パブリッククラウドの真のコストに注意
パブリック対プライベートのクラウド費用比較で勝ち組企業が見えてきた(2/2 ページ)
パブリッククラウドの真のコストとは
パブリッククラウドとプライベートクラウドのコスト比較は、ほとんどの企業が取り組んでいると、米国のシステムインテグレーター、PresidioのCTO(最高技術責任者)ヴィヌ・トーマス氏は話す。
ただその場合、プライベートクラウドとパブリッククラウドを運用するために必要なコストの範囲を完全に把握しているわけではない企業が大半だという。しかしコストを考える上で重要なのはITインフラやアプリケーションだけでなく、業務プロセスや人員配置も同様だ。
「パブリッククラウドの真のコストを認識していない顧客が多いため、AWSやAzureでどれくらいの費用がかかるかの見積もりを顧客に示すと、驚かれることがよくある」とトーマス氏は指摘する。
ネットワーク帯域幅などの隠された料金を見過ごす一方で、インスタンスの時間当たりの利用料など、コスト全体への影響が比較的小さい料金ばかりに注目するクラウドユーザーが多い。企業は時折コスト分析を実行するが、それはあくまでセキュリティ、ガバナンス、コンプライアンス、業績、社外との依存関係などの要件を満たしていることを確認してからの話だ。加えて、オンプレミスアプリケーションの中には非効率的なものがあり、それをパブリッククラウドで稼働させると、費用が現状よりさらにかさむ場合もある。
せっかくなら本当に気に入るものを選びたい
「企業が常にコスト削減を最優先で考えるとは限らない。アプリケーションについて、まずセキュリティ、相互依存性、パフォーマンスの問題が解消されていない限り、コスト削減の話はできない」とトーマス氏は話す。
実際に「自社は他社に比べてコストの優先度は低い」と考える顧客は少なくない。451 Researchの調査回答者のうち、「パブリッククラウドではなくプライベートクラウドを使用するためなら、料金が10%増しでも構わない」との回答は、4分の1近くに達していた。
「コーヒーを買うとしよう。本当に気に入っているものとそうでもないものを比べる場面で、その価格差が10%だったなら、私なら普通、進んで高い方を選ぶ」と、451 Researchのロジャース氏は説明する。
クラウドのコスト比較はさておき、そもそもプライベートクラウドでは、データセンターの空スペース管理からハードウェアの評価と購入まで、より多くの労力を必要とする。企業がデータをより詳細に管理したい場合や、コンプライアンス要件を満たす必要に迫られている場合は、費用の上乗せがどうしてもできないというのでなければ、プライベートクラウドを構築する価値があるかもしれない。
クラウド選択基準も新しいものになる
この調査結果は、パブリック対プライベートの、クラウドのコスト比較の議論というパズルの中で見つかった、新たなピースだ。今回の調査では、前回2016年の調査結果を塗り替えた点が、上記以外にも幾つかある。その中でもパブリッククラウドよりもコストを抑えてプライベートクラウドを運用するには、プライベートクラウドはどれほど効果的でなければならないかという点に、特に着目している。
パブリッククラウドの価格は引き続き下落する可能性があるが、企業内データセンターに構築されるプライベートクラウドは、プランニングと自動化の性能が向上しているだけでなく、アナリティクスや人工知能(AI)といった高度な機能も実装されつつあると同氏は指摘する。
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