自社ビジネスに「革命」を起こす準備 できていますか
未来型「IoT導入成功事例」の作り方とは(3/3 ページ)
効率向上以外に追求できるはずの「IoT導入のメリット」
ボストンに本社を置き、広告デザインや企業向けデジタルマーケティングを手掛けるNickersonで、ソーシャルメディアおよび先端技術部門の責任者を務めるマシュー・クーニー氏は、顧客に対して「IoTの導入効果は、特にスマートビルディングやスマートシティーで顕著に表れる」点を強調するという。
「現段階では、効率向上とコスト削減を目的として、コネクテッドデバイスの単独導入を検討する顧客が多い」と同氏は話す。
同氏は顧客に対して、上述の目的以外を見据えたIoT導入を促しているという。「例えば、不動産業界の顧客の間では、“スマートガレージ”が有効な導入用途として説得力を増している」と、同氏は語る。スマートガレージとは、自動車を駐車場に入庫する際、運転席のデバイスなどに無線LAN経由で接続することで、空いているスペースにドライバーを速やかに誘導する仕組みを指す。駐車場に入ってきた自動車の照明や空調(HVAC)をコントロールする機能も備え、ドライバーの駐車プロセスを効率化することで、最終的にはガレージ自体の経費を節約するという。利用しやすさが多くのドライバーを引き付ければ、他の駐車場との競争も優位に進められる可能性もあるという。
「ただし、仮に不動産の開発業者や所有者がスマートガレージ導入に乗り気になったとしても、実現する段階で苦戦することが少なくない」と、クーニー氏は指摘する。
「スマートガレージを支えるあらゆる機能は、企業と顧客とのタッチポイントだ。スマートガレージの実現には、こうした機能を作動させるためのセンサー配置が不可欠だ。各センサー同士が相互通信を行い、データを集約して、分析する必要もある。こうしたIoTコンポーネントの管理を一元化する機能を提供できる企業は、まだ出てきていない。そのため、このビジョンはいまだに構想段階だ」と、同氏は語る。
IoT導入で描く「未来の世界」実現の日はすぐそこに
クーニー氏は、こうした複合的なIoTサービスの実現に向けて、今後解明すべき点も多々あると話す。「コネクテッドデバイスにはどのような価値があるのか、導入にはどこから着手すべきか、といった点に確信が持てない人が多い。(先述の)導入ビジョンがどの程度企業の間に普及するかは、IoTテクノロジーのプロバイダー側が、企業に対してコスト削減を含む導入効果をどれほどうまく説明できるかによって変わるだろう」と、同氏は語る。
ただし、現在の状況は、近いうちに変わりそうだ。ロンメル氏を含む複数の専門家は、IoTテクノロジー自体が達したレベルの高さを鑑みれば、「IoT導入に向けた戦略と意欲さえあれば、企業がIoTを活用して業務革新を実現し、ビジネスとして急成長を遂げることは可能」と主張する。
ロンメル氏は、これまで注目されていなかった例を1つ挙げた。縫製ミシンが、ネットワークに接続可能になったことで、機能を広げているのだ。今や「コネクテッドデバイス」となった縫製ミシンは、個別に販売される縫製パターンのダウンロードや、完全手動モード/自動モードの切り替えもできるという。
「明確なビジネス変革と呼べるほどのIoT導入事例は、かつて期待されていたほど多くない。ただし、近い将来それを実現しそうな企業は。IoTテクノロジーは、かつて人々が描いた夢を実現しつつある」と、ロンメル氏は語る。
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