給料が高い上位5つのうち2つがクラウド関連職
AWSやMicrosoftに転職できる技術者の特徴 「クラウドで手に職を」
クラウドコンピューティング市場は、ITプロフェッショナル、特にオープンソースやPaaSの専門家にとって、チャンスに満ちあふれている。
変化はIT産業の常だが、今その変化の大きな部分を占めているのが、クラウドコンピューティングだ。クラウドが企業において確実に地歩を固めるとともに、ITプロフェッショナルには新しいチャンスがもたらされつつある。
「企業は、技術に投資することで新規ビジネスのチャンスをつかんだり、生産性向上が可能になったりすることを理解している」と語るのは、人事・人材コンサルティング会社、米Robert Half Technologyの上級エグゼクティブディレクター、ジョン・リード氏である。
今日、クラウドにはさまざまなキャリアパスがあるが、今最もホットで、かつ大きな可能性を秘めているものは「Platform as a Service(PaaS)」「OpenStack」、そしてベンダー固有のサービス群だ。主なものとして、米Clouderaや米Amazon Web Services(AWS)のサービス、米Microsoftの「Microsoft Azure」などがある。
平均年収ランキング第1位はPaaS専門職
拡大するクラウドの影響力を裏付けるように、IT職の転職情報サイト米Dice.comの2015年度調査で、給料が高かった上位5つのIT職の2つまでがクラウド関連だった。そのうちの1つがPaaS専門職で、平均年収はランキング第1位の13万81ドルだ。この転職サイトでは、PaaS専門職を対象とする400件以上の求人情報を掲載している。雇用主側は特に、新しいクラウドアプリケーションの構築や設計、開発ができ、性能向上を支援できるPaaSソリューションアーキテクトを探し求めている。
次に人気のあるクラウド関連の職種はClouderaの専門職で、平均年収12万8816ドルはランキング第4位。Dice.comでは、Hadoopベースのビッグデータプラットフォームを提供するClouderaの求人情報を290件、掲載している。
求められるオープンソース、AWS、Azureのエキスパートたち
PaaSとClouderaの専門職に加え、オープンソースクラウド技術、特にOpenStackの知識を持ったITプロフェッショナルに対する需要も高い。情報サービスの米Bloombergや証券会社の米Fidelity Brokerage Services、エンターテインメント会社の米The Walt Disney Company、小売り大手の米Wal-Martなど、500社以上の企業がクラウドアプリケーションを構築するためにOpenStackを利用している。
転職情報サイトの米Indeed.comは、現在3400件以上のOpenStack関連の求人情報を掲載している。その中には米Red Hatや米RackspaceなどのITベンダーも含まれ、推定される給与は7万ドルから15万ドル以上だ。雇用主側が求めているのは、既存のデータセンター管理インフラやトラブルシューティングシステム、デプロイ自動化、オーケストレーションワークフローとのギャップを分析できるOpenStackスキルだ。
また、特定のクラウド事業者の技術に詳しいITプロフェッショナルを対象とする求人も数多くある。
「ベンダー固有のクラウドソリューションもますます人気が高まり、IT転職市場の変化を加速している」とリード氏は語る。
Dice.comによると、AWS関連のIT職は群を抜いて多く、Amazonを含む2200件以上の求人情報があるという。役割としては、AWSソリューションアーキテクトで、Fortune 100社レベルの上級職やエグゼクティブと一緒に仕事ができ、顧客のビジネスニーズを正しい技術に結び付けることができる人材が求められている。
Microsoftもクラウドベンダー大手であり、同社のAzureクラウドプラットフォームは順調に業績を伸ばしている。Dice.comは、Azureクラウドソリューションアーキテクトを含む845件のAzure関連の求人情報を掲載しており、募集要項では次のようなスキルが要求されている。
- Microsoft Azureの実務経験があり、Azureの機能と制限に深い知識がある
- 仮想化技術、Infrastructure as a Service(IaaS)、PaaSおよびSoftware as a Service(SaaS)のクラウドデリバリーモデルに関して完璧な知識がある
- 現在の市場競合について十分な知識を持っている
AWSやMicrosoftと同様、米Salesforce.comのクラウドベースの顧客関係管理(CRM)アプリケーションに関する知識を持ったITプロフェッショナルについても大きな需要がある。Indeed.comでは、管理者を含むSalesforce.com、あるいは関連企業の求人情報1万7000件を掲載している。それらのIT職に求められるスキルは、ビジネスプロセスを最適化し、強化するためのビジュアルレイアウト、ワークフロールール、ビジネスロジックの保守および拡張に関する能力だ。
企業はクラウドコンピューティングを取り込もうと必死になっているが、必要とされる専門知識は不足している。そして、企業が経験豊かなスタッフを獲得しようと先を争う中、クラウドの知識を持ったITプロフェッショナルに対する需要と報酬は、今後ますます高くなっていくだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー