クラウドHCMの主要機能一覧も
「クラウドHCM」がここまで充実 選ぶべきサービスはどれだ?(1/2 ページ)
人事機能を総合的に提供するHCMシステムをクラウドサービスとして利用可能な「クラウドHCM」が充実してきた。クラウドHCMとは何者で、どのようなサービスがあるのか。
人的資本管理(HCM)システムを実現する上で、オンプレミスではなくクラウドの利用を検討する動きが広がっている。人材を戦略的に活用するタレントマネジメントの効率化や高度な従業員分析、業務環境の改善、関連コストの削減などが目的だ。
クラウドサービスとして利用可能なHCMシステム(以下、クラウドHCM)には、具体的にどんな選択肢があるのかを把握するのは容易ではない。タレントマネジメントなど一部のHR(人事)機能をクラウドへ移行するのと、オンプレミスのHRの中核業務をカバーするシステムを完全にクラウドへ移行し、全く新しいHRシステムをクラウドで運用するのとでは、大きな違いがある。
クラウドHCMを実現するベンダーやサービスには、どのような選択肢があるのだろうか。
調査会社Nucleus Researchの主席アナリスト、ブレント・スキナー氏によると、クラウドHCM市場で最大の影響力を持っているのは、Ceridian HCM、Ultimate Software Group、SumTotal Systemsの3社だ。同氏はOracleの「Oracle HCM Cloud」も、クラウドHCMの選択肢として提示する。同氏はNucleus Researchが発行したHCMに関する報告書「HCM Technology Value Matrix 2016」の著者である。
Ceridian HCMの「Dayforce HCM」は、従業員の雇用に伴う基本項目(給与、勤務時間、勤怠など)の管理、人員を適切に配置する「ワークフォースマネジメント」(WFM)の他、分析やHR関連ドキュメントの管理など、幅広い人材管理機能を1つのアプリケーションで提供する。こうした広範な機能を提供していることもあり、同社は「クラウドHCMを手掛ける他のベンダーを引き離している」とスキナー氏は説明する。
Ultimate SoftwareのクラウドHCMサービス群「UltiPro」は、給与管理から人材獲得に至るまで、HCMの幅広い機能を組み込んでいる。勤怠や福利厚生などの管理機能、タレントマネジメント機能を提供し、WFM機能の一部も備える。Nucleus Researchの報告書は、UltiProの投資対効果の高さを評価している。
SumTotal SystemsのHCMシステムは、クラウドでもオンプレミスでも利用できる。スキナー氏が同社のHCMシステムで「興味深い」と指摘するのは、利用形式にかかわらず、常にユーザー企業がソフトウェアの最新バージョンを利用できることだ。タレントマネジメントとラーニング用の広範な機能も含む。
OracleのOracle HCM Cloudは、給与/勤怠管理やWFMの各機能に加え、タレントマネジメント機能を含む広範なHCM機能を備える。「この製品は大企業向けだ」とスキナー氏は報告書に記している。同氏によると、従業員数2万5000人以上の大企業が、Oracle HCM Cloudを導入した例もある。
社内ソーシャルネットワーク機能も備えており、これにより多角的な業績評価とコラボレーション型ラーニングが容易になる。モバイル対応機能を利用すれば、マネジャーは業績に関するフィードバックをリアルタイムで送信できる。
Oracle HCM Cloudの予測分析機能は、社内ソーシャルネットワーク機能を含むシステム全体で収集したデータを使って、従業員の業務効率の改善を支援する。例えばマネジャーは、離職を考えている従業員を見つけ、思いとどまらせるための対策を講じることができる。
クラウドHCMが備える一般的な機能一覧
クラウドHCMの一般的な機能をまとめた一覧表をPDFファイルで提供しています。「クラウドHCMが備える一般的な機能一覧」からダウンロードしてください。
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調査会社Constellation Researchの副社長兼主席アナリストのホルガー・マラー氏は「今日、HCMの全ての機能がクラウド内にある」と指摘する。「CRM(顧客関係管理)とHCMは、クラウドへの移行の先導役を果たしてきた」(同氏)。北米企業の経営者の間では、従業員のデータをクラウドに置いてよいのかどうかという議論は「4、5年前に終わった」と同氏は説明する。
調査会社Bersin by Deloitteの創業者、ジョッシュ・バーシン氏は、HRの中核業務に関する機能が充実したクラウドHCMを提供しているベンダーとして、ADP、Ceridian HCM、Oracle、SAP、Workdayを挙げる。これらのベンダーは、給与管理機能や全従業員のデータを管理するためのセキュリティ機能、カスタマイズ機能をそろえている。
バーシン氏は、時間給で働く従業員を管理するソフトウェアにも注目しており、これは従業員の1週間の勤務時間や残業の有無などを管理するという。同氏はこの分野をリードするベンダーとしてKronosの名前を挙げ「他にも多数の小規模ベンダーが存在する」と付け加える。
トレーニング/ラーニングソフトウェア分野にも、バーシン氏は注目する。この市場全体の規模は40億~60億ドルで、オンライン講習、トレーニングプログラム、資格認定、コンプライアンスなどのソフトウェアがこれに含まれるという。この分野のベンダーとしては、Oracle、SAP、Skillsoft、Workdayなどがある。
もう1つのバーシン氏の注目分野が、履歴書や応募書類、募集プロセスなどを処理する求人ソフトウェアだ。業績管理だけを担うソフトウェアも多数存在する。これは業績評価やフィードバック、勤務態度分析などを対象とする。
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