スマートシティーと深い関係
「Pokemon GO」は楽しいだけではなく街の姿も変える 始まったARの社会実験(1/2 ページ)
「Pokemon GO」で拡張現実(AR)が身近になった。このARがスマートシティーのさまざまな取り組みを変える可能性がある。
拡張現実(AR)技術を利用したスマートフォンゲーム「Pokemon GO」は、プレイヤーが街中をあちこち歩き回って仮想のキャラクター「ポケモン」を集めるゲームで、大ブームを巻き起こしている。このゲームはスマートシティーのさまざまな取り組みに人々のエンゲージメントや参加を促進する「スマートシティーのARプラットフォーム」の先駆けなのかもしれない。
併せて読みたいお勧め記事
「Pokemon GO」がビジネスに与える影響とは
拡張現実/仮想現実に関する記事
Pokemon GOはIT系のメディアや、専門家、マニアのブログでよく取り上げられているだけではない。公共の場で実際に遊んでいるプレイヤーの姿が目につき、このゲームの存在感は際立っている。私は昨晩、ロンドンのバスの2階で、乗客同士の一触即発の場面に遭遇した。ある若い男が、自分にスマートフォンのカメラを向けた別の若い男に腹を立てたのだ。だが「ポケモンが顔の前に浮かんでいたから」という説明を受けると、カメラを向けられた男の怒りは収まり、事なきを得た。
メディアで広く報じられているように、Pokemon GOが無責任な反社会的行動を誘発しているケースもある。若者集団が離島でポケモンを探すために、ある海に近い湖でボートを盗む事件があったり、レアキャラクターを捕まえようとしてドライバーが大挙して高速道路に車を駐車したりする事件もあった。
もちろん、Pokemon GOの登場までには前史がある。このゲームは開発元のNiantic Labsが作った別のスマートフォンゲーム「Ingress」の系譜を継いでいる。Ingressは似たARエンジンを採用したゲームで、異世界からのエイリアンの侵略にまつわるゲームだ。Six to Startの「Zombies Run」も、Google Mapsの利用による似た試みだ。プレイヤーは実世界を動き回ることで仮想のゾンビから逃げることができる。Mudlarkの「Chromaroma」は、Transport for Londonの非接触式ICカード「Oyster Card」システムから提供されるAPIを使って、公共交通をゲーム化し、公共空間および交通に新たな魅力をもたらすとうたわれていた。
Pokemon GOやZombies Run、Chromaromaなどのゲームプレイヤーが持つ、都市の制約や財産権を物ともせずに突き進ませる衝動や情熱などは、責任ある社会的行動の促進に利用されるようになるだろう。既にPokemon GOは、他のゲームと異なり、家を出て、外の世界に足を踏み入れるようプレイヤーを駆り立てるという点が称賛されている。さらにPokemon GOは、社会的な交流を後押しするともうたわれている。例えば一部の企業は、自社の店舗といったスペースでゲーム内アイテム「ルアーモジュール」(ポケモンを特定の場所で出現しやすくするアイテム)を購入し使用することで、このゲームを集客に利用している。さまざまな都市がそれに続き、Pokemon GOや後続のARベースゲームなどを集客や都市活性化で利用に乗り出す可能性がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
3
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
4
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
5
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
-
6
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
7
「業務改善とツール活用」に関するアンケート
-
8
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
9
「SIEMの利用」に関するアンケート
-
10
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー