資料請求CVRが0.68%から1.09%へ向上
サイバー大学が出願者確保に「CRM」×「リターゲティング広告」を活用、その効果は?(1/2 ページ)
少子高齢化で若い年代が減少する中、いかにして出願者を増やすべきか。サイバー大学を運営するサイバーユニバーシティは、この難題にCRMとWeb広告の組み合わせで挑もうとしている。
2007年の開校から10年を数える、株式会社立の通信制大学であるサイバー大学。eラーニングによる通学不要のカリキュラムにより、学生はクライアントPCやスマートフォン、タブレットを利用して自分のペースで学ぶことが可能だ(画面)。働きながら学びたい社会人から特に支持を集めている。「テクノロジーとビジネス、両面の分かる人材育成」をテーマに、ビジネスや社会生活にITを生かすための教養と実践ノウハウを提供している。
サイバー大学が大切にしているのが「一度でも興味を持ってくれた人」とのエンゲージメント(絆)である。同校の運営主体であるサイバーユニバーシティの学務部入試課に所属する久村 浩太朗氏は「資料を請求したり、説明会へ参加したりした人は、サイバー大学に一定の興味を持っているはず。そうした人に出願へのモチベーションを上げてもらい『サイバー大学で学んでみたい』と思ってもらいたい」と話す。
年2万数千人の「見込み出願者」を掘り起こす
これから出願する可能性がある「見込み出願者」を、いかにして出願まで引き上げるか――。多くの大学が抱えるこの課題は、サイバーユニバーシティにとっても大きな課題だ。同校は社会人にも門戸を広く開いている通信制大学とはいえ、出願希望者が無限に広がっているわけではない。少子高齢化の中、学生数はやはり減少傾向にある。「一度でも接点を持った見込み出願者に対して常に情報を発信し続け、出願を促すことがポイントになる」と久村氏は言う。
サイバー大学への資料請求の申し込みは、年間約2万5000~2万6000件に上る。一方で入学者は年間600人前後で推移している。資料請求者を見込み出願者だとすると、入学時に志望動機や書類などによる選考があることを踏まえても、年間2万数千人の見込み出願者が出願に至っていないことになる。「せっかく、これだけの人に接点を持ってもらったのだから、何とか掘り起こしをしたいと考えてきた」と久村氏は語る。
2007年のサイバー大学開学当初は、出願者を確保すべく、交通広告やテレビコマーシャルなどを積極展開していた。だが同校はそもそもインターネットを活用した通信制大学であり、Web広告との親和性が高いため、ここ数年はWeb広告を中心に出願者を集めていた。
状況を打開するための策として久村氏が注目したのが、Web広告などを通じてサイバー大学のWebサイトに訪問したことがある人を対象に配信する「リターゲティング広告」だ。
実はサイバーユニバーシティは、以前にもリターゲティング広告を展開したことがあった。だがコストがかさんだ割には、思うような効果が得られなかったという。こうした経験もあり、これまでは見込み出願者の掘り起こしに十分着手できていなかったと久村氏は明かす。
併せて読みたいお薦め記事
大学のIT導入事例
重要性高まる大学のデータ活用
10年使ったCRMに新搭載の広告連携機能
状況を変えるきっかけとして久村氏が注目したのが、シナジーマーケティングの顧客関係管理(CRM)システム「Synergy!」の広告連携機能の活用だ。Synergy!に蓄積した顧客データの属性や行動履歴を基に、広告配信を最適化する。「Facebook」「Instagram」といったソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の広告や、ディスプレイ広告の「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク」(YDN)などの広告サービスと連携できる。
Synergy!は、CRMの根幹となる顧客データベースに加え、デジタルマーケティングに必要な機能を搭載したクラウドサービスである。集客のためのフォームやアンケート作成、メール配信、問い合わせ管理、データ連携といった機能を備える。サイバーユニバーシティは、サイバー大学開校当時の2007年からSynergy!を使い続けており、2017年3月に新たに実装された広告連携機能をそのまま利用した形だ。
Synergy!の広告連携機能をリターゲティング広告に活用しようと考えた理由は2つある。1つ目は、この機能が単に「広告をクリックした人」だけではなく、「既に資料請求したことがある人」をリターゲティングの対象にできる点だ。広告をクリックしただけでは、その人がサイバー大学に出願する意思があるかどうかが分からない。だが資料請求というより進んだ行動を取った人であれば、単に広告をクリックした人よりも、出願に至る可能性が高いと考えられる。
2つ目は、Synergy!で管理している見込み出願者を対象にしているので、効果検証をしやすいことだ。「実際に、どれだけ効果があったのかを具体的に確認できることで、今後の戦略立案の参考になると考えた」(久村氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー