画面転送プロトコルにも違いが
管理機能で比較する、デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化の主要製品(1/2 ページ)
デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化へのニーズは企業ごとに違う。購入に際し正しい判断を下すには、各ベンダーのモビリティー機能やデータ管理機能を比較する必要がある。
デスクトップ仮想化およびアプリケーション仮想化ソフトウェアを提供しているベンダーは多い。それらをふるいにかけ、自社の規模と具体的なニーズに合った製品を見つけ出すのは、IT管理者には骨が折れる作業だ。
管理者は、デスクトップ仮想化、アプリケーション仮想化、システム管理、データ管理、モビリティー向けに各システムが提供する機能を精査してから、決断を下す必要がある。
デスクトップ仮想化
デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化ソフトウェアを検討する際、大多数の企業で最も重要になるのは「最高レベルのパフォーマンスとユーザビリティーの標準を満たす、包括的な仮想デスクトップ基盤(VDI)を提供できるかどうか」だ。効果的なVDIに不可欠な2つのコンポーネントは「ハイパーバイザー」と「画面転送プロトコル」だ。この2つが連携して仮想デスクトップをユーザーに提供する。
「独自のハイパーバイザーを提供する」「サードパーティーのハイパーバイザーを使用する」「その両方のオプションをサポートする」など、ベンダーによってハイパーバイザーへの対応はさまざまだ。例えばMicrosoftの「リモートデスクトップサービス」(RDS)は同社の「Hyper-V」で動作し、「Citrix XenDesktop」は「Citrix XenServer」で動作する。XenDesktopは「VMware ESXi」や「Nutanix Acropolis」などサードパーティーのハイパーバイザーとも互換性がある。その他「Ericom Connect」「Parallels Remote Application Server」(RAS)などの製品は特定のハイパーバイザーに依存しないで、XenServer、Hyper-V、VMware ESXiなどの主要ハイパーバイザーのほとんどをサポートする。
ベンダーは、仮想デスクトップを提供するために多様な画面転送プロトコルもサポートする。MicrosoftのRDSでは同社の「リモートデスクトッププロトコル」(RDP)や「RemoteFX」が使用可能だ。「VMware Horizon」はVMwareの「Blast Extreme」の他、「PC over IP」やMicrosoftのRDPを使用できる。XenDesktopがサポートするのはICA(Independent Computing Architecture)と「Citrix HDX」だ。Huaweiの「FusionAccess」は独自プロトコル「Huawei Desktop Protocol」を使用する。Systanciaの「AppliDis Fusion」は、NComputingの「VERDE VDI」と同様RDPを使用する。VERDE VDIはSPICE(Simple Protocol for Independent Computing Environments)もサポートする。
ハイパーバイザーとプロトコルをどのように組み合わせるかによって、デスクトップの提供方法が大きく変わる。ITチームは現在と今後のニーズを確実に満たせるように、製品の機能を全てテストする必要がある。マルチハイパーバイザー導入をサポートするチームの場合はこのことが特に重要になる。
管理者は、製品のサーバコンポーネントとクライアントコンポーネントに必要なOSや、仮想デスクトップを実行できるOSを検証することも必要になる。例えばAppliDis Fusionサーバで実行可能なのは「Windows Server 2003」以降だ。AppliDis Fusionクライアントは「Windows」「Linux」「UNIX」「macOS」など、複数のプラットフォームで実行できる。そしてAppliDis Fusionの仮想デスクトップで使えるOSはWindows 7以降だ。
これに加え管理者は、スケーラビリティ、デバイスのリダイレクト、ファイル管理、柔軟な印刷機能など、製品がその他の重要な機能をサポートしていることも確認しておかなければならない。また必要に応じて永続デスクトップと非永続デスクトップの両方をサポートできなくてはならない場合もある。
管理者は製品を決める前に、ユーザーの勤務スタイルや、ユーザーが仕事に必要とするものを熟知してから、各製品を適宜評価する必要がある。
アプリケーション仮想化
デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化の製品を、アプリケーション仮想化機能に基づいて選ぶのは難しい。それは、管理者がアプリケーション仮想化を導入する方法が幾つもあるためだ。例えば、アプリケーションをストリーミングして、デスクトップで直接実行する製品もある。
デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化を計画している管理者は、ローカルデスクトップから独立してリモートサーバでアプリケーションを実行するプラットフォームを求める場合が多い。この種のプラットフォームはCitrix Systems、VMware、Parallels、Huaweiなどのベンダーが提供している。
管理者はベンダーが提供するテクノロジーを理解し、VDIの場合とほぼ同じように、アプリケーションの提供に使用するプロトコルや、アプリケーションの導入を拡張する機能などを把握する必要がある。また、製品がサポートするアプリケーションの範囲を理解し、パフォーマンスと可用性を重視する必要もある。ベンダーが製品を差別化している方法や、製品機能を理解することは重要だ。
例えばCitrixは、XenDesktopと「Citrix XenApp」の両方をスタンドアロンプラットフォームとして提供する。だが、VDIと仮想アプリケーションの両方を導入する企業は、XenDesktopを購入するだけでよい。XenDesktopにはXenAppの機能が全て含まれている。VMwareの仕組みも同様だ。Horizon 7はデスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化の両方をサポートするが、VMwareはアプリケーション仮想化のみが必要な顧客向けに「Horizon Apps」を用意している。
一方NComputingは、以下3つの仮想化製品を提供する。
- VERDE VDIは、中小規模を対象とするデスクトップ仮想化製品を提供する
- 「vSpace Pro」は、単一のOSからデスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化を提供するためのセッションベースのプラットフォームだ
- 「RX-HDX」シンクライアントは、「Raspberry Pi 3」をベースとするプラットフォームで、XenDesktopとXenApp向けに最適化されている。つまりユーザーはクライアントから仮想アプリケーションにアクセスできる
その他のベンダーのモデルはよりシンプルで、デスクトップとアプリケーションの両方を仮想化する製品を1つで提供する。例えばEricom Connect、FusionAccess、RAS、AppliDis Fusion、RDS(アプリケーション配信のためにRemoteAppコンポーネントを含む)などがこれに当たる。
管理者は、アプリケーションを独立して実行する機能や、従来のソフトウェアをサポートする機能など、必要な機能をプラットフォームが全て提供することも確認しておかなければならない。また仮想化製品は、統一された導入において仮想デスクトップと仮想アプリケーションの両方をサポートし、管理者がどちらも競合に陥ることなく実装できるようにする必要がある。
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