大手UCベンダーは、オンプレミス向けサービスを終了?
通話もファイル共有もチームチャットに統合 2018年コラボツール動向を予測する
2018年は、チームコラボレーションツールが主要なユーザーインタフェースとなることに注目だ。また、あるUCベンダーがオンプレミス環境でのサービス提供を終了する可能性がある。
筆者は毎年、年末に最も重要なUC(ユニファイドコミュニケーション)とコラボレーションの動向を予測することを楽しみにしている。2017年初頭に予測した動向を振り返ってみると、筆者は企業による単独ベンダー1社への統合、クラウド導入の加速、イマーシブ(没入型)コラボレーションシステムによる会議スペースの刷新を挙げた。
上記を念頭に置いて、2018年がどんな年になるのか、コミュニケーションとコラボレーションの水晶玉を2018年ものぞきこんでみよう。
1.チームコラボレーションが当たり前になる
筆者は2017年、チームチャットがUCクライアントを置き換えると予測した。実際にRingCentralやStarLeafなどのUCベンダーはチームコラボレーションを軸として自社のUCクライアントを配置した。Microsoftも同様に「Microsoft Office 365」に含まれる「Skype for Business」の「Microsoft Teams」への移行を進めていると発表した。
チームコラボレーションは、社内外の個人やグループとやりとりをするための「単なる別のアプリケーション」から主要なユーザーインタフェースへと移行しつつある。これらの製品は、テキスト、音声、ビデオをサポートし、関連するファイル、タスク、プロジェクト計画にアクセスし共有する場所を提供する。筆者は2018年以降、この移行はさらに加速すると予測する。
2.主要なUCベンダーは、オンプレミス環境でのサービス提供を終了する
私たちはクラウドファーストの世界に移行した。まずクラウドに新機能が導入され、その後、オンプレミスユーザーがまだ存在すれば、オンプレミスユーザー向けにその機能が導入される。UCaaS(UC as a Service)プロバイダーがマイクロサービスやアジャイル型アプリケーション開発の手法を適用することで、新機能を提供するスピードを数日、数時間、さらには数分にまで短縮している。
オンプレミスユーザーは、更新作業が煩わしいと感じれば、環境を最新状態に保つことができなくなる。さらにオンプレミス環境を維持するためのコストは、クラウド環境の維持コストを大幅に上回ることもある。つまり、UCプロバイダーは、オンプレミスの顧客がクラウドへ乗り換えるのを正当化する強力な理由を持っている。
筆者は、大手UCベンダーの少なくとも1社がオンプレミスユーザー向けの機能更新の終了を発表すると予測する。そのベンダーはバグとセキュリティ脆弱性を修正するためのメンテナンスリリースを提供するだけで、実質的にはオンプレミス環境用製品の販売終了を意味することとなるだろう。
3.主要UCベンダー各社がAIおよび音声アシスタントを提供する
2017年は、コミュニケーションとコラボレーションを改善するために人工知能(AI)を活用しようという過度の期待感があったが、実用的な製品はまだほんのわずかしか登場していない。筆者はCisco SystemsやMicrosoftなどのベンダーがAI投資を活用し、UCプラットフォームに実用的な機能を搭載するだろうと予測している。そして恐らく、個別に提供するのではなく、機能拡張を介して提供すると見ている。というのも、今までのところAI機能の拡張に対して余分な費用を負担するという姿勢が、企業側にまだ見られないからだ。
また、最近のAmazonやCiscoからの相次ぐ発表を基に判断すると、2018年の早い時期に音声アシスタントによるインタフェースが登場しそうだ。これは、ボタンを押す操作やアプリを起動する操作など、会議を開始する際に行う操作を置き換えることになる。恐らく2018年末までには、電話会議に参加するためのPIN入力作業は、黒電話で番号を「ダイヤル」するのと同じくらいに時代遅れの操作となるだろう。
4.UCにおけるセキュリティ上の懸念に関心が高まる
Nemertes Researchの調査によれば、UCのセキュリティに関して、最高情報セキュリティ責任者(CISO)たちは、ほんのわずかな懸念しか持っていないことが明らかになった。しかし2017年、この状況は変化し始めた。CISOたちは、データ損失、中間者攻撃、サービス拒否攻撃や企業向けコミュニケーションを標的とするその他の潜在的な脅威をより深く認識するようになった。組み込み型の通信機能、ソフトフォンやWebRTCによって企業向けコミュニケーションとコラボレーションが事実上どこにでも可能となったことにより、セキュリティに関する懸念の高まりが特に顕著になっている。
結果として、組織がこれらの脅威を未然に阻止する積極的なアプローチをとるにつれて、筆者はセッションボーダーコントローラー、UC対応ファイアウォール、AIによる脅威検出のための挙動分析といったUCセキュリティ対策への関心が引き続き高まっていくことを予測する。
5.アプリ統合上の課題が増える
UCは、スタンドアロンのコミュニケーションとコラボレーションアプリからプラットフォームへと急速に進化している。そのプラットフォームは、ビジネスプロセス用アプリに組み込んだり、ワークフローと統合してアプリがチームのワークスペースにデータをプッシュできるようにしたりする拡張可能な機能を提供する。コラボレーションアプリの数が増えるにつれて、複数のチームコラボレーションアプリを使用している多くの企業では、これらのアプリを統合する際の課題が増える。
CiscoとMicrosoftの製品が混在した環境を利用している企業からの懸念が筆者の耳に入ってきている。これらの企業は、OfficeアプリのSparkへの統合やCiscoの音声とビデオプラットフォームのMicrosoft Teamsへの統合をどのように実現すればよいのかを模索している。
筆者は、異なるコラボレーションアプリの同期を可能とする8x8社のSameroomのようなアプリの需要が伸びることに加え、チームコラボレーションのアプリ統合にますます重点が置かれると予測する。
2017年、UCはクラウド環境への移行が進む中、チームコラボレーションへと変化し、そしてアプリケーションの統合とカスタマイズのためのプラットフォームを提供した。筆者が予測する2018年の動向は、ある程度はこの傾向の延長線上にあることを想定している。これらの動向は、幾つかの課題を明らかにし、音声制御とAIが企業向けコラボレーションの中心的な要素となるという短期的な将来を予測しているのだ。
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