コモディティ化を促す3つの要因
急速に低価格化するオールフラッシュストレージ、その背景には何があるのか?(3/4 ページ)
オープンソースのメリット
もう1つの大きな進化はオープンソースのストレージソフトウェアだ。Linux OSの「CentOS」、分散ストレージソフトウェアの「Ceph」、コンテナ化ソフトウェアの「Docker」、UNIX系OSの「FreeBSD」などがその例だ。これにより、新しいSSDやストレージシステムの参入ハードルが下がる。ストレージソフトウェア開発者が一から開発を始める必要がないためだ。最低限のコストで開発済みで利用可能なストレージソフトウェア機能がオープンソースで提供されている。高度な機能でも利用可能だ。ストレージシステム機能は参入の障害にはならなくなってきている。
AFAにおいて不可欠な要素であり、最大のテクノロジーの進歩だといえるのはフラッシュドライブそのものだろう。SSDによってパフォーマンスの限界が変わり、条件が平等になっている。
IOPS(秒当たりのアクセス率)の遅延は、パフォーマンスと同じく従来の多くのアプリケーションにとって重要だ。また、Non-Volatile Memory Express(NVMe)型のSSDと高速データ転送の仕組みであるNVMe over Fabrics(NVMe-oF)が開発されたことで、技術的に大きな改善があった。NVMeはオープン規格のドライバで、サーバまたはコントローラーとNVMe間での遅延を大幅に低減する。その過程では、専用ベンダーによるロックインが排除されている。また、NVMe-oFはサーバやストレージシステム内のNVMe型SSDに接続されたファブリック(ファイバーチャネル、イーサネット、InfiniBandなどの接続機器)で同様の低遅延を実現する。どちらも公開標準で、オープンソースコミュニティーの他に、ネットワークベンダーやSDSベンダーが採用している。
これらの進歩と標準を利用することで、複数の新しいAFAベンダーが低遅延、IOPS、スループット(一定時間に処理できる作業量)の点でトップクラスに立っている。これらの新興企業はストレージの重荷が少ないため、他社に比べて動きが早く、さらに新しいストレージの進歩も活用できる。その一例としては、Intelの「Optane」やMicronの「QuantX」による「3D XPoint」テクノロジーなどのストレージクラスメモリ(SCM)型のドライブが挙げられる。これはSSDよりも高速で遅延も少ない。最新のストレージテクノロジーを迅速に採用したことで、これらの新しい競合企業が定評のあるエンタープライズ向けストレージシステムの最高速を上回ることができた。
AFAの競争を加速しているもう1つのイノベーションとして階層化がある。階層化では、AFAのコールドデータがより低コストなセカンダリーシステムやクラウドストレージにアーカイブされる。コールドデータとは参照されることが少ないが、長期保存が必要となるデータのことだ。コールドデータをAFAから移動させることで、プライマリーデータに必要な容量が80%以上削減される。ひいては、プライマリーストレージのコストと相殺することもできるだろう。従来のAFAベンダーの多くはこの階層化機能を採用している。ただし、コールドデータを管理するために別途料金を請求することがよくある。新しい競争企業はそれをしておらず、それが従来のAFAベンダーに競争力を与えている。
ここで挙げたテクノロジーのイノベーションやトレンドによって、AFA市場に参入するハードルは下がっている。その結果、新しい競合企業が多数生まれている。これらの俊敏な競合企業から掛けられるプレッシャーが強まっていることで、大手ブランドは値下げせざるを得なくなっている。
間接的競争の増加
IT専門家の時代は衰退の道をたどっている。IT市場は、ストレージ、ネットワーク、コンピューティングという独立した分野を統合する方向に大きく動いている。
コンバージドインフラ(CI)は、サーバ、ハイパーバイザー、ネットワーク、ストレージシステムを単一の管理インフラに統合する。ハイパーコンバージドインフラ(HCI)はその統合をさらに深める。これはサーバ、ハイパーバイザー、ストレージをそのサーバ内部においてソフトウェアの単位で組み合わせるものだ。この2種類のうち、HCIの方がより急速な成長を見せている。こちらの方が低コストで、管理が単純なためだ。
HCIではスタンドアロン型のAFAは必要ない。冗長なストレージが搭載され、HCIのSSDはコストが大幅に低くなる。AFAドライブの3分の2以下になるだろう。HCIによってスタンドアロン型のAFAの必要性は低くなる。
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