現在も未来も注目
超売り手市場のIT人材、5年後も現役でいるために求められる「5つのスキル」
あらゆる企業がIT企業となった昨今、IT系の人材に対する需要がかつてなく高まっている。特に注目されるITスキルを紹介する。
私はドットコムバブルと崩壊を経験してきた。それに言及したのは、現在のIT起業やIT職の給与にまつわる異常な状況が、不気味なほどあのころに似ているからだ。だが重大な違いが1つある。
かつてのドットコム時代は、インターネットビジネスを巡る熱狂が「オンラインで何かをやる」あるいは「何でもやる」というビジネスモデルでしか訴求できない企業の創業に火を付けた。
当時と今との大きな違いは、通販サイトの開設よりも有意義で影響力が大きなことのために、組織がテクノロジーを使っている点にある。現在はあらゆる企業が、例えばプロセスの自動化や改善されたデータの収集と利用のためにテクノロジーを活用し、業務が行われるエッジ部分にテクノロジーを導入して、設備投資を削減している。その結果、IT系の人材獲得競争が激化し、私たち全てに影響が及んでいる。
われわれの現状と、今後2~5年の在り方を考えたときに求められるITスキルを以下に挙げる。
注目のITスキル1:ソフトウェアエンジニア
エンタープライズシステムに関しては、構築に対して購入への肩入れが強まっているが、それでも顧客や競争上の必要性から、われわれは今後もソフトウェア開発を続ける必要に迫られるだろう。恐らく大量のソフトウェアではないかもしれないが、ある程度の有能なエンジニアは必要とされる。だがそうした人材は不足している。この需要を満たすため、教育機関やIT人材育成業界はできるだけのことをやっている(コードキャンプ、学位につながる認定証、オンライン研修プログラムなど)。だが当分の間、少なくとも誰かが質の高いコードを書くロボットを開発するまでの間は、需要が供給を上回る状況が続くだろう。
優秀なソフトウェアエンジニアを引き付け、つなぎとめるためにできることは何か。2つのことが鍵を握る。まず第1に、面白い仕事であること。第2に、現代の開発ツールや手法、フレームワーク(レポジトリのような)を使わせること。ソフトウェアエンジニアは、持続的な開発やマイクロサービスアーキテクチャといった話ができると信頼される。
注目のITスキル2:データサイエンティスト、アナリスト
これに関して私には複雑な思いがある。われわれ全てが生成し、収集する膨大な量のデータを分析しなければならないことは認めるが、データサイエンスに関連する誇大な騒ぎは気に入らない。大学を卒業したばかりの新人でありながら、自分のスキルは極めて貴重なので、ソフトウェアエンジニアの管理職に匹敵するような給与をもらって当然と信じる相手と話をしたこともある。だが、複雑なデータ分析に求められる難解な手法を駆使してデータの検証や実証、モデリングを行う能力は、見つけるのが難しい。私はこの点で妥協して、私たちと共に成長してくれる真面目な人材を探すことにした。共に成長できるデータサイエンティストを探しながら、われわれは同時に、(ITだけでなく)どんな分野であれ、何らかの統計分析とモデリングの経験がある人材にも目を向けた。社内にデータサイエンスの教育研修制度を設ければ、人材の幅は広がる。われわれもそれを検討中だ。
注目のITスキル3:クラウドオーケストレーションエンジニア
DevOpsエンジニアもこの区分に分類する。クラウドサービスの選択肢は数多い。クラウドコンテナのような技術革新は加速している。同時に、オンプレミスのワークロードはまだたくさんある。私の描く理想的なクラウドオーケストレーションエンジニアとは、大部分の組織にとっての仮想化を、今存在している地点から約3段階先に進められる人材だ。クラウドオーケストレーションエンジニアには、技術的センスとビジネスセンスを併せ持つ人材が求められる。そうでなければ、どのワークロードがどこに属しているのか、また、どのスポットや契約したクラウドサービスが最も適しているのか、そして現時点でそれが最も適しているのかを、どうやって判断できるのか。
注目のITスキル4:モバイルアプリケーションエンジニア
これにも注釈が必要だ。アプリ開発を学んだ人や、できる人はいくらでもいる。問題は、エンタープライズアプリ開発のできる人がそのうち何人いるかということだ。エンタープライズアプリには、ルールと役割とパーミッションが求められ、バックエンドのトランザクションシステムと連携しなければならず、セキュリティとプライバシーの条件を満たす必要がある。私の経験では、そうしたエンタープライズアプリ開発のスキルを見つけるのは難しい。
注目のITスキル5:ユーザーエクスペリエンスエンジニア
現在、われわれの技術の品質は、ユーザーがその技術を使っているときのユーザーエクスペリエンスによって判断される。トランザクションがどれほど効果的あるいは効率的でも、ルック&フィールが古めかしかったり、ナビゲーションが優雅さを欠いたり分かりにくかったりすれば、その技術は失望を招く。私は以前に、ユーザーインタフェース(UI)デザインとユーザーエクスペリエンス(UX)デザインには違いがあることを学んだ。UIデザインではカラーやイメージに重点を置く。UXは使いやすさやナビゲーションの分かりやすさ、必要とする情報へのアクセスしやすさが中心だ。そして本当に優秀なUXエンジニアの方が、本当に優秀なUIデザイナーよりも希少性が高い。そうした希少性を念頭に、われわれは教育、研修、メンター制度を通じて社内でUXエンジニアを育成することにした。
以上、現時点で、そして恐らくは未来でも重要なIT職について、私の見解を記した。その未来とは、ペースの速いテクノロジーの変化によって、私の見解が無効になるまでの期間をさす。だが変化はすぐにも訪れるかもしれない。
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