローを調整する方法や、プログラマーが新機能を活用すべくレガシーアプリケーションを書き換える方法にも影響を及ぼす可能性がある。
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NVDIMMの役割
不揮発性デュアルインラインメモリモジュール(NVDIMM)は、DIMMのフォームファクタにフラッシュまたはOptaneメモリを搭載したメモリモジュールだ。データアクセスにはメモリバスを使用する。この新型メモリは一見単なる高速SSDに見えるが、NVDIMM用のソフトウェアエコシステムが進化した結果、キャッシュを介したDRAMの拡張に利用できるようになった。ソフトウェアはさらに進化を続け、今やNVDIMMスペースを複数のサーバで共有し、“スーパーキャッシュ”を構築することも可能となっている。
スーパーキャッシュを可能にしているのは、RDMA(Remote Direct Memory Access)機能だ。RDMAは、極めて低いレイテンシでデータをメモリ間で直接転送できる技術であり、イーサネットやInfiniBandがサポートしている。SSD向け次世代接続規格NVMeをストレージファブリックで利用するためのNVMe over Fabrics(NVMe-oF)技術をベースとするSSD製品によって、既にRDMAをサポートするNVDIMMは登場している。RDMAを使えば、数マイクロ秒のレイテンシでデータにアクセスし、CPUリソースをほとんど使わずにデータ送信を完了することが可能だ。
この大幅な性能強化を活用することで、ハイパーコンバージドシステムはより強力なクラスタを構築でき、複数のサーバにまたがるデータベースアプリケーションは全てのデータをプールとして共有できる。今後データベースアプリケーションが各サーバで数TBのNVDIMMを使用するようになれば、性能とレイテンシは大幅に向上するはずだ。
それでもNVDIMMは比較的新しい技術であり、ソフトウェアは特に新しい。コードはまだ進化の途上にあり、今後さらに多くの機能を期待できる。例えば現行のNVMe-oFはブロックI/Oを使用する。ブロックI/Oは従来のSCSIベースのファイルスタックに取って代わる、はるかに効率的なI/O処理方法ではあるが、データは依然として4KB単位での処理となる。さらにリードモディファイライト(read-modify-write)処理によって余計なI/Oが発生するので、1バイトを変更するだけで8KB以上のネットワーク転送が必要となる。
一部のNVDIMMは1バイト単位でデータの書き込みが可能だ。恐らくOptane NVDIMMもそうなるだろう。これにより、8KBの転送を処理するコードの代わりに単一レジスタメモリ演算命令を使用することが可能となり、ブロックI/Oと比べて大幅な高速化を図れる。今後は固定ブロックアーキテクチャへの転送や新たなデータ保存の手法として、可変ブロックサイズをサポートするベンダーも出てくることが予想される。
こうしたNVDIMMの多くは、ストレージやネットワーク、オーケストレーションなど、各種のソフトウェア定義技術と共存することになる。そこへ新たに加わろうとしているのが、ソフトウェア定義メモリだ。それほど遠くない将来、こうしたメモリバスはアクセスプロトコルの複雑な組み合わせをサポートし、多様な利用場面に対応できるようになるだろう。
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