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Fordが自動車開発に活用 急拡大するAR/VRビジネスに必要なスキルとは(1/3 ページ)
自動車メーカーから小売業に至るまで、拡張現実(AR)/仮想現実(VR)が企業における従業員の働き方や製品の生産方法に変化をもたらしている。具体的な事例を紹介しよう。
Black & Veatchの幹部役員は、同社の従業員がつながるためのより良い方法を探していた。建設とエンジニアリング事業をグローバルに展開する同社は、従業員と現場の間にある地理的な距離を縮め、世界中の従業員にリアルタイムで情報を提供したいと考えていた。
他の多くの企業と同様、Black & Veatchは業務にITを活用していた。だが上述の件について、同社が選択した技術は一般的なものではなかった。Black & Veatchが導入したのは、Microsoftの「Microsoft HoloLens」だった。HoloLensは、現実世界にホログラムやデジタルコンテンツを表示して操作可能にするヘッドマウントディスプレイだ。
Black & Veatchは、ミャンマーで太陽熱プラントを建設している建設チームや米国のエンジニア、英国にいる監督者がHoloLensを使用して、全員がその場にいるかのようにリアルタイムでプラントのインフラを確認できるようにした。さらに確認対象のインフラに関する重要なデータを取り出し、実際のインフラの上に重ねてメンバーの目の前にデータを表示することも可能にした。それにより同社は、インフラの品質を検証したり、適切な配置を確認したりできるようになった。
「このツールの調査は、“今より効率的な方法で世界中の同僚とより良く働く方法”というコンセプトで始まった。コラボレーションと連携のための機能や仕組みを強化するツールは、非常に重要だ」と、Black & Veatchでグローバル最高技術責任者(CTO)を務めるブラド・ハーディン氏は話す。
ハーディン氏によれば、Black & VeatchがMicrosoftのホログラフィックコンピューティング技術の調査を開始したのは2016年半ばだという。Microsoftが「複合現実」とうたう同社のホログラフィックコンピューティング技術には、多くの有望な事例があることを同社は突き止めた。
革新の幕開けを迎えた拡張現実(AR)/仮想現実(VR)
この分野を研究しているアナリストによれば、現実世界の環境を改善または一新する技術は、従業員が他社と関わる方法や、生産および購入する商品との関わり方に、既に変化をもたらしているという。拡張現実(AR)は、現実の環境に音や映像、GPSデータなど、コンピュータが生成したデータを重ねる。一方の仮想現実(VR)は、コンピュータが生成した3次元の没入型の環境だ。ARとVRは、どちらも企業の生産性と品質を大きく向上することが期待されており、企業に大きなROI(投資対効果)をもたらすと専門家は信じている。
コンサルティング会社Accentureのデジタルマーケティング部門、Accenture Interactiveでデジタルイノベーションリードを務めるマテオ・アリベルティ氏は、来るべき企業向けのAR/VR技術について「革新の始まり」だと言う。
「ARは複数の業界で深く浸透しており、大きなROIをもたらすことが既に確認されている」と、調査会社451 Researchでアナリストを務めるイアン・ヒューズ氏は説明する。
例えばメーカーは、AR技術を使用すれば、従業員に重要な情報やプロセスに関する詳細な指示を出すことができる。視界や現実世界に重なる形で関連情報が表示されるため、従業員は手をふさぐことなく割り当てられた作業に従事できる。
同様に、エンジニアリングや建設といった現場作業員を抱える企業は、AR技術を使用して、実際の空間に重要なデータを重ねて表示したり、現場から離れた場所にいる専門家の意見を得ることができるようにしている。現場から離れた場所にいる豊富な知識を持つ専門家は、現場の技術者と同じ現場に関するデータを見ることで、現場技術者に適切な指示ができる。
設計分野では、設計の完成予想図や概念を実物のように表示する方法としてAR技術とVR技術の導入が急速に進み、建設や組み立てに着手する前に潜在的な問題を見つけられるようになっている。
企業向けのAR/VR市場の成長には、大きな期待が寄せられている。調査会社IDCが2016年8月に発表した「Worldwide Semiannual Augmented and Virtual Reality Spending Guide」(全世界におけるARとVRの半期支出ガイド)によると、2016年には52億ドルだったAR技術とVR技術がもたらす利益が、2020年には1620億ドルに達する。
Forrester Researchのレポート「Top Emerging Technologies To Watch: 2017- 2021」(2017~2021年に注目すべき主な新興技術)によれば、AR技術は2021年までに普及する見通しだ。一方、VRヘッドセットはまだ扱いづらく、幅広い消費者から理解を得るには至っておらず、VR技術はニッチな分野にとどまるという。
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