企業に必要な人材がまる分かり
予測的人事で分かる未来のリーダー 「タレントマネジメント」が導く次の人材管理とは(1/2 ページ)
多くの企業は、人材に関してさまざまな問題を抱えている。実際にどのような問題があり、どのように解決すればよいのか。タレントマネジメントソフトベンダーのCEO アダム・ミラー氏に話を聞いた。
グローバル展開する企業を中心に、社内の人材を可視化し、経営戦略に沿った採用や育成のプロセスを支援する「タレントマネジメント」の導入機運が高まりつつある。従業員の採用後の法的手続きや給与の支払いなどを中心とした従来型の人事システムでは、高度化、複雑化する人材管理のニーズに応えられなくなってきたからだ。
「企業のグローバル化が進み、さまざまな従業員が世界中で働いている。その中でいかに従業員一人一人の競争優位性を担保するかが大事になる」と、タレントマネジメントベンダーCornerstone OnDemandのCEO アダム・ミラー氏は話す。Cornerstone OnDemandは、日立製作所や三井不動産をはじめ世界191カ国で約2600社の導入実績を持つ、タレントマネジメント市場の有力ベンダーだ。企業は人材の競争優位性をどのように維持、向上すべきなのか。その取り組みを下支えする、将来のタレントマネジメントシステム像とはどのようなものなのか。ミラー氏に聞いた。
企業が抱える人材に関する悩み
企業がグローバルで競争優位性を保つためには、「グローバルで活躍できる優秀な人材を確保することは不可欠だ」とミラー氏は語る。優秀な人材が何らかの理由で会社を離れてしまえば、企業は大きな損失を被ることになる。それを防ぐためにも、社内にいる優秀な人材を把握し、管理することは重要だ。
だが「グローバルで人材管理をする場合、国によって個人情報の取り扱いやプライバシーの考え方などが違うため、企業のコンプライアンス体制を整えるのが難しい」とミラー氏は述べる。また大企業になればなるほど、従業員の入社と退社、異動の頻度が増える。管理が複雑な上、人材の入れ替わりが激しくなると、企業が全従業員の能力や成果を把握するのは不可能に近い。
システム面でも大きな問題がある。グローバルに展開する企業では、各国の法制度に準拠し、かつ各拠点が独自に定めた就業規則に基づいた処理を実現するために、各拠点が独自に人事システムを導入することがある。異なるシステム同士を連係するには、当然ながら手間やコストが掛かる。そのため各拠点に人事システムが乱立してしまうと、本社の人事システムとの連係が進まない可能性がある。その状態では、本社が全従業員の詳細を把握することは困難だ。
その他の問題として「海外子会社の運営」があると、ミラー氏は話す。例えば、グローバル展開するために海外に子会社を設立し、本社から出向した日本人を社長に任命するケースは少なくない。だが日本人社長の場合、海外特有の顧客ニーズや商取引のルールを熟知しているとは限らない。そのため現地の従業員が社長に代わり、事業運営の中心的な役割を果たしていることがある。
しかしその場合、現地の従業員が大きな権限を持ってしまうため、本社のコントロールが効かなくなってしまいがちだ。その結果、本社が海外子会社の優秀な従業員に異動命令を出しても子会社に拒否されたり、本社と子会社で経営目標が変わったりしてしまう可能性がある。
このように企業がグローバル展開する場合、人材管理は一筋縄ではいかない。
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