学生支援の細かさには「顧客志向」が必要
デジタルハリウッド大学が「学校向けポータル」ではなく「Salesforce」を選んだ理由(1/3 ページ)
学生情報を“カルテ”のように一元管理できる学生ポータルを構築したデジタルハリウッド大学。その基盤として教育機関向けパッケージではなく、企業向けクラウドサービスを選んだという。それはなぜなのか。
株式会社立大学のデジタルハリウッド大学(東京都千代田区)は、コンピュータグラフィックス(CG)をはじめデジタル分野の第一線で活躍できる人材育成に取り組む(写真1)。同大学が学生支援のために構築した「学生ポータル」のシステムは、履修状況や成績、学生への対応履歴などの情報を“カルテ”のように一元管理し、学生一人一人にきめ細かいサービスを提供するための機能を備える。
学生ポータルの構築といえば、教育機関に特化した学生ポータル構築製品/サービスを利用するのが一般的だ。だがデジタルハリウッド大学は、企業向けサービスで知られるセールスフォース・ドットコムのクラウドサービス群(以下、Salesforceサービス群)を使って学生ポータルを構築した。その選択の理由とは何か。システム導入の効果は。デジタルハリウッド大学でシステム導入を主導した学務グループの金野秀彦氏と、同グループの藤森志保氏、大学院で学生支援を担当する阿部正子氏に話を聞いた。
構築したシステム:学生と教職員が使う学生ポータル
デジタルハリウッド大学が構築した学生ポータルは、大きく学生向けと教職員向けの機能を備える。学生向けには講義の履修登録や講義に関するフィードバックシート(FS)の提出など、日々の学習に役立つ機能を提供している。過去に履修した講義の情報、提出/回答した資料やFSの内容なども閲覧可能にしており、「就職活動に使うポートフォリオや履歴書、エントリーシート作成にも活用できる」と金野氏は説明する。
学生は学生ポータルから履修中の講義の情報を確認したり、自分が学んできた内容を振り返ったりすることができる。また講義内容に関するFSの回答を登録することも可能だ(画面1)。学生ポータルへはデスクトップPCに加えて、スマートフォンやタブレットといったモバイルデバイスからもアクセス可能にした。学生や院生は日常的にノートPCを持ち込んで講義を受けており、講義中でも学生ポータルへアクセスしてFSに記入できる。大学院では教員がFSの回答に対してフィードバックしている。
FSの回答期限は、48時間以内にして余裕を持たせた。「講義中に質問しづらかったりする場合に配慮した」と藤森氏は説明する。さらに大学院では、FSの回答で講義の出席を取っているという。
一方の教職員に対しては、各学生の講義出欠状況や成績、FSの回答履歴などを一元的に閲覧可能にしている。学生に対するサポート体制や講義内容、カリキュラムなどを改善・向上するFD(Faculty Development)への活用を見据える。
教職員が閲覧する「カルテ」画面は、学生の個人情報やスキルに関する情報、志望動機、成績、履修に関する情報などを表示する(画面2)。教職員はカルテ画面から、学生の講義の理解度や参加度、シラバスで規定した内容の提供度合いなどを確認できる。教職員はこうした情報を基に、多種多様な学生のバックグラウンドを理解したり、講義の理解度を把握したりしながら、講義内容の組み立てやカリキュラムの見直しを進める。
学生ポータルの情報は、学籍情報や成績、シラバス、履修登録、出欠といった情報を管理する学務システム(基幹システム)と連係して取得している。
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