失敗しない製品選択
タレントマネジメントのリーダー製品は? 注目7製品“強み”の読み解き方(2/2 ページ)
クラウド対応のシステム
タレントマネジメントのプロセスは、主に、SaaSモデルで提供される。この提供方法は2000年代初頭から徐々に増加し、HCMソフトウェア提供方法の業界標準になっている。
上述のベンダーの多くは、一時期オンプレミスの導入を行っていた。だが、Sabaを除く全てのベンダーがクラウド専用の製品を提供するようになっている。Sabaは、クラウドとオンプレミスのどちらの製品も選択可能だ。
HCMアプリケーションの場合、クラウド優先で検討する可能性が高いので、購入評価チェックリストのこの項目には、全てのベンダーの製品にチェックが入ることになるだろう。ただし、オンプレミス製品を探している場合はSabaの製品を選ぶしかない。SAPは、同社のERP HCMシステムやその価格表にあるように、依然オンプレミスの製品を提供している。ただ、同社は現在の顧客または将来の顧客に積極的には売り込んでいない。
進むモバイル化
モバイルアプリケーションなら、オフィスにいない従業員(工場作業員、ドライバー、リモートオフィス勤務者など)や現場で働く従業員がビジネスプロセスに関わることができる。多くの場合、PCにアクセスできない従業員はタレントマネジメントを利用できない。そこで、モバイル機能を用意することで、オフィス外の従業員も人材管理プロセスに参加できる。ただし、モバイル版ではタレントマネジメントの機能を全て用意することはほとんどなく、プロセスごとに重要な機能に絞ることが多い。
ほとんどのベンダーやアナリストは、モバイルをオンプレミスシステムとの差別化要因と考えている。そのため、全てのベンダーが自社のアプリケーションにモバイル機能を組み込んでいるのも当然だ。提供されるモバイル機能はベンダーごとに異なり、モバイル版アプリケーションにアクセスしないでモバイル機能を評価するのは難しい。また、他のさまざまな分野を精査して評価している間に、モバイル機能を見過ごしてしまうこともある。一般に、モバイル機能が必要かどうかは、自社の従業員の構成や、導入するアプリケーションによって異なる。
フィードバックに基づく実績管理機能をターゲットにする場合は、Saba、Halogen、SAP SuccessFactorsの製品がモバイルアプリケーションに強力な実績フィードバック機能を備えている。例えば、SAP SuccessFactorsのモバイルアプリケーションは、継続的な実績管理を非常に重視している。
エンタープライズ向けの学習やトレーニングをターゲットにする場合は、Cornerstone OnDemand、Saba、Halogenの製品に加え、SAP SuccessFactorsが、その分野の高度なモバイル機能を備えている。
IBM Kenexaは採用分野に強く、他のベンダーの多くの製品も、面接、応募者の精査、共同での採用活動、採用の承認など、幅広い採用関連機能をモバイルアプリケーションにそろえている。
他にも、SabaとHalogenのモバイルアプリケーションは、給与管理のサポートに力を入れている。
だが、モバイルアプリケーションで後継者育成計画やキャリア開発計画を適切にサポートしているベンダーはあまり多くない。
ユーザーエクスペリエンスの重要性
従業員も利用するタレントマネジメントアプリケーションは、使いやすく、皆が自発的に使いたくなるようなエクスペリエンスが求められる。ビジネスの価値創造を促すアプリケーションの導入を成功させるには、通常時や非常時を問わず使いやすく、マニュアルやヘルプページを見直さなくても直観的に扱えなければならない。さらに、アプリケーションとプロセス全体のエクスペリエンスについて、従業員が肯定的に捉えることも必要だ。
当然、全てのベンダーが、製品のユーザーインタフェースとユーザーエクスペリエンスには力を注いでいる。ユーザーエクスペリエンスについて新しくアップデートを行っているベンダーもあれば、ユーザーエクスペリエンス向上戦略の一環としてユーザーインタフェースを定期的に刷新するベンダーもある。モバイルのユーザーエクスペリエンスも重要な役割を持ち、同じベンダーの製品のユーザーエクスペリエンス戦略は一貫していなければならない。
ユーザーエクスペリエンスという点では、大半のベンダーがニーズに応えるだろう。特に、SAP、Cornerstone OnDemand、Oracleなどの主要ベンダーは、アプリケーション全体でユーザーインタフェースと機能を築き上げ、ユーザーの満足度は高い。
HCMとの連携
タレントマネジメントソフトウェアを評価する場合、HR戦略の長期目標を検討することが重要になる。HRソフトウェアの長期ロードマップにコアHRシステムの追加も含まれている場合(購入するアプリケーションがベンダーのコアHRシステムに統合されないと仮定すると)HCMスイートにコアHR製品を含むベンダーを検討することになる。
コアHRとタレントマネジメントとの統合は、データだけでなくエンドツーエンドのプロセスにも関係する。例えば、ほとんどの場合、採用活動は該当職の欠員がきっかけになる。新人研修は採用プロセスと一体であり、給与データは給与管理に使用される。従業員の経歴は給与変動計画に使用されるという具合だ。
Cornerstone OnDemandの例を挙げると、同社はコアHRシステムを最近導入したが、同製品は従来型のコアHRシステムになることは意図していない。TalentsoftはシンプルなコアHRシステムを用意し、同社のタレントマネジメントシステムと密接に連携するようになっている。SAP SuccessFactorsとUltimate SoftwareのUltiProは、中堅企業から大企業向けのコアHR製品としては他をリードする存在だと考えられている。
タレントマネジメントの一部のベンダーは、コアHR製品や、場合によっては給与管理製品も用意している。ベンダーの多くは、HCMスイートの一部として、人員分析、人員計画、利益管理を提供している。コアHR製品を提供していても、タレントマネジメントに特化していないベンダーも数社ある(Infor HCM、Ceridian、ADPなど)。一方、Workdayは、タレントマネジメントに使用する際の必須コンポーネントとして、コアHR製品を販売している。
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