システム統合が最大の課題
「コンパニオンアプリ」はモバイルワークの切り札になるか、導入時の注意点
外出先から社内業務システムへのアクセスをもっと便利にしたいと考えている組織は、コンパニオンアプリの導入を検討してみてはどうだろうか。モバイルと既存のデスクトップインフラを統合できるかもしれない。
デスクトップPCは、モバイル端末よりも適切に企業データの作成と管理に関わる複雑な処理をするが、居場所に依存せずに作業が実行できる、というモバイル端末が持つ柔軟性は提供しない。コンパニオンアプリは、この2つの世界を結ぶ懸け橋になるが、同時に、デスクトップアプリ管理はより複雑になる。
コンパニオンアプリは、全体のワークフローを改善するために、デスクトップアプリと連携して用いるモバイルアプリであり、デスクトップアプリがサポートするインフラを利用する。ユーザーは、モバイル端末からコンパニオンアプリを使用して個別の仕事をこなし、その後デスクトップPCを使用してより複雑な操作を実行する。コンパニオンアプリは、デスクトップアプリを置き換えるのではなく、その機能をモバイル端末に拡張し、ユーザーの居場所に関係なく業務を遂行できるようにする。
コンパニオンアプリは、デスクトップアプリと密接に結びついている点を除けば、他のLOB(基幹業務)モバイルアプリとさほど変わらない。デスクトップアプリは、企業データやエンタープライズシステムにアクセスする主なインタフェースとして引き続き機能する。
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コンパニオンアプリを使う理由
コンパニオンアプリは、全てのワークフロータスクを実行するようには設計されておらず、あくまでもワークフロー全体をサポートする1つの要素だ。IT部門は、顧客行動分析などの複雑なタスクを実行するためのデスクトップアプリを含むCRM(顧客関係管理)ツールを導入するかもしれない。その場合、デスクトップPCがそれらのデスクトップアプリをサポートしていることと、それらのアプリがCRMバックエンドシステムと連動することを確認する必要がある。
IT部門は、2種類のコンパニオンアプリを導入できる。1つは、セールス担当者が現場で顧客情報にアクセスできるようにするもの、もう1つは顧客構成層の集計データなどリアルタイムなビジネスインテリジェンスを会社の幹部に提供するものである。IT部門は、コンパニオンアプリがインフラストラクチャに適切に統合され、デスクトップアプリの機能を妨げたり、データを危険にさらしたりすることなく、デスクトップアプリを増強するよう保証する必要がある。
コンパニオンアプリの導入
コンパニオンアプリを構築するデベロッパーは、アプリの目的を常に念頭に置き、エンドユーザーエクスペリエンスに留意する必要がある。インタフェースは理解しやすく、使いやすさと効率性の絶妙なバランスが取れている必要がある。デベロッパーは、不必要な機能でアプリケーションに負荷を掛け過ぎることなく、タッチスクリーンなどのモバイル端末固有の機能を利用する必要がある。
デベロッパーがコンパニオンアプリの導入を予定する場合、アプリケーションを実行するOSと、ネイティブ、Webまたはハイブリッドのどのタイプのアプリケーションを作成するのかを検討する必要がある。ネイティブアプリは端末に内蔵された機能を利用し、Webアプリは作成が簡単であり、ハイブリッドアプリはこの2つを組み合わせたものだ。ユーザーが何を求めているのか、アプリケーションの目的は何か、によって結論を導くことになる。
さらに、IT部門は、どのようにコンパニオンアプリを管理するのかも考慮する必要がある。IT部門が既にモバイルアプリケーション管理やモバイル端末管理を導入している場合は、これらのツールの1つにコンパニオンアプリを統合したいと考えるであろう。そのようなソフトウェアを導入していない場合は、アプリの管理要件を考慮して、アプリの導入、保守、分析などの問題に対処するだけでなく、既存のデスクトップ管理戦略にプロセスを統合する方法も考慮する必要がある。
アプリケーションインフラストラクチャ
システム統合は、恐らく、コンパニオンアプリを導入する際にIT部門が直面する最大の課題である。デスクトップとそのアプリケーションは、アイデンティティーとデータ管理、認証、セキュリティなどのサービスを提供するために、大規模なバックエンドシステムに依存している。コンパニオンアプリは、ネットワークリソースにアクセスしたり、ワークフロー関連のタスクを実行したりする際に、これらバックエンドサービスとシームレスに統合する必要がある。
バックエンドシステムは、容易な統合をサポートするオープンな標準と文書化されたAPIに基づいていることが理想だ。そうでない場合、IT部門は、コンパニオンアプリと既存のバックエンドプラットフォームとの間の仲介役として機能するミドルウェアを導入する必要がある。さもなければ、IT部門は統合を容易にするための別の方法を考え出す必要がある。これには費用がかさみ、多くの時間を費やしてしまう可能性がある。
IT部門にとって最も重要な課題の1つは、バックエンドサービスに接続されていなくてもユーザーがアプリケーションを使い続けられるようにするために、どのようにオフライン操作をサポートするか、ということだ。ユーザーはオフラインの状態でも、全ての重要なタスクを実行し、再接続するときに、デバイスを同期させる必要がある。IT部門は、データを同期させ、データの競合を解決するためのメカニズムを導入する必要がある。
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