デバイスに合わせた選定を
最適なSLAでサポートコストを削減 PC修理は何時間以内がベスト?
サービスレベル契約(SLA)のコストは、それぞれのデバイスの重要度に合わせてサポートのレベルを選び、複数のサポートレベルを混在させることで節約できる可能性がある。
IT部門はデスクトップサポートのサービスレベル契約(SLA)のコストを削減できる可能性がある。それには、デバイスの重要度に合わせてサポートのレベルを選び、複数のレベルを混在させることだ。
PCライフサイクル管理の観点で、IT担当者がユーザーのダウンタイムなしにサポートコストを抑える最善の方法は、自社に最適なSLAを理解することだ。
SLAはサービスプロバイダーとIT部門との合意事項だ。サービスプロバイダーはこのSLAに従い、問題の深刻度や発生頻度、問題発生時刻など、具体的な指標に基づいて一定レベルのサポートを提供する。SLAはPCの健康保険や生命保険に当たる。IT担当者はSLAのさまざまなオプションの中から必要なオプションを選択できる。
サービスプロバイダーが提供する代表的なSLAは、「応答時間契約」と「修復時間契約」のカテゴリーのいずれかに分類できる。
応答時間契約と修復時間契約の違い
応答時間を定めるSLAは、サポートを要請した担当者にサポート技術者が一定の時間内に応答することを保証する。連絡手段には通常、電話が利用されるが、メールなどの他のコミュニケーション手段も用いられる。担当者がフォローアップのために訪問するのも一般的だ。
ただし、応答時間を定めるSLAは、サービスプロバイダーが実際に修復を完了する期日を保証しない。IT担当者は、応答方法と応答オプションについての条件に注意する必要がある。
SLAの代表的な応答時間の条件には以下のものがある。
- 年中無休で4時間以内に応答
- 年中無休で8時間以内に応答
- 翌日の営業時間内(9時~17時)に応答
4時間以内の応答と翌日応答の費用には大きな差がある。
修復時間を定めるSLAは、サービスプロバイダーが一定時間内に修復を完了することを保証する。IT部門は一般的に、PCを素早くスペアに交換したり、サービスの要請に時間を費やさずにデバイス自体のイメージを作り直したりすることが可能だ。そのため修復時間を定める契約は、通常、仮想マシンやデータベースをホストするサーバなど、ビジネスクリティカルなデバイスに対して締結する。
SLAを分割してコストを削減する
サポートコストを削減するには、特定のデバイスの重要度に合わせてデスクトップサポートSLAを取り決めるという方法がある。
ほんのわずかしか必要としないデバイスを含む、全てのデバイスに対して年中無休で4時間以内に応答するSLAを導入する企業が多い。4時間以内の応答が本当に必要なデバイスは限られている。例えば、デバイスの故障により複数のユーザーが仕事を遂行できなくなる場合や、オンラインサービスやオンラインリソースの停止が収益低下につながる場合が該当する。
IT部門では、各デバイスの重要度を判断するために、自社のサポート分析を実施する必要がある。例えば、金融関係の企業がトレーダー向けのPCを取引所に用意している場合、そのトレーダー用PCには、オフィススタッフのPCよりも高いレベルのSLAが必要になる。
| オプション名 | ライフサイクル | 保証期間 | 保証期間外サポート | セルフメンテナンスサポート | 生産終了後の対応 |
|---|---|---|---|---|---|
| A | 3年 | 1年 | 2年 | なし | リサイクル、買い取り |
| B | 3年 | 3年 | なし | なし | リサイクル、買い取り |
| C | 3年 | 1年 | 2年 | なし | リサイクル |
| D | 5年 | 3年 | 2年 | 2年 | リサイクル |
| E | 5年 | 3年 | なし | 2年 | 再利用/リサイクル |
| F | 無制限 | 3年、またはそれ以下 | なし | 保証期間終了後 | 再利用 |
PCのライフサイクル管理の選択肢
IT担当者がPCの交換やイメージの作り直しを数時間以内に実行できるなら、技術者が現場に出向いて修理するよりもはるかに安上がりになる。結果として、IT担当者は現場で利用できるホットスペアを幾つか用意すれば、夜通し修復作業に追われることはなくなる。
ホットスペアがあれば、IT担当者はほんの数時間のダウンタイムで、簡単にイメージを読み込み、ユーザーのファイルを復元して、オンライン状態に戻すことができる。IT担当者は、このホットスペアと翌日応答する契約を組み合わせることで、長時間のダウンタイムを生じることなく、SLAのコストを削減できる。
SLAを分割すると、管理者は限られたデバイスに高レベルのサポートを契約し、あまり重要ではないデバイスには低レベルのサポートを契約できる。サービスレベルは通常、以下のように定義されている。
- レベル1
- ダウンタイムは許容されず、デバイスをできる限り迅速にオンライン状態にしなければならない。重要なユーザーが使用するデバイスや、ラボ設備を運用するPCが該当する。こうしたデバイスは、多数のユーザーや収益に直接影響する。
- レベル2
- IT部門は翌日までにPCやデバイスを復元しなければならない。
- レベル3
- デバイスが故障しても不便を感じるのが1人のユーザーの場合。IT部門はホットスペアやイメージの作成によってユーザーの生産性を回復できる。
以下に記載するのは、代表的企業のSLAを分割する例だ。IT部門が各カテゴリーに適用するデスクトップサポートSLAと、そのレベルを適用するデバイスの割合(%)を表している。
- SLAレベル1:年中無休で4時間以内に応答、10%
- SLAレベル2:年中無休で翌日応答、25%
- SLAレベル3:営業時間内(9時~17時)で翌日応答、65%
このように、IT担当者は自社の具体的なニーズに合わせてSLAを分割するという考え方を生かした選択が必要になる。
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