ワイルドカードのHTML5接続も台頭
徹底比較:VDIの「画面転送プロトコル」、主要3社の技術に違いは?(1/2 ページ)
デスクトップ仮想化製品の主要ベンダーであるCitrix、VMware、Microsoftは、それぞれ独自の画面転送プロトコルを展開する。各社のプロトコルを比較しながら紹介する。
デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化の技術の進歩と共に、大手ベンダーの画面転送プロトコルも進歩している。Citrix Systemsの「HDX」、Microsoftの「RemoteFX」、VMwareの「Blast」、Teradiciの「PCoIP」プロトコルは、全て最新のエンドユーザーコンピューティングをサポートできる。
主要な画面転送プロトコルは、どれも優れたパフォーマンスを発揮し汎用性があることだ。そのため、IT部門はプロトコルに基づいて仮想化プラットフォームを選択する必要がなくなっている。
長い間、VDI(仮想デスクトップインフラ)の専門家が議論を始めるのにちょうどよい話題があった。それは「最高の画面転送プロトコルは何だろう」と、尋ねることだった。Citrix、Microsoft、VMwareが提供する各種プロトコルの長所と短所によって、活発な議論を延々と続けることができた。ディスプレイプロトコルの競争に終わりは来るのだろうか。画面転送プロトコルの選択は、今でもVDIやDaaS(Desktop as a Service)を選択する際に重要なのだろうか、と。
VMwareは、「VMware Horizon 7」でついに独自のプロトコルをリリースしたが、既存プロトコルのアップグレードというわけではない。今のところ、仮想デスクトップとアプリケーションを提供するためにCitrix、VMware、Microsoftのいずれかが提供するプロトコルを使用して、不備が生じることはあまりない。
Citrixの「ICA」プロトコルと「HDX」プロトコル
CitrixはICA(Independent Computing Architecture)プロトコルによって、画面転送プロトコル市場を立ち上げた。最近はICAからHDXプロトコルへの変換に多大な開発努力を費やした。HDXプロトコルは複数のリモートディスプレイテクノロジーが連動するもので、2009年からCitrixの「Citrix XenDesktop」と「Citrix XenApp」で使用されている。
当初、高機能なUSBリダイレクト、Windowsのマルチモニターサポートまたは動画再生を実現するには、サードパーティーのソフトウェアを使用するしかなかった。だが、長年にわたりCitrixはICAとHDXに改良を加え、最新の画面転送プロトコルへと変化させた。HDXには重要な機能が全て備わっている。
HDXには、リモートデスクトップとアプリケーション配信に特化したテクノロジーが搭載されている。例えば、Citrixの「HDX 3D Pro」は、リモート3Dなどのリソースを大量に消費するアプリケーションを使用する従業員に、IT部門が良質な操作性を提供できるようサポートする。また、HDXのサブグループであるCitrixの「HDX Mobile」は、モバイルデバイスでWindowsアプリや仮想デスクトップにアクセスする際の操作性を改善する。
VMwareの「Blast」プロトコルとPCoIP
VMwareは、同社のエンドユーザーコンピューティングスイート製品「VMware Horizon」でPCoIP(PC-over-IP)プロトコルを使用するために、Teradiciと2008年にライセンス契約を結んでいる。Teradiciは、リモートグラフィックの配信において、長年にわたるエンジニアリングの経験がある。そのためPCoIPは、常にUSBリダイレクト、動画再生およびマルチモニターを適切にサポートしている。もともとハードウェアクライアント向けに設計されたものであるため、当初PCoIPはクライアントのプリンタやクライアントのHDDをサポートしていなかった。ただし、VMwareとTeradiciは過去8年にわたる共同開発によって、PCoIPの改良を重ね、HDXやMicrosoftのRemoteFXに後れを取らずについてきた。これらの全機能が他のPCoIPライセンスで利用できるわけではない。例えば、「Amazon Web Services」(AWS)のDaaS「AWS WorkSpaces」に含まれているのは、基本的なPCoIPプロトコルのみである。
VMwareとPCoIPの連係は永遠に続くものではないかもしれない。VMwareはHorizon 7に独自プロトコルの「Blast Extreme」を搭載している。同社はモバイルデバイスで仮想デスクトップとアプリケーションをサポートするためにBlastプロトコルを設計している。Blastプロトコルは、ほぼ全てのスマートフォンとタブレットがサポートしている既存のHTML AccessプロトコルとH.264圧縮をベースとしている。IT部門はBlastプロトコルとPCoIPのどちらを使用するか選択できるが、両者に機能上の違いはないとVMwareは述べている。
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