クラウドでも重要性を増すファイルストレージ
専門家が予測 2018年の話題は「マルチクラウドストレージ」
専門家によると、企業向けクラウドストレージの2018年のトレンドには、マルチクラウドの利用、ハイブリッドクラウドストレージ、ファイルベースのクラウドストレージなどがあるという。
業界の専門家は、マルチクラウドストレージ、クラウドベースのファイルストレージ、ハイブリッドアプローチが2018年のトレンドになるだろうと予見している。
マルチクラウドストレージなど、企業向けクラウドストレージのトレンドについて予測を集めたところ以下のことが分かった。
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Hewlett Packard Enterpriseのストレージおよびビッグデータ担当GM、ミラン・シェッティ氏 マルチクラウドストレージ戦略を導入する顧客が大幅に増加すると見ている。コンテナの成熟とDevOpsの導入により、最新のツールやテクノロジーへの顧客の投資が促されるだろう。
オンプレミスとクラウドの間でアプリケーション(主に仮想マシン)を移行する実績がある製品は幾つもある。だが、データの移行となると全く別の話だ。顧客がデータセンターとパブリッククラウド間でデータをシームレスに移動できるストレージ製品に大きなイノベーションが起きると見込んでいる。
Storage Switzerlandの創業者兼社長、ジョージ・クランプ氏 クラウドの導入が、本領を発揮するようになるだろう。企業は、これまでよりもはるかに容易にクラウドを既存のデータセンターに統合できるようになる。また、複数のクラウド(具体的には「Google Cloud Platform」「Microsoft Azure」「Amazon Web Services(AWS)」)の利用も簡単になるだろう。
データを移行するソフトウェアの成熟が見え始めている。その移行の具体的な対象は、クラウド間、マルチクラウド、高度なファイルシステムなどさまざまだ。
Taneja Groupのシニアアナリスト兼コンサルタント、ジェフ・バーン氏:企業は、1社のクラウドプロバイダーに依存するのではなく、ワークロードを複数のクラウドに分散するケースが増えるだろう。企業はベンダーロックインを避け、データの移植性を高め、可用性とDR(災害復旧)のオプションを強化するため、マルチクラウドアプローチに注目している。特定のユースケースごとに「最適な」クラウドを選択できることからも企業での導入機運が高まっている。
Pure Storageのマーケティングおよび製品管理バイスプレジデント、マット・キズモエラー氏 企業はハイブリッド(パブリッククラウドと自社で運用するクラウドの組み合わせ)からマルチクラウド戦略に移行するようになり、単一のクラウドベンダーロックインを避けるようになるだろう。クラウドのストレージ、人工知能(AI)、分析機能を自社独自に運用することもそうだが、SaaS(Software as a Service)ベンダーとIaaS(Infrastructure as a Service)ベンダーを複数利用することも考えられる。
重要性を増すファイルストレージ
Qumuloの創業者兼CTO、ピーター・ゴッドマン氏 大手クラウドベンダーは高品質で拡張可能なファイルストレージが不可欠だと認識しており、ファイルストレージの構築または買収を始めるだろう。クラウドストレージはオブジェクト形式とブロック形式が一般的で、その2種類しかないともいえる。だが実際、人々は50年近くファイルストレージを使用しており、これを変えるつもりは全くない。
そのため、ハイパフォーマンスコンピューティング、発見と研究、AIと機械学習(ML)などのワークロードに対して実際にクラウドが利用されるようになるには、ファイルをもっと活用できなければならないだろう。そのためにクラウドベンダーは企業の買収などを試みることになるだろう。
Taneja Groupのバーン氏 AWSの「Amazon EFS」、SoftNASやQumuloのサービスなど、クラウド常駐型ファイルストレージサービスの登場により、既存のファイル駆動型のワークロードをパブリッククラウドに移行する企業が増えている。2017年半ばにTaneja Groupがエンタープライズとミッドマーケットの企業に対して実施した調査によれば、約半数の企業がパブリッククラウドアプリケーションにアクセスする主な手段としてファイルを好んでいることが分かった。オブジェクトとブロックはそれぞれ2位と3位を占めたが、その差は大きかったという。
これらの企業の大半が、クラウド間の移植性を実現する最善の方法としてファイルを挙げている。こうした企業は、NFSワークロードとSMB/CIFSワークロードの両方をクラウドで運用することを計画している。そのため、この両方の種類のファイルサービスが必要になるだろう。
ハイブリッドクラウドストレージのトレンド
IDCのリサーチディレクター、リツ・ジョティ氏 2018年、機械学習アルゴリズムを使ってデータの配置場所を最適化するために、ハイブリッドクラウドサービスへの投資が総額30億ドルを超えると見込まれている。2017年の投資総額は8億5000万ドルだった。この最適化では、特定の条件に基づいて、データがある層から別の層に自動的に移動される。これにより、オンプレミスからパブリッククラウドにデータが移動されるため、アーカイブが可能になる。またクラウド同士を比較して、適切な場所にデータを配置することができる。
Enterprise Strategy Groupのシニアアナリスト、スコット・シンクレア氏 オンプレミスプロバイダーとクラウドプロバイダー間のパートナーシップと提携の増加に引き続き注目することになるだろう。ここ2~3年間、オンプレミスベンダーはハイブリッドクラウドを話題にしているが、今なおパブリッククラウドベンダーを競争相手と考えている。
2018年、オンプレミスベンダーはその戦略を維持できないことに気付くだろう。どのベンダーも、オンプレミス戦略とオフプレミス戦略の両方を用意するようになる。そして、オフプレミス戦略にはマルチクラウドが関係してくるだろう。また、このテクノロジーと販売に携わる担当者はこのことを理解するだけでなく、そのインフラ全体を最大限に利用できるソリューションを顧客に提供することも必要になる。
Cohesityの創業者兼CEO、モフィット・アーロン氏 単なるデータセンターや単なるパブリッククラウドではなく、データセンターとクラウドの両方にまたがる製品を伴うさらにハイブリッドなアプローチが標準になるだろう。データセンターは持ち家のようなもので、パブリッククラウドは賃貸住宅のようなものだ。製品が持ち家と賃貸住宅の両方を兼ねるようになれば、世界はより良い場所になるだろう。
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