Appleもビジネスメッセージングに本腰
Googleが次世代メッセージサービス「RCS」で“打倒Facebook”に再挑戦か(1/2 ページ)
Apple、Facebook、Googleが、企業とコンシューマーをつなぐメッセージサービスの投入を進めている。Googleを中心に、各社の動きを追う。
モバイル関連の大規模年次イベント「Mobile World Congress 2018」(MWC 2018)直前の2018年2月下旬、Googleはショートメッセージサービス(SMS)の後継と目されるメッセージサービス規格「Rich Communication Services」(RCS)に関して、通信事業者や他ベンダーとの提携を発表した。
Googleの競合ベンダーも似た動きを見せている。例えばAppleは携帯デバイスベンダーの観点からビジネスメッセージングに取り組んでいる。同社の「iOS 11.3」プレビュー版は、コンシューマーと企業とのやりとりを想定したメッセージサービス「Business Chat」を含む。
Facebookは傘下のWhatsAppを通じて、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)やメッセージサービスの拡充策の一環として、ビジネスメッセージングを手掛けている。具体的にはメッセージサービス「WhatsApp」の月間アクティブユーザー13億人に対して、企業がやりとりできるようにするメッセージサービス「WhatsApp Business」を公開している。
Googleはグローバル展開を目指し、通信事業者との連携に重点を置いている。こうした各社の取り組みはどれだけ支持を得られるだろうか。コンタクトセンターはどう備えるべきだろうか。
併せて読みたいお薦め記事
Apple「Business Chat」についてもっと詳しく
SNS/メッセージサービスについてもっと詳しく
Apple、Google、Facebookがしのぎを削るビジネスメッセージング
Appleはビジネスメッセージングについて、同社のメッセージサービス「iMessage」の成長手段だと位置付けている。Business Chatの導入により、「iPhone」ユーザーが直接、企業とやりとりできるようにする考えだ。AppleはBusiness ChatをiMessageやWebブラウザの「Safari」、検索機能の「Spotlight」、音声アシスタント「Siri」、地図アプリ「マップ」と連携させている。
興味深いことに、AppleがBusiness Chatの発表時にパートナーとして明らかにしたのは、LivePerson、Nuance Communications、Genesys Telecommunications Laboratories、Salesforce.comだった。いずれもコンタクトセンター分野の有力な大手ベンダーだ。
Googleは、SNSやメッセージサービスへの参入に何度も挑戦してきたが、これらの分野でライバル視してきた企業と比べて、ほとんど成功していない。最新の試みの1つとして、GoogleはRCSに活路を見いだそうとしている。この分野を主導したい考えだ。
RCSは、モバイルデバイスのテキストメッセージングの在り方を大きく変える可能性がある。だがRCSは他の規格と同じく「委員会による設計」という課題がつきまとう。多数の通信事業者やベンダーが議論し、単一の仕様を決定しなければならないことだ。
RCSはまだ広く普及していない。Googleとの提携でRCSサービスを提供済み、または提供を表明している通信事業者の契約加入者数は、合計18億人に上る。だが現時点でのRCSサービスのユーザー数は、全世界で数百万人にとどまる。これまでのところ、Googleの呼び掛けをよそに、通信事業者やデバイスベンダーは、RCS準拠のサービスやデバイスを大規模に提供するには至っていない。RCSが成熟して大きなエコシステムが成立するには時間がかかる。多数の利害関係者が絡むからだ。
GoogleのRCSのパートナーは、通信事業者やデバイスベンダーに加えて、一般企業やメッセージング関連ベンダーも含む。一般企業のパートナーは、コンタクトレンズ販売の1-800 Contacts、青果販売の1-800-Flowers.com、宿泊予約のBooking.comとSnapTravel、サンドイッチチェーンのSubwayなど。メッセージング関連パートナーは3Cinteractive、CM、Mobivity Holdings、OpenMarket、Smooch Technologies、Twilioなどだ。有力なコンタクトセンターベンダーは、まだ名を連ねていない。
Appleの「Siri」やAmazon.comの「Alexa」に似た音声アシスタント「Googleアシスタント」の普及も、Googleは継続的に推進している。Googleアシスタントは2018年中に30言語での操作が可能になる。企業が顧客との会話を自動化するためにGoogleアシスタントを利用することも想定でき、重要性が高まりそうだ。RCSサービスは企業と顧客間のコミュニケーションチャネルとして機能し、Googleアシスタントは、その背後で頭脳の役割を果たす。GoogleアシスタントはRCSサービス以外のチャネルにも活用できる。
Facebookは、最大級の規模を誇る4種のSNSおよびメッセージサービスを持っている。「Facebook」「Messenger」、WhatsApp、「Instagram」だ。既にこれらのサービスを使って顧客とやりとりしている企業は少なくない。Facebookは企業向けツールを拡充しようとしている。例えばWhatsApp Businessは、企業が顧客とやりとりしたり、そうしたやりとりの一部を自動化したりする機能を備える。やりとりの規模が大きくなる場合は、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)が必要になるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
5
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
6
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
9
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
10
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー