事例で分かる、中堅・中小企業のセキュリティ対策【第13回】
“使い回し”だけが問題じゃない、危険なパスワードだらけの社内をどう守る?(2/2 ページ)
ID、パスワードを盗まれないようにするには
基本的なセキュリティ対策
クラウドサービスのIDやパスワードの漏えいを招かないために、基本的なセキュリティ対策はしっかりと施しましょう。漏えいにつながるサイバー攻撃やマルウェア感染を防ぐためには、具体的には下記の対策が役立ちます。
- ウイルス対策ソフトの最新化
- 「Windows Update」の実施
- Webブラウザの最新化
- 「Java」の最新化
- 「Adobe Flash Player」の停止
- 「Adobe Acrobat Reader DC」の最新化
- UTMの導入
パスワードそのものを保護する主要な手段としては「パスワード管理ツール」「シングルサインオン」があります。
パスワード管理ツール
パスワードの漏えいは、甚大な情報被害の入り口になってしまいます。クラウドサービスを当たり前のように活用する時代では、パスワード管理が極めて重要な対策になります。
対策における有効な手段の1つは「パスワード管理ツールを利用する」ことです。パスワード管理ツールとは、PCにインストールしたソフトウェアにクラウドサービスなどのIDとパスワードを記憶させることで、ログイン時にいちいちIDとパスワードの入力を促さないようにする仕組みです。
パスワード管理ツールに登録する1種類のパスワード(マスターパスワード)を覚えておくだけで、その他複数にまたがるクラウドサービスのパスワードを覚えておく必要がなく、利便性が増します。パスワード管理ツール経由でクラウドサービスにアクセスすることで、クラウドサービスごとにそれぞれ異なり、かつ複雑なパスワードを自動的に設定してくれます。これで、パスワードの使い回しによる情報漏えい問題が解消できます。パスワード管理ツールに登録しIDとパスワードは自動的に暗号化されるため、万が一PCが乗っ取られたとしても、パスワードが外部に漏えいするリスクも抑えることができます。
注意すべき点は、パスワード管理ツールに登録させるマスターパスワードを忘れてはいけない、ということです。これを忘れてしまっては元も子もありませんが、1種類のみであれば、多少複雑であったとしても何とか覚えておけるものです。
シングルサインオン
シングルサインオン(SSO)を利用することも有効な手段です。SSOとは、1回ログイン操作(IDとパスワード入力)をすることで、事前に許可設定をしたシステムにアクセスできるようにする仕組みのことです。
例えば、社内のログイン認証機能としてActive Directoryを利用しているとしましょう。PCにログインする(Active Directoryから認証を受ける)だけで、自動的に会社として利用を許可しているクラウドサービスにもログインできるようになるため、いちいちパスワードを入力したり、覚えたりする手間が省けます。
クラウドサービスのみに特化したSSOサービスもあります。初めに、WebブラウザでIDとパスワードを入力し、認証許可を取った後に、社内で利用を許可しているクラウドサービスにアクセスできるようになります。
クラウドサービスの社内利用時は、上記のようなサービスは必須といえるでしょう。情報漏えい問題による被害を未然に防ぐためにも、ぜひ検討をお勧めします。
まとめ:セキュリティ担当者は、こんなふうに上司を説得しよう
- 企業におけるクラウドサービスの利用は拡大を続けている。働き方改革の推進も相まって、クラウド利用は重要な選択肢の1つ。
- クラウドサービスの利用時は「IDとパスワード」の漏えいが情報漏えいの入り口になってしまう可能性があるため、細心の注意を払う必要がある。
- IDとパスワードを安全に管理する方法として「パスワード管理ツール」や「シングルサインオン」の利用が効果的。エンドユーザーの手間を削減しつつ、パスワードなどの情報漏えい対策に効果を発揮する。
那須慎二(なす・しんじ)
大手情報機器メーカーを経て船井総合研究所に入社。ネットワークセキュリティの安全対策と解決策に詳しい。「日本一分かりやすいセキュリティ」をモットーに、中小企業を対象にしたサイバーセキュリティ問題や、対策に関する啓発活動を実施。実際に、全国の地域各社で年間100回以上開催する講演は「今まで聞いた中で一番分かりやすい!」と好評を得ている。著書「小さな会社のIT担当者のためのセキュリティの常識」(ソシム)がある。
参考リンク
「小さな会社のIT担当者のためのセキュリティの常識」(Amazon.co.jp)
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事例で分かる、中堅・中小企業のセキュリティ対策
情報セキュリティ対策をしたくても、ITに詳しい人が社内外にいなくて困っている中堅・中小企業は多いのではないでしょうか。「知識不足」と「ヒト、モノ、カネ不足」の問題が目の前にあっても、対策は待ったなしの状況。予算を握る上司を説得するために、サイバー攻撃の事例を紹介しながら、その効果的な対策につながる情報セキュリティ製品を分かりやすく解説します。
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