被害を防ぐ3つの対策
POS端末を狙うマルウェア「MajikPOS」はどのようにして検出をすり抜けるのか
RAMの情報を収集するプログラムをダウンロードし、既存の検出技術をすり抜ける新手のPOS(販売時点情報管理)マルウェア「MajikPOS」はどのような手口でPOS端末を狙うのか。どのような防御策が取れるのか。
Trend Microは先ごろ、米国とカナダの企業でPOSシステムへの感染例が出ている新手のPOS(販売時点情報管理)マルウェア「MajikPOS」を発見した。MajikPOSは幾つかのトリックによって検出をすり抜け、自身を隠匿すると報告している。これらのトリックはどのようなものか。このマルウェアの脅威を緩和するためにどのような対策が取れるのか。
新しいPOSマルウェアが現れるのは日常茶飯事であり、POSシステムを狙う攻撃者は後を絶たない。もうかり続けているからだ。こうして小売業者と攻撃者の戦いが繰り返されているだけに、エンドポイントセキュリティツールやPCI DSS(Data Security Standards)は、今後も消費者の保護に重要な役割を果たしそうだ。
企業にとって、全てのシステムを安全に保つのは困難な場合があるが、中でもエンドポイントのセキュリティ確保は、POSシステムの管理と保護を外部企業に委託している小規模小売業者にとっては、なおさら厄介な場合がある。小規模小売業者は、業務を継続するためにすぐにリモートサポートを受ける必要があることもよくある。そのために、リスクを伴うにもかかわらず、外部企業がPOSにリモートアクセスできるようにしている。
Trend MicroはMajikPOSについて「攻撃機能はかなり一般的だが、非常に巧妙な手口を使うマルウェア」だと報告している。ほとんどのPOSマルウェアには、RAMスクレーパ(RAM上の情報を収集するプログラム)が含まれるが、MajikPOSはRAMスクレーパをダウンロードする。これにより、エンドポイントのメモリを読み取れるファイルの監視ツールをすり抜けるという。
また、場合によっては、MajikPOSはリモート管理ツールの「Ammyy Admin」を使ってリモートアクセスを実行することもあると、Trend Microは記している。これにより、リモートアクセスに伴ってエンドポイントでアラームが作動するのを回避するという。
Trend Microは脅威の緩和策として、次の3つの対策を勧めている。
- ホワイトリストを利用して、承認されたソフトウェアだけが更新ファイルをアップロードできるようにする
- アプリケーション管理機能を備えるエンドポイントセキュリティツールを使う
- ネットワークベースのツールを使ってマルウェアおよび関連する接続をブロックする
さらに同社は、POS RAMスクレーパとRAMスクレーパ全般に対する保護対策ガイドも提供している。
最も重要なMajikPOSマルウェア対策は、PCI DSSで規定されているような安全なリモートアクセス方法を使用することか、あるいは小売業者が、EMV仕様(EuroPay、Mastercard International、Visa Internationalの間で統一されたクレジットカードの規格)のICチップとPIN入力認証方式に対応したPOS端末を使用することのいずれかだろう。前者の対策では、マルウェアがエンドポイントをリモート操作するのを防げるはずだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
「身代金を支払う」以外のランサムウェア対策は本当にあるのか?
-
6
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
7
肥大化した「SFA」の沼 4カ月でBigQuery×AppSheetの新システムを構築した方法
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
ネットワールド、ICカード認証対応のシンクライアント構築アプライアンスを販売
-
10
次世代RPA「ハイパーオートメーション」が急成長か Gartnerが予測
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
4
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
5
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
6
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
10
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー