各ベンダーは処理負荷を軽減する施策を実装
フラッシュメモリの寿命を縮める「P/Eサイクル」増加問題 対処法はあるのか?(2/2 ページ)
P/Eサイクルの調整
ライトアンプリフィケーションなどの要因がNAND型フラッシュメモリの耐久性に影響を与え、寿命を短くすることは、ベンダーも十分に認識している。その理由から、各社ともさまざまな技術を組み込んで、そうした問題の緩和と長寿命化を図っている。
そうした技術の1つである「ウェアレベリング」は、メモリコントローラーを利用し、P/EサイクルをNAND型フラッシュメモリ全体に均等に分散させる。ウェアレベリングでは、特定のメモリセルに読み書き負荷が偏ることを防止する。負荷が集中したメモリセルは、他のメモリセルと比べて大幅に劣化する。その他のメモリセルがそれほど使われていなくても、NAND型フラッシュメモリの寿命が縮む原因となる。ウェアレベリングは複雑なアルゴリズムを使って、バックグラウンドで継続的にブロックへのデータ消去と再書き込みをしながら、過剰なライトアンプリフィケーションを最低限に抑えようとする。単純な負荷分散と比べて優れた技術だ。
NAND型フラッシュメモリに使われるもう1つの技術である「ガベージコレクション」は、ブロックを解放して書き込みのパフォーマンスを向上させることを目的に、バックグラウンドでデータの移動や消去をする。
残念ながら、ガベージコレクションはライトアンプリフィケーションを増大させることもある。ガベージコレクションの実装方法はベンダーによってまちまちだが、いずれもパフォーマンスとライトアンプリフィケーションの間で適切なバランスを保とうとしている。そのためには、高度なアルゴリズムやウェアレベリングとの入念な連携が求められる。
ウェアレベリングやガベージコレクションを容易にするため、NAND型フラッシュメモリは、バックグラウンドプロセスのための「オーバープロビジョニング領域」を含む。オーバープロビジョニング領域は、処理の高速化を目的とした空き領域だ。例えばウェアレベリングではP/Eサイクルの負荷バランスを調整する際に、ガベージコレクションではデータの移動をする際に、この領域を利用できる。適切なサイズのオーバープロビジョニング領域がなければ、ライトアンプリフィケーションが増え続け、NAND型フラッシュメモリ、ひいてはフラッシュドライブがデータでいっぱいになってパフォーマンスが低下する。
NAND型フラッシュメモリの耐久性
フラッシュドライブはNAND型フラッシュメモリの寿命を延ばすために、他の技術も使っている。例えばフラッシュドライブによっては「不良ブロックマッピング」技術を使って、不良メモリセルを含むブロックから正常なブロックへのデータ移動を可能にしている。データ圧縮アルゴリズムを使って、書き込みの動作数を減らす一助としているフラッシュドライブもある。
ベンダー各社は、P/Eサイクルを最低限に抑えてNAND型フラッシュメモリの寿命を最大限まで高めることを目標に、それぞれ異なる方法でフラッシュドライブの技術を実装している。パフォーマンスや密度を向上させる新しい手段を模索しながら、長寿命化を図っている。
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