資料請求CVRが0.68%から1.09%へ向上
サイバー大学が出願者確保に「CRM」×「リターゲティング広告」を活用、その効果は?(2/2 ページ)
出願ピークを外れるも資料請求増に効果
Synergy!広告連携機能を活用したキャンペーンは、2017年2月14日から2週間実施した。サイバー大学は春・秋の2学期制を採用しており、入学時期を春と秋から選べるようにしている。ただし資料請求は圧倒的に春先が多く、1万8000件前後と、年間の資料請求数全体の過半数を占める。通常、春募集に合わせた広告出稿のピークは、前年の11月から年明け1月となる。今回は2月と時期的にはピークを外れていたが、広告効果による“駆け込み出願”を狙った。
今回のキャンペーンで展開した広告は、YDNとFacebook広告だ。YDNは誘導先として資料請求ランディングページ、Facebook広告は出願ランディングページを指定。過去に資料請求をした人をリターゲティングの対象にした。
顕著な効果が出たのはYDNだった。YDNから資料請求に至るコンバージョン率(CVR)は、並行運用した通常のYDNでは0.68%だったが、Synergy!広告連携機能を使ったYDNでは1.09%を記録した(表)。一方で出願ランディングページに誘導していたFacebook広告は、顕著な変化は見られなかったという。時期的な問題もあり、出願件数の大幅増とはならなかったものの「手応えは十分にあった」と久村氏は語る。
| 適用対象広告 | 広告の誘導先 | 効果 |
|---|---|---|
| YDN | 資料請求ランディングページ | CVRが1.09%を記録(通常YDNでは0.68%) |
| Facebook広告 | 出願ランディングページ | 顕著な効果は見られなかった |
YDNについては、資料請求してから「1年以内」「1年~2年以内」「2年~3年以内」と見込み出願者をセグメントに分けて効果を検証したところ、資料の再請求率は、どのセグメントもほぼ同等だったという。過去に資料請求をした人であっても、資料を紛失してしまったり、資料請求したこと自体を忘れてしまったりする人は少なからずいるはずだ。出願時期に、こうした人に対して資料請求の告知をすることで、サイバー大学の存在をあらためて認識してもらい、出願につなげることができた可能性がある。
教育機関が出願者を集める上で、資料請求や説明会出席といったアクションを起こしたものの、出願に至らずに眠っている見込み出願者のデータは必ずあるはずだ。こうした手つかずの見込み出願者に対して、リターゲティング広告というアプローチを活用することで、再び関心を呼び覚ます効果は「確かにあると感じた」と久村氏は述べる。
Web広告とメールの併用で出願者増を目指す
2007年、従来型携帯電話向けWebサイトを作る機能があったことを理由にSynergy!を導入するなど、早くからWebの活用に注目していたサイバーユニバーシティ。同様に注力するのが、メールを使った見込み出願者とのコミュニケーションであり、そこでもSynergy!を活用している。
資料問い合わせフォームの作成から、メールでの問い合わせ管理に至るまで、全てのコミュニケーションをSynergy!内で完結させている。資料請求フォームの作成や見込み出願者データの蓄積にもSynergy!を活用。大学説明会への参加や出願など、段階的に情報を伝える「ステップメール」の送信にも生かす。
募集期が始まると、Synergy!を使って見込み出願者に隔週でメールを送信する。「説明会に来た人」「資料請求の人」「メルマガ登録の人」など、ステータスに応じて細かくメールを出し分けているという。「説明会はいつどこで開催されますか」といった見込み出願者からの質問メールについては、Synergy!の問い合わせ管理機能「Synergy! HEAR」を活用し、一人一人に合わせた回答をしている。
スコアリング機能の搭載を期待 Web広告の効果検証を継続
久村氏は、現状のSynergy!の機能に特に不満はないものの、将来的には出願までのフェーズ別に見込み出願者を分類できるスコアリング機能が搭載されることを期待しているという。各見込み出願者に対して、最適かつ効果的なコミュニケーションを取って、出願への引き上げができるようにするためだ。
Synergy!広告連携機能を使った今回のキャンペーンでは前述の通り、出願に直結する出願ランディングページへ誘導したFacebook広告については、短い期間では顕著な効果が見られなかった。サイバーユニバーシティは今後も、コミュニケーションの接点としてメルマガに加えてリターゲティング広告などのWeb広告を活用して、その効果の検証を続けていくという。「ITとビジネスに強い人材を育成して社会に貢献する」という使命を果たすべく、「サイバー大学で学ぶ」ことに対する見込み出願者の興味・関心を高めていく構えだ。
執筆者紹介
岩崎史絵(いわさき・しえ)
リックテレコム、アットマーク・アイティ(現アイティメディア)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆の他、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー