価格だけでなく、採用技術も考慮が必要
モバイルデバイス管理(MDM)製品比較で役に立つ 確認すべき6つの質問(2/4 ページ)
オンプレミスかクラウドか?
最近では、ITセキュリティアプリケーションの多くはSaaS(Software as a Service)化が進んでいる。MDMも例外ではない。オンプレミスMDMとクラウドMDMのどちらを導入するかを決める前に、モバイル管理やセキュリティ手法のサポートと管理方法について、この2つの違いを理解しておくことが肝要だ。
MDMシステムをオンプレミスで管理(パッチ適用、インフラ構築、環境の稼働時間管理など)をする技術ノウハウ、時間、人手がIT部門にあるだろうか。または、MDMシステムをクラウドで運用すると、オンプレミスで発生する毎日のサポートが不要になるのだろうか。多くの場合、クラウドベースMDMシステムを導入した方が企業の柔軟性は高くなる。製品によっては、トレーニング用のテスト環境を構築したり、設定を検証してから運用環境やクラウドに設定を適用したりできるようになっている。
このようなクラウドベースMDMシステムは、SaaSとして提供される。これを導入すると、物理機器の管理が不要になる上、ネットワークへのアクセスを許可するためにファイアウォールを変更する必要もなくなる。システムのホスト先はベンダーのサーバだが、管理者トレーニング用に個別インストールが可能になっているものが多いので、柔軟に運用できる。こうしたトレーニングバージョンはMDMシステムの品質保証用と考えることができる。このバージョンを使えば、管理者は、実際のユーザーが使っている本番環境に変更を加える前にその変更を試すことができる。
クラウドベースのMDMを利用する場合、企業は完全には制御が及ばない環境に企業データを保存するリスクを見極める必要がある。具体的には、自社ネットワーク外部にデータを配置するリスク、アプリケーションの稼働時間を制御できないリスク、データのセキュリティをサードパーティーに依存するリスクなどだ。一方、クラウドの方がMDM管理に必要なリソースが少ない、MDM機器やソフトウェアへのパッチ適用や保守対応が不要、企業データの保護をサードパーティーに任せられるといったメリットもある。こうしたメリットが先述のリスクや制御性の不足というデメリットを上回ると考える企業もあるだろう。
クラウドベースのMDMを検討する場合は、クラウドプロバイダーのデューデリジェンス(適正評価)を実施して、顧客データがどの程度保護されるかを評価してから、次の意思決定に移るのが望ましい。結局のところ、クラウドに保存されるのは企業データだ。従って、このデータは自社の物理ネットワーク内部に保存するのと同じようにセキュリティを確保しなければならない。さらに、セグメンテーション、脆弱(ぜいじゃく)性管理、プライバシーについても、クラウドプロバイダーが企業の基準に従っていることを確認する。
各ベンダーのクラウドセキュリティを調査する手始めとしては、クラウドのセキュリティに関する調査研究と提言、教育活動を展開する非営利活動法人Cloud Security Allianceが公開しているConsensus Assessments Initiative Questionnaire(CAIQ)を参考にするのがお勧めだ。CAIQは、クラウドの利用者と監査担当者が利用することを想定した質問集で、クラウドプロバイダーのセキュリティ能力の評価に役立つように考案されている。
どのような種類のアプリをMDMに統合できるか?
業務では、従業員が場所を問わず作業できるようにするアプリをモバイルデバイスに取り入れるようになっている。アプリ(CRMアプリ、自社開発のカスタムアプリ、企業が従業員に使用を求めるアプリ)を従業員が実行できるようにする機能は、MDM製品を選択する上での重要な検討事項だ。
企業が検討するMDM製品は、サポートする全てのモバイルアプリについてIT部門が管理、統合し、モバイルアプリにポリシーを適用できるものにすべきだ。例えば、営業チーム全員がアクセスするCRMアプリがある場合、そのアプリをホワイトリスト(安全なアプリのリスト)に追加して、そのホワイトリストをユーザーのモバイルデバイスに適用できなければならない。そうすれば、従業員が使用するデバイスとアプリのバージョンをより細かく制御できるようになる。
一部のMDMベンダーはアプリベンダーと手を組んでおり、特定のMDM製品を組み合わせて使用するとアプリの柔軟性とセキュリティが向上するようにしている。このようなアプリはMDM向けに調整(ラッピング)されており、リスクを低減し、インストールできるアプリバージョンを制限できる。
企業としてはモバイルデバイスにインストールして欲しくないアプリもある。そこで、アプリのインベントリ(管理情報)を作成し、明文化されたポリシーに反してインストールされているアプリがあるかどうかを確認できるようにする。MDMには、企業のモバイルデバイス基盤にインストールされているアプリ全てをレポートする機能が必要だ。また、モバイルデバイスにインストールできるアプリをロックダウン(インストールを禁止)するオプションや、管理者がMDMでホワイトリストを作成して承認済みのアプリしかインストールできないように制限するオプションもあると望ましい。
ここ数年でスマートフォンやタブレットが仕事に不可欠なツールにまで急速に進化した理由は、モバイルアプリにある。ビジネスアプリとMDMの統合によって、モバイルアプリやビジネスツールの導入が促進され、より迅速で、より安全な導入とサポートが実現できる。
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