業務における機械学習の割合が重要
「クラウドで機械学習」の落とし穴 AWS、Azure、GCPをどう使う?(1/2 ページ)
クラウドに機械学習の仕組みを実装することへの関心は高まっているが、この最先端のソフトウェアは、どの企業にとっても魅力的であるとは限らない
クラウドを使ったシステム基盤は数々の成功を収めつつあるが、ユーザーは次なるターゲットとして、アプリケーションやサービス向け機械学習の導入に使えるのではないかと注目されている。複雑で統一性に乏しいオープンソースのツールに代わる選択肢を求めているからだ。ただし、そうしたツールの評価には注意が必要だと警告するユーザーもいる。
「ビッグデータをパブリッククラウドに移すという、世の中の大きな方向転換が起こりつつある」と調査会社Forrester Researchのアナリスト、ブライアン・ホプキンス氏は話す。「初期のHadoopに飛びついた企業は今、Hadoopからより良いソフトウェア、例えばApache Sparkへの転換を検討している。バージョンアップが頻繁に発生するApache Sparkで複数のバージョンをバラバラに管理できないかといったことが課題になっている」
オープンソースのツールは今なお、ビッグデータや高度なアナリティクスの先駆け的な存在だ。だがそれらは立ち上げるのが難しく簡単に使い始められない。オープンソースのデータ管理とアナリティクスのツールからアナリティクスのインフラをまとめ上げる作業は、データ管理を担当する部署にとっても課題となる。この状況は、クラウドで機械学習を検討する大企業が増えつつあることに関連している。クラウドでは一般的に、管理は自社で行うのではなくベンダーに任せることになるためだ。
クラウドのビッグデータ基盤は、存在感を増してきている。Forrester Researchはビッグデータの実装について、クラウドでの展開がオンプレミスのそれを上回るペースで増加し、今後5年間で7.5倍になると予測している。そこでビッグデータのソフトウェアメーカー各社は一部のオープンソースユーザーに対して、データの取得、保存、機械学習モデルの構築、アプリケーションの展開などあらゆる操作が可能で操作も簡略化されたツールを提供し、アプローチを試みている。
クラウドでの機械学習の魅力
AgroToolsはブラジルを本拠地として、サプライチェーン(物流管理)の改善に取り組んでいる企業で、ブラジルの農業の生産性を追跡し、農家、スーパーマーケット、融資担当者などの顧客にレポートを送付している。そのレポートを作成する際、同社は、衛星写真のような独自に取得した情報に加えて、企業が公開しているファイル、政府機関が発行するレポートなど、公開されている情報からもデータを収集する。
Google Cloud Platform(GCP)のデータベースに配置されているAgroToolsのデータは全て、構造化と分析が済んでいる。1年前、同社がデータを追跡していた農場の数は30万カ所だった。現在、その数は100万を超えている。その間に収集したデータ量は著しく増加したが、GCPがスケールアップ(データ基盤の拡張)を支援してくれたと、同社のCEO(最高経営責任者)フェルディナンド・マーティンズ氏は話す。
「当社のような中堅企業では大抵、自力だけでこのようなスケールアップを実現するのは困難だ。クラウドなら拡張性はほぼ無限だ」と同氏は説明する。
拡張性と実際のインフラ保守はベンダーが担当する、ということはクラウドのビッグデータ基盤最大のセールスポイントだ。
「ビッグデータプロジェクトの実態を見ると、大半の企業は多少なりとも失望している。システム保守だけのために、ほとんどの時間と費用を費やしているからだ。そうした企業は、システム保守を主とする事業から抜け出すことを望んでいる」と、GCPの製品管理担当ディレクター、グレッグ・ドミシェル氏は話す。
クリックストリーム(Webのページ遷移)やソーシャルメディアからのデータなど、データソースの多様性を分析する計画を立てる企業が増えている現在、この見解は最近いよいよ真実味を増している。画像認識に関する深層学習(ディープラーニング)アルゴリズムの進歩により、オンラインの画像や動画を分析することについて、大企業にも扉が開かれた。こうした要因の全てが、大規模なデータストアの爆発につながり、その管理が企業にとっての中心的課題となってきた。
「データは急速に増加しており、社内のデータセンターにはもはや保存しきれない。クラウド上に展開しない限り無理だ」と、データ基盤ベンダーGoodDataのCEO(最高経営責任者)、ロマン・スタネク氏は語る。
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