拡張現実と機械学習
「iOS 11」注目機能、「ARKit」「Core ML」を開発者が今すぐ学ぶべき理由
iOSは毎年9月には新しいバージョンがリリースされる。2017年、iOS 11には開発者向けに優れた拡張現実と機械学習機能が追加される。その詳細を想像してみよう。
iPhoneやiPad向けのApple「iOS」は新たな世代が誕生するたびに飛躍的な技術向上を実現してきた。バージョン11も例外ではない。2017年9月にリリース予定の新たな重要機能の中で、アプリ開発者が学ぶべき機能は拡張現実(AR)の「ARKit」と機械学習に関する機能「Core ML」だ。
Appleによると、ARKitはiPhoneやiPad向けのARエクスペリエンスを開発するフレームワークであり、カメラセンサーのデータと、Core Motionデータと総称されるデバイス内蔵の加速度計やジャイロスコープ、歩数記録計からのデータを統合するものだ。
Core MLは、以前は必要であったサーバラウンドトリップを必要とせず、モバイルデバイス上で直接、学習モデルを実行できる「基本的な機械学習フレームワーク」である。顔追跡や顔検出、ランドマーク検出、テキスト検出、長方形検出、バーコード検出、オブジェクト追跡などを使用すると、開発者は視覚的な機械学習を作成しアプリに実装することができる。
アプリ開発者が習得すべきARKitやCore MLについての必須知識が何かを理解するため、TechTargetは専門家に意見を聞いた。マーク・プライス氏はこれまでに60ものプロジェクトを完遂した経験豊富なモバイルアプリ開発者である。オンラインの学習アカデミーである「Udemy」は幅広いトピックを扱うコースを提供しているが、彼はこのUdemyにおいて13万人を超える生徒に対し16の異なるコースで教えている。
――詳しい内容を聞く前に、iOS 10からiOS 11に移行すると、アプリ開発で何か問題は起きるのでしょうか?
プライス氏 iOS 10からiOS 11へ移行することで機能に問題が起きることはほとんどありません。Swift 3からSwift 4へ移行したときも実際には何も問題は起きませんでした。このバージョンへ切り替えると以前のバージョンよりもはるかに良くなります。以前のバージョンは古いバージョンのデバイスをサポートしないAPIを実装していました。古いデバイスはどの技術を利用できないのかを理解しておくのも重要です。
――ARKitは新しいものです。これはiOS 11のアプリ開発にどのように影響を及ぼすでしょうか?
プライス氏 Appleは面検出を行う複雑なフレームワークを構築しました。カメラビュー内に複数の面があると、地面から、また、撮影者から、それらの面がどの程度離れているかを精緻に見積もります。ARKitが登場するまでは、この作業は非常に複雑でした。現在ではこの機能は既に実装されています。3次元モデルをプロジェクトに投入することができ、(このアプリは)空間内でモデルの位置を管理します。昔は煩雑なコードが必要でした。今ではそれも自動になっています。
――この機能を使って開発者は何ができますか?
プライス氏 この機能を使って皆さんが何を制作するかは分かりません。ARKitと顔認識を使えば、文字通りわずかな時間でSnapchatスタイルのフィルターを再構築できます。私の生徒の中には、オブジェクトの長さを測れるルーラーを配置するために利用した生徒もいます。こういった複雑な種類のシステムを扱うスキルを持たない開発者にも門戸が開かれたといえます。例えば「Pokemon GO」のアプリ開発はこれまではもっと複雑でした。しかし今は、開発者はAPIをざっと見てPokemon GOアプリのようなものをごくわずかな時間で制作できます。
――どのようにすれば開発者はCore MLを利用して、例えば、視覚障害がある人達に利便性を提供できますか?
プライス氏 Core MLを使うと、ビルトインライブラリを利用してすぐに画像認識の機能を利用できます。Appleが提供しているビルト済みモデル内には何千もの画像が保存されているのです。私たちのクラスの1つでは、アイテムを認識し、Siriスピーチシンセサイザーを使用してアイテムの名前を発話するアプリを開発しました。このアプリはカップを認識すると、「カップ」という言葉を発話します。私たちはこのアプリをほんの数時間で開発しました。
――顔認識はiOS 11のアプリ開発の大きな要素になりますが、他の用途で利用されているのを目にしたことはありますか?
プライス氏 顔認証を使うと、カメラを使って写真を撮り、その写真に写っている人物を特定するためにFacebook APIで調べることができるでしょう。現在ではこの作業は機械学習や適切な技術スタックを利用すれば可能です。Appleはこれらの統合を本当に簡単にしてくれました。
昔は、機械学習や認識サービスを搭載したモデルを購入するには多額の費用が必要でした。しかし、今では全てiOSの一部となっており、無料で利用できます。Core MLを使うと、アプリ向けの異なるモードでの認証のために個々人の顔を照合できるようになるでしょう。
――既にiOS 11でアプリを開発している専門家として、開発者に対して何か重要なメッセージはありますか?
プライス氏 Worldwide Developers Conference 2017の Webサイトを訪問し、全ての新しい機能について学ぶことを一番にお勧めします。仕事に生かせる点としては、新しいもので上司を喜ばせることが可能です。Appleは実に多くの機能を追加してくれましたからね。アプリに実装できる機能に関する新しいAPIを全て調べてください。私は技術的なレベルのことだけを言っているのではなく、ユーザーエクスペリエンス的なレベルのことも話しています。
――iOS 11のアプリ開発に関連することに限らず、より大きな意味でこれらの新規の技術を理解することに関して、開発者に対して何かアドバイスはありますか?
プライス氏 機械学習に関する学習に時間をかけてください。フレームワークについてだけではなく、機械学習が重要である理由も学んでください。これから仮想現実スキルや拡張現実スキルを要する仕事を目にする機会が増えると思います。ここに商機があります。iOSの拡張現実の専門家になってください。そうすれば、仕事への応募者の中でも優位に立てます。もし私が今仕事を探しているとしたら、間違いなくAppleのARKitをすぐに習得します。そうすれば、たくさんの仕事のチャンスに恵まれるでしょう。
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