2013 Japan IT Week 春リポート(スマートデバイス編)
専用端末の半額、「iPhoneのPOS端末化」を加速する3大トレンド
スマートデバイスをPOS端末として使いたい――。こうしたニーズに応える製品/サービスが充実しつつある。「2013 Japan IT Week 春」で展示されていた注目製品を紹介しよう。
iPhone/iPadやAndroid端末といったスマートデバイスをPOS端末として利用する動きが広がりつつある。専用端末と比べてコストを抑えたり、設置面積を減らしたりすることができる点が強みだ。2013年5月8日~10日の3日間、東京ビッグサイトで開催された「2013 Japan IT Week 春」でも、スマートデバイスのPOS端末化を支援する製品/サービスの展示が充実していた。本稿は、その中から注目すべき製品/サービスをピックアップして紹介する。
スマートフォン&モバイルEXPOの展示内容からは、スマートデバイスのPOS端末化を取り巻くトレンドとして以下の3点が見えてくる。
- 顧客管理、在庫管理システムとの統合や連携
- マルチリーダー化
- 特殊要件への対処
以下、それぞれのトレンドごとに代表例となる展示内容を紹介する。
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トレンド1:顧客管理、在庫管理システムとの統合や連携
分析/管理機能や拡張性を充実させたiPad用POSシステムが、ペネトレイト・オブ・リミットが展示していた「innovative POS」である。バーコードスキャナやキャッシュドロアー(現金収納棚)、レシートプリンタといった、POSシステム構築に必要な要素を一括して提供する。
innovative POSは、顧客の来店時間帯や客層を分析する顧客管理機能を標準で用意(写真1)。有償オプションとして、オービックビジネスコンサルタントの販売管理システム「商奉行」や在庫管理システム「蔵奉行」との決済データ連携機能も提供する。その他、同社が国内総代理店を務めるモバイルデバイス管理(MDM)製品「MobiControl」(開発:カナダSOTI)を利用したMDM機能を標準提供することも利点だ。
バーコードスキャナやレシートプリンタは、iPadとBluetoothでデータをやりとりする。キャッシュドロアーはネットワークカードを搭載しており、iPadからLAN経由で収納棚の開閉を制御する仕組みだ。レシートプリンタは、クレジットカードリーダー機能も搭載している。
価格はハードウェア一式(iPadは除く)が18万円程度、月額利用料金は機能によって異なり、5000~1万円程度。総額では30万円程度で利用でき、「一般的に60万円程度するPOS専用システムと比べて半額程度で済む」(同社ソリューション事業部シニアコンサルタントの伊藤年一氏)。2013年4月に販売開始し、美容室や生花店などを中心に引き合いがあるという。
この他、アイニックスが展示していた「スマレジ」(開発:プラグラム)も、顧客管理機能や在庫管理機能を有償オプションとして提供することをアピールしていた。
トレンド2:マルチリーダー化
innovative POSのようにバーコードリーダーやクレジットカードリーダーを個別のハードウェアとして用意するのではなく、これらの機能をスマートデバイスのカバーとして集約する動きが広がりつつある。その一例が、三栄電機の「ScanJacket」だ。
ScanJacketの従来版では、バーコードリーダーとクレジットカードリーダーのみを備えていた。近く販売するiPhone5/iPod touch(第5世代)用の最新版では、これらに加えて近距離通信の国際標準規格、NFC(Near Field Communication)用のRFIDリーダーを搭載する(写真2)。バーコードリーダーとクレジットカードリーダーを搭載するスマートデバイス用カバーはあるが、NFC用のRFIDリーダーまで搭載する製品は珍しい。この他、同様の機能を持つiPad mini用の「SJ Tab mini」も展示していた。
ScanJacketやSJ Tab mini自体は、決済用アプリケーションを含まない。ただしSDKを提供しており、バーコードやクレジットカード、NFCのデータを処理する決済用アプリケーションを独自に開発できる。カバー本体は1300mAhのモバイルバッテリーを搭載しており、端末のバッテリーを充電可能だ。
価格(税別)はScanJacketとSJ Tab mini共に同じで、1次元バーコードリーダー搭載の場合6万円、2次元バーコードリーダー搭載の場合6万5000円。
トレンド3:特殊要件への対処
クレジットカードのデータは、裏面にある磁気ストライプに保存されるのが一般的だ。ただし、日本国内で発行されるクレジットカードの場合、裏面に加えて表面にも磁気ストライプが張られていることをご存じだろうか。
ロイヤルゲートが2013年6月に販売するクレジットカードリーダー「PAYGATE MAGi」は、磁気ヘッドを2つ搭載することで、国内仕様のクレジットカードであっても高精度でスキャン可能にしたのが特徴だ(写真3)。既存のクレジットカードリーダーの多くは片面のみに磁気ヘッドが搭載されており、「国内仕様のクレジットカードの読み取りに失敗するケースも少なくなかった」(同社代表取締役の梅村圭司氏)。
PAYGATE MAGiは、iPhoneやiPad、iPad mini、iPod touchのイヤフォンジャックに接続して利用する。価格は、本体1台当たり3990円、カード登録費用1台当たり1万5750円、専用プリンタ価格3万6750円。これらに加え、月額費用が1575円掛かる。この他、Android/Windows端末向けのBluetooth接続のクレジットカードリーダー「PAYGATE MAG」も提供。PAYGATE MAGも2つの磁気ヘッドを搭載する。
スマートデバイスとBluetooth接続するバーコードリーダーもニーズに合わせて多様化が進む。代表例は、イメージャーが展示していた「KDCシリーズ」。GPSを搭載し、バーコードを読み取った位置が分かる配送業者向けモデル「KDC350xxG」、医療機関向けの抗菌モデル「KDC300」などに来場者の注目が集まった。価格はオープンプライスだが、KDC350xxGの場合、1台10万円程度。KDC300の場合1台8、9万円程度。
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