サービスとしてのユニファイドコミュニケーション
UCaaSとCPaaSのどちらを選ぶべきか、最も無駄のない考え方
UCaaSとCPaaSを比べてどちらが優れているかという議論がある。こうした議論になると、重複する機能に目が行きがちになる。だが、両者は互いに補い合う関係になれる。
UCaaS(Unified Communications as a Service)とCPaaS(Communications Platform as a Service)は、音声、ビデオ、メッセージングなど、類似するサービスを提供しているように思える。だが、実のところCPaaSとUCaaSを区別するのは、企業やユーザーが両プラットフォームを扱う方法や、プラットフォームがサービスを提供する具体的なユースケースでしかない。
UCaaSプラットフォームは、ビジネスユーザーに高品質のエクスペリエンスを提供することに重点を置き、コミュニケーションとコラボレーションのツールへのアクセスの統合を実現する。このプラットフォームの利用者の多くは、固定電話機能、デスクトップクライアントソフトウェア、モバイルアプリを使用する。
UCaaSは、既存の電話や会議システム、コラボレーションの各サービス(オンプレミスのPBXや、スタンドアロンのWeb会議、ビデオ会議などのサービス)を置き換えるもの、またはそれらを統合するものと見なされることが多い。UCaaSプラットフォームは、ユーザーが同僚、サプライヤー、パートナー、顧客とコミュニケーションやコラボレーションできるようにするフロントエンドのインタフェースを提供する。
CPaaSも音声、ビデオ、メッセージングの各サービスを提供する。だが、CPaaSではAPIが使用されるため、サービスを利用するのはユーザーではなく、ビジネスアプリケーションが多い。開発者はCPaaSテクノロジーを使用することにより、サードパーティーのビジネスアプリケーションにコミュニケーションを埋め込んで統合エクスペリエンスを生み出す。
今日の最も一般的なCPaaSのユースケースとして、SMS通知を組織のスケジューリングアプリに統合するものがある。例えば、医院が診療管理ソフトウェアを使って、次回の予約や、処方箋の更新が近づいていることを患者に自動的に知らせることができる。また、患者は通知を確認したことを知らせるためにデバイスからSMSで返信でき、アプリケーションはその応答を記録できる。
CPaaSは他にも、対話型のIVR(音声応答システム)など、機械と人間のやりとりを促すことができる。また、中核となるコミュニケーション機能を開発者がアプリケーションに組み込めるようにする。例えば、コミュニケーションの橋渡しとしてCPaaSをバックグラウンドで使用することで、小売店のモバイルアプリ内のアイコンをタップした顧客が、アプリから離れることなくパーソナルショッパーやカスタマーサービス担当者と直接通信できるようになる。
UCaaSとCPaaSは、実は互いを大いに補完できる関係にある。音声、SMS、さらにはソーシャルメディアなど、自身が好む方法で企業とのコミュニケーションを求める顧客は増える一方だ。そこでUCaaSプラットフォーム上にCPaaSプラットフォームを構築すれば、コミュニケーションインフラを完全に別のものに置き換えなくても、幅広いユーザーとやりとりできる可能性がさらに高まる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
5
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
6
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
9
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
10
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー