Androidでは深刻な影響
「無線LANはもう安全に使えない」は誤解? WPA2脆弱性「KRACK」を正しく恐れる(2/2 ページ)
パッチ公開だけでは解決できない
KRACKを悪用したデータ傍受のリスクは、トラフィックをHTTPS経由で送信することで緩和できると指摘する専門家もいる。もっとも大半の専門家は「パッチの適用が最良の対策」との考えであり、バンホフ氏とピエッセンス氏の両氏が今回、主要メーカーにパッチを作成するための時間的猶予を与えた上で「責任ある公開」を果たしたことを高く評価している。
パッチが提供されるとしても、KRACKにはもう1つの問題があると専門家は指摘する。それは影響が広範囲に及ぶことだ。例えばAndroidでは現在、特にKRACKの影響を受けやすいのはバージョン6.0以上である。Googleの統計によると、これに該当するAndroidデバイスは今のところ全体の約半数だという。だが今後Androidを最新版に更新するデバイスが増え、新しいスマートフォンを購入するユーザーが増えるにつれ、この割合は増加することが見込まれる。
AppleはiOSの最新のβ版で、WPA2の脆弱性を修正済みだと説明している。ボーモント氏によれば、各種Linuxディストリビューション向けには既にパッチが公開されているが、問題はAndroidだという。Androidのセキュリティパッチは、公開されても適用されないままの場合が少なくないからだ。
セキュリティ企業ibossの共同創業者でCEOのポール・マルティーニ氏によれば、この脆弱性を悪用した攻撃で最も懸念すべきは「無線LANに接続する全てのデバイスに影響が及ぶこと」だという。
「セキュリティ部門がいくら、クライアントデバイスやネットワークのセキュリティ確保に力を尽くしても、今回の脆弱性のようにデータをリスクにさらすトラブルは常に発生し得る。今回の件はそのことをあらためて思い出させてくれた」とマルティーニ氏は語る。KRACKの脆弱性は、モバイルワーカーやリモートワーカーが無線LAN経由でネットワークへ接続することが多い分散型の企業にとっては、特に懸念すべき問題だ。セキュアな無線LANであっても、今は危険にさらされた状態にある。「情報漏えいを防止するには、Webゲートウェイレベルでの追加の対策が必要だ」とマルティーニ氏は指摘する。
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