タレントマネジメント製品紹介【第2回】
「仕事の仕方はSNSで学ぶ」、Cornerstoneが考える社員教育の将来像
多くのタレントマネジメント製品がある中、「Cornerstone OnDemand」の特徴は教育を通して個人の成長支援にフォーカスしている点だ。単なる社員データベースとは異なるタレントマネジメントの新形態とは。
今回紹介するタレントマネジメント製品は「Cornerstone OnDemand」。これまで紹介してきた2つのタレントマネジメント製品「SuccessFactors」「SilkRoad」と比較して、Cornerstoneはどう違うのか。同製品の国内唯一の販売代理店であるイー・コミュニケーションズのソリューション事業部長 川野政志氏は、「一番の違いは、CornerstoneがLMS(ラーニングマネジメントシステム:学習管理システム)から立ち上がったシステムということ。そのため最も得意な領域は教育で人間を成長させることだ」と話す。
SNSで社員の成長を促す
Cornerstone OnDemandは同名の米国企業が開発したタレントマネジメント製品。マルチテナント型のSaaSとして稼働する。「学習管理」「SNS」「パフォーマンス管理」「後継者計画」の4つのモジュールがある。世界では805社、750万ユーザーが利用。アジアだけでも50万ユーザーが使っているという。国内では、教育関連システムを開発してきたイー・コミュニケーションズが2011年5月から取り扱っており、現時点で500件以上の引き合いが来ているという。
| カテゴリー | ソーシャル機能 | 学習機能 | 成果管理機能 |
|---|---|---|---|
| 主な機能 | 企業内SNS ソーシャルラーニング コラボレーション 職場交流 新入社員育成 |
学習管理 能力開発計画 LCMS |
実績管理 コンピテンシーと目標設定 キャリア設計 後継者育成管理 |
「当社はナレッジイノベーションカンパニーとして、人の成長を支援したいとの思いが強い。成長のためには特定の領域について自分の能力の現在地を知り、目標となるゴールを決める。そして足りない点を補うことが重要だ」(川野氏)
イー・コミュニケーションズの中で「自分の能力を知る」ための製品が、オンラインテストシステムである「AXISM」。目標に向けて足りない点を補完するための製品が、eラーニングシステムの「FALCON」となる。タレントマネジメント製品であるCornerstoneは、社員が自分の強みや弱みを知り、学習を管理するための製品と位置付けられる。
他社のタレントマネジメント製品では企業の業績目標があり、その目標に応じた組織や個人の目標を設定。その目標を達成するための進捗管理や人材の採用について機能を提供するという上から下へのアプローチだ。対してCornerstoneは社員を適切に教育することで、企業の成長を促すという下から上のアプローチを取る。
Cornerstoneでアピールされているのは、パフォーマンス管理でも後継者管理でもなく、SNSによる社員教育だ。「企業内での仕事の多くはインフォーマルな学習機会から学ぶことが多い。若いときであれば上司や先輩の仕事の仕方を見て学ぶことが大半だろう」(川野氏)。CornerstoneのSNSでは、自分の能力や学習の履歴、経験したプロジェクトなどを社内に公開し、検索可能にする。プロジェクトが立ち上がった場合はそのSNSを検索して必要な人材を探す。個人としてはSNSで同僚の仕事ぶりを参考にできる。
「実際の企業では、指導してくれる上司や先輩の能力によっては適切な学習とならない可能性がある。しかし、SNSを使うことで組織を超えて他の優秀な人の働き方を知ることができ、補完すべき自分の能力を可視化できる。企業から提供されるフォーマルな研修やeラーニングも活用し、自分の力を高められる」
人材管理システムについてのコンテンツ
コンピテンシー評価、360度評価も
タレントマネジメント製品は、社員のさまざまな情報を蓄積する社員データベースが基本になっていることが多い。企業はこのデータベースをリソースとして人材を探し出して目標達成までの戦略を構築していく。CornerstoneはSNSがこの社員データベースを兼ねているといえるだろう。
Cornerstoneはパフォーマンス管理機能も充実している。組織におけるその役職やチーム内での役割にひも付けて個人の目標と実績を管理できる。コンピテンシー評価や360度評価の機能も搭載する。「自分の能力や評価を可視化して、自分のキャリアプランを考えたり、学習に生かすことができる」(イー・コミュニケーションズ ソリューション事業部 TMソリューション部 統括リーダー 西尾航史氏)
1ユーザー当たり年間3000円の想定
価格は初期導入費と年間費用で構成する。CornerstoneはSaaSで提供されるため、基本はノンカスタマイズで利用する。しかし、1000近い設定項目が用意されていて、初期導入フェーズで自社の環境に合わせて設定できるようになっている。その他、イー・コミュニケーションズによるコンサルティングや、社内の他のシステムとのデータ連携、シングルサインオンの構築などを行う。初期導入フェーズは3~6カ月かかる(参考記事:「ERP構築に1年は長過ぎる」、ユーザーの新常識にベンダーはどう応える?)。
年間費用は利用ユーザーID数に応じて課金される。1ユーザーID当たりの料金は利用規模によって変動する。従業員5000人で1モジュールを使う場合、1ユーザーID当たり年間3000円の想定になるという。モジュールは個別機能を選択して利用可能。半分の機能だけを使う場合「0.5」の課金だ。また、従業員5000人規模で利用する場合の初期導入費は500万円程度になるという。
タレントマネジメントがITシステム製品として国内に登場してきたのは10年ほど前だ。企業を取り巻く環境変化に合わせて、人材管理や業績管理、社員育成の考え方も変遷している。西尾氏は「タレントマネジメントはもっと個人と組織に注目しないといけない。多くのタレントマネジメント製品は個人の能力の可視化にとどまっているが、今後は個人の能力をどう伸ばすかのフェーズになる。Cornerstoneはその意味で注目が集まると期待している」と予測する。
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タレントマネジメント製品紹介
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